1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月八日(木曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 亀山 孝一君
理事 大石 八治君 理事 岡崎 英城君
理事 久保田円次君 理事 和爾俊二郎君
理事 細谷 治嘉君 理事 門司 亮君
久保田藤麿君 佐々木秀世君
塩川正十郎君 辻 寛一君
渡海元三郎君 登坂重次郎君
永山 忠則君 山田 久就君
井上 泉君 太田 一夫君
河上 民雄君 華山 親義君
依田 圭五君 折小野良一君
小濱 新次君 林 百郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 藤枝 泉介君
出席政府委員
自治政務次官 伊東 隆治君
委員外の出席者
警察庁交通局交
通規制課長 関 忠雄君
厚生省環境衛生
局水道課長 大橋 文雄君
自治大臣官房参
事官 鎌田 要人君
自治大臣官房参
事官 志村 静男君
専 門 員 越村安太郎君
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六月三日
市町村営有線放送電話の助成に関する請願(臼
井莊一君紹介)(第一一二九号)
名神高速道路の交通警察費国庫負担に関する請
願(宇野宗佑君紹介)(第一一七二号)
戦傷病者に対する地方税減免に関する請願(原
健三郎君紹介)(第一二六四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
昭和四十二年度における地方公務員等共済組合
法の規定による年金の額の改定等に関する法律
案(内閣提出第一一〇号)
地方自治及び地方財政に関する件(地方公共団
体の水道事業に関する問題)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/0
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001・亀山孝一
○亀山委員長 これより会議を開きます。
この際、一言申し上げます。
本委員会理事門司亮君は、第一回国会の昭和二十二年六月三日、地方行政委員会の前身である治安及び地方制度委員会の委員に選任せられましたが、自来今日まで終始一貫本委員会の委員として精励せられ、ここに満二十年の長きに達せられました。その間、特に第二十六回国会から第二十八回国会冒頭まで地方行政委員長として重責をになわれ、その後も理事及び委員として常に本委員会の公正かつ円滑なる運営に尽くされました。
ここに委員長は委員各位を代表いたしまして、門司君の永年にわたる御功労に対し深甚なる敬意を表するとともに、今後ますます御自愛の上、地方自治発展のために御尽力あらんことを期待いたしましてごあいさつといたします。
〔拍手〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/1
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002・亀山孝一
○亀山委員長 この際、警察庁交通規制課長関忠雄君から、去る六月二日の林委員に対する答弁中、道路における交通事故発生件数に関する数字の一部に誤りがありましたので、訂正のため発言したいとの申し出がありますので、これを許します。関交通規制課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/2
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003・関忠雄
○関説明員 前回の当委員会におきまして、林委員の御質問に対する答弁中、数字の誤りがございましたので訂正をさせていただきます。
三十九年及び四十年の死亡重傷事故件数につきまして、国道、地方道別を述べました際に、三十九年の国道上三万一千四百七十九件、地方道上七万八千四百七十二件と申したのでございますが、この七万八千四百七十二件は国道、地方道の合計の数字をあやまって申し上げたものでございまして、地方道上は四万六千九百九十三件でございます。ただし国道、地方道の別を比率で申し上げました分四〇・一%対五九・九%は、この正しい数字に見合うものを申し上げておりまして、これは誤りではございません。同じく四十年の国道上三万一千九百四十四件、地方道上八万一千六百二十四件と申したのでございますが、この八万一千六百二十四件は国道、地方道の合計の数字でございまして、地方道上は四万九千六百八十件でございます。これにつきましても、比率はこの数字に基づいて申し上げております。
以上、私の不注意によりまして誤った数字を申し上げましたことをおわびし、訂正させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/3
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004・亀山孝一
○亀山委員長 林君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/4
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005・林百郎
○林委員 ただいまの訂正について、一言当該委員として記録にとどめておいていただきたいと思います。
国道とすべての地方道を区別して、その上に発生した交通事故の数字を準備されたいということは、私は私の質問の事前に警察庁から人を派遣していただいて、連絡をしておいたわけでございます。それにもかかわらず、重大な訂正がいまなされたわけであります。これは事は非常に重大でございますので、今後さらに私のほうの党としても独自の調査をいたしたいと思います。警察庁もさらに慎重に、念のために再調査をされたいと思う。きょうのところは一応お聞きしておくということにとどめておきます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/5
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006・亀山孝一
○亀山委員長 次に、内閣提出にかかる昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案を議題といたします。
さきに藤枝自治大臣より本案の提案理由の説明を聴取いたしましたが、この際、志村参事官から補足説明を聴取いたします。志村参事官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/6
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007・志村静男
○志村説明員 お手元に「昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案関係資料」こういったのをお配りしてあると思いますが、この中に法律案要綱がございますので、これに基づきまして御説明を申し上げたい、かように存じておるわけでございます。
まず第一でございますが、これは地方公務員共済組合の退職年金等の額の改定に関する事項であります。
御承知のように、現在恩給ベースは二万四千円ということになっておるわけでございますが、地方公務員等共済組合法いわゆる新共済法が施行されました昭和三十七年十二月一日におきましては、公務員の給与ベースはすでに二万九千円ということになっておりましたので、いままでいわゆる新共済法の規定によりますところの退職年金につきましては、その年額改定ということは一度も行なっていないわけでございます。しかしながら、今回の恩給の年額改定ということになりますと、受給者は七十歳以上の場合は恩給ベース二万四千円の二八・五%増ということになり、そうなりますと三万円をこすということになりますので、今回初めていわゆる新法年金につきましてもその年額改定の措置を講じたいということでございまして、そのやり方につきましては、恩給の年額改定、さらには国家公務員共済組合法の規定によりますところの退職年金の年額改定の措置に準じましてこれを改定しよう、こういうことでございます。
まずその第一番目でございますが、これは年金額の改定の基準でございまして、いま申し上げましたように国の改定措置に準ずるものでございまして、地方公務員共済組合が支給する地方公務員等共済組合法の規定による退職年金等、いわゆる新法年金でございますが、これにつきましては、その年額の算定の基礎となっている給料額を、いわゆる二万円ベースの給料を退職するまで受けていたと仮定した場合の給料額の三二%増額した額としよう、こういうものでございます。ただし、新法年金のうち、いわゆる旧法部分につきましては、七十歳以上の者につきましては五四・二%、六十五歳以上七十歳未満の者並びに六十五歳未満の妻、子及び孫の場合は四四%、こういうことにしようというものでございます。
また、この三二%あるいは五四・二%、四四%という数字でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、いわゆる新法年金につきましては年額改定は今回は初めてでございます。ところが恩給ベースは二万四千円ということになっておりますので、給与ベース二万円というものを土台にいたしますと二万四千円でございますので、その二割増し、さらに二万四千円ベースの一割増しということでございますので三二%、こういうことになるわけでございます。それから同じように、七十歳以上の受給者の場合におきましては、二万円ベースというものを土台にいたしますと、まず二割増しの二万四千円ベースにして、さらにそれの二八・五%増しということでございますので五四・二%、こういうことになるわけでございます。
次にその二は、年金額の改定に要する費用の負担関係でございまして、年金の額の改定に要する費用につきましては、新法年金のうち、法の施行前の組合員期間を基礎として算出する部分、いわゆる旧法部分につきましては、全額使用者でございますところの地方公共団体または国が負担をすることとし、法の施行後の組合員期間を基礎として算出する部分、いわゆる新法部分につきましては、三者負担、具体的には国または地方公共団体及び組合員が負担するものとしております。ただ、この場合、公務にかかわる給付につきましては、全額国または地方公共団体が負担をするものとする、こういうことにしているわけでございます。
次に第二でございますが、これは恩給法の改正に伴う事項でございます。
まずその第一は、旧法年金の額の改定でございます。旧法年金、つまり新法の施行前に支給事由が生じておりますところの年金のうち、旧市町村職員共済組合法の規定による退職年金であって市町村職員共済組合がその権利義務を承継いたしまして支給しているものにつきましては、その年額を国家公務員共済組合が支給する旧国家公務員共済組合法の規定による退職年金等の額の改定措置に準じまして改定をしよう、こういうものでございます。
なお、いわゆる旧法年金につきましては、これ以外に、旧町村職員恩給組合法の規定による退隠料あるいは国の新法により設けられました地方職員共済組合等いわゆる三共済の組合員であった者にかかるもの、さらには府県あるいは市の退職年金条例によりますところの退隠料というものがあるわけでございますが、これらのうち、旧町村職員恩給組合法の規定による退隠料あるいはいわゆる地方三共済の組合員であった者にかかるものにつきましては、恩給の年額が改定されますと施行法の規定によりましてそれらの年額は自動的に改定されるようになっているわけでございます。また、府県あるいは市の退職年金条例の規定によります退隠料につきましては、従来どおり当省といたしまして条例の改正準則を示しまして、これに従いまして年額を改定する、こういうことになるわけでございます。
次にその二は、高額所得停止基準の改正でございます。恩給法または退職年金条例の適用を受けた期間を有する組合員に対する退職年金で当該退職年金外の高額所得を有するためその一部が支給停止されているものにつきましては、今回の恩給法の改正におきまして、高額所得停止の基準でございますところの普通恩給十五万円、恩給外の所得七十五万円というのがそれぞれ二十万円、九十万円というふうに引き上げられることに伴いまして所要の改正措置を講じよう、こういうものでございます。
その三でございますが、これは最短年金年限未満で退職しました者が今回の恩給法の改正によりまして新たに旧軍人の恩給を受けることになる場合は、その者またはその遺族に退職年金または遺族年金を支給する措置を講ずるものとしているわけでございます。
なお、恩給法の改正に伴う事項といたしましてはそれ以外にもあるわけでございまして、旧外地官公署職員でありました期間を有する組合員につきまして、その者の琉球諸島民政府職員期間が新たに恩給公務員期間に算入されることにより普通恩給を受けることとなる場合にも同様の退職年金等を支給することとし、また増加恩給の増額措置に伴いまして公務廃疾年金の最低保障額を増額する等の措置を講ずることとしておるわけでございます。
それから次に第三でございますが、これはその他の事項でございます。
その一といたしまして、新法の施行前に地方公共団体に臨時に雇用され、かつ、厚生年金保険法の適用を受けていた期間につきましては、旧市町村職員共済組合法の適用を受けた期間といたしまして組合員期間に算入するものとしておるわけでございます。
それから次にその二でございますが、増加退隠料を受ける権利を放棄した組合員については、現行制度では増加退隠料等の基礎となりました期間を組合員期間に算入し、その組合員期間の長短に応じまして退職年金あるいは退職一時金を支給することになっておるわけでございますが、その場合には通常の退職年金あるいは一時金というふうなものを支給するわけでございまして、増加退隠料等の支給事由となりました廃疾状態というものを何ら加味されることなく給付が行なわれておるわけでございます。しかしながらこれにつきましては、やはり廃疾の状態等を加味する必要がございますので、国家公務員共済組合法の取り扱いに準じまして、法の制定後に公務により廃疾となった者と同じように、その廃疾の程度に応じ、公務による廃疾年金を支給することとしておるわけでございます。
それからその次の三でございますが、地方議会議員共済会の退職年金を受ける者が五十五歳未満でありましても、その者が公務に関連する傷病により公務傷病年金を受給できる程度の廃疾の状態、具体的には増加恩給の支給事由であるところの廃疾状態ということでございますが、恩給法別表「第一号表ノ二」に定める程度の不具廃疾の状態にありますときには、その状態にある間その退職年金の支給の停止は行なわないものとするわけでございます。
その他規定の整備を行なうものとして、おるわけでございます。
以上述べました措置のうち退職年金等の年額改定に関する措置、それから恩給法の改正に伴う措置といたしましては、昭和四十二年十月一日から、その他の事項については公布の日からそれぞれ実施するものとしておるわけでございます。
以上でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/7
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008・亀山孝一
○亀山委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。河上民雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/8
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009・河上民雄
○河上委員 四十二年度における地方公務員共済組合法の一部改正につきまして御質問したいと思います。
ただいま比較的詳しい補足説明をいただきましたので、だいぶわれわれの理解の上で役立つところがあったのでありますが、何ぶん、この問題は非常に技術的なことでございまして、私どもしろうとにはなかなかわかりにくいのでありますが、したがって質問は非常に多岐にわたります。御迷惑かもしれませんが、お答えいただきたいと思います。
まず初めに、一般的な御質問をいたしまして、そのあと細目につきまして二、三気がついたりあるいはいろいろ陳情等を受けましたことをもとにいたしまして、疑点をお尋ねしたいと思うのであります。
まず初めに、このお配りいただきました提案理由説明並びに要綱を拝見いたしますると、今回の改正は恩給法並びに国家公務員共済組合法の改正に伴う改正が大部分でございまして、本法独自の改正は非常に少ないように思うのでございますが、そのように理解してよろしいものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/9
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010・志村静男
○志村説明員 御指摘がございましたように、今回御提案申し上げておりますところの改正法案の内容でございますが、その主体は恩給法の改正あるいは国家公務員共済組合法の改正規定に準じまして改正しようというものでございまして、地方公務員共済組合法独自の改正というものは、それに比べますと少ないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/10
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011・河上民雄
○河上委員 本法の適用対象になります地方公務員の人員は、現在どのくらいでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/11
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012・志村静男
○志村説明員 地方公務員共済組合法の組合員といたしましては約二百三十万人、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/12
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013・河上民雄
○河上委員 この改正法案並びに元の法案をずっと読みましてまず感じます印象は、非常にわかりにくいということでございまして、問題の性質上技術的なことが多く、ちょうど汽車の時間表を一ページから読んでいくような感じでございまして、法律というものは、ことに民主的な今日の日本における法律というものは、やはりもう少しわかりやすい法律であるべきではないかという感じを非常に受けるのでございます。確かにあちこちへ参りますと、労働組合などにおきましても、職人的な専門家というのが何人かおられるようでございますが、大多数の方にとっては何かよくわからない。たまたま自分がそういう場にぶつかってみて、初めてそういうことになっているのかというようなことで、その結果、法案の条項と条項の間のみぞのようなところに落ち込んで、非常に気の毒な立場に立っている方が多いように思うのであります。こういう職人的な専門家にしかわからないような一種の秘伝のような法律のあり方というものは、一体どういうものだろうかということを非常に感ずるのであります。この前お配りいただきましたこの要綱だけ拝見したのでは、ちょっとわかりにくい点が非常に多かったのでありまして、いま、少し補足説明をいただきましたので、かなりはっきりしてまいったような気もいたしますけれども、二、三例をあげまして、ちょっとそういう点をお伺いしたいと思うのであります。ことにいま伺いますと二百三十万という方がその対象になるわけでございまして、もう少し法律そのものを何とかわかりやすくする努力はないものだろうか、その点をちょっと初めに伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/13
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014・志村静男
○志村説明員 先生の御指摘、まことにごもっともでございまして、たとえば私の場合を例にして恐縮でございますが、当然私ども職掌がら専門家あるいはそれに近いような知識、経験を共済制度について持っていなければならぬわけでございますが、私どもにいたしましても、実はなかなか万全の理解を持っているというまではとても申し上げるだけの自信がないような複雑な内容になっているわけでございます。
なぜこういったような規定になっておるかと申しますと、御承知のように新共済制度は旧共済制度と恩給制度というものを統合したものでございますので、結局旧制度におきますところの期待権、既得権あるいはそれとの均衡というようなものがございますので非常に複雑なものになっておる、かように考えておるわけでございます。御指摘のように、やはり利害関係者というのが非常に多くの数に上るわけでございますので、その方々がこの法律というものを見まして、いわばすぐ自分が知りたいことがわかるというのが理想だというようには考えるわけでございますが、何せいま申し上げたような制度の成立の経緯等からいたしまして、いろいろ問題があるために非常に技術的内容になっているわけでございますが、できますればわれわれといたしましても、少しでもわかりやすいようになるものなら、今後とも検討してまいりたい、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/14
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015・河上民雄
○河上委員 ただいま政府担当者のほうからそういうお答えがありましたが、急にはできないにいたしましても、できるだけそういう方向で御努力いただきたいと思うのであります。いまこの要綱を拝見しただけですぐにわかりにくい、少なくとも私どもはわかりにくいのでございますが、その点についてちょっと初めにお伺いしておきたいと思うのであります。
この要綱に一、二、三、四とございますが、たとえばその二の中の(三)「その他、最短年金年限未満で退職した者が新たに旧軍人の恩給を受けることとなる場合は、その者又はその遺族に退職年金又は遺族年金を支給する等の措置を講ずるものとすること。」というようなことがございますけれども、具体的にこれはどういうものをさしているのか、御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/15
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016・志村静男
○志村説明員 これは先生御承知のように、現在の恩給制度におきましては、兵、下士官の場合は十二年以上で普通恩給がつく、それから准士官以上の場合は十三年以上でもって恩給がつくようになっております。そういたしますと、在職年十二年以上十三年未満の准士官として採用されました方には、兵、下士官としての普通恩給もつかず、それから准士官としての普通恩給もつかない、こういうことになるわけでございます。これを救おうということで、今回の恩給法の改正におきましては、いま申し上げたような事例の場合におきましては、下士官として退職したものとみなすということによりまして普通恩給を支給できるようにしたわけでございます。恩給法の改正におきまして、そのような方が普通恩給を支給されるようになりますと、地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法というのがございまして、この規定によりまして、それらの方につきましては旧軍人としての普通恩給の金額に相当する額が退職年金として支給されるようになるわけでございます。そういったことをさしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/16
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017・河上民雄
○河上委員 そういう方は、私も先ほど申しましたように、法律の条項と条項の間のみぞに落ち込んだ方だと思うのでありますが、そういう方が大体何人ぐらいおられるのかということでございます。もう一つ、次の第三の(二)に、「増加退隠料等を受ける権利を放棄した組合員については、」云々ということがございますが、この場合、権利を放棄しなかった人もいる場合があると思うのでありますけれども、そういう場合にはどういうふうになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/17
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018・志村静男
○志村説明員 お尋ねの件でございますが、これは少し詳しく御説明申し上げますと、いわゆる増加退隠料等を受ける権利、これは増加退隠料等でございますので、増加退隠料と併給退隠料でございますが、これを受ける権利というものにつきましては、その権利の特殊性と申しますか、そういったものにかんがみまして、新しい共済制度の施行に伴いましても、原則としましては、これらの受給権は消滅をさせない、こういうたてまえをとっておるわけでございます。これはなぜそういうようになっておるかと申しますと、増加退隠料の場合におきましては必ず退隠料が併給されるということと、それからまた、併給されますところの退隠料の額というのは、実在職年数が退隠料の最短年限に達しない場合におきましても、最短年限とした場合の金額が支給されるという特殊性がございますので、やはりこれを新法の施行に伴いまして消滅させるということをたてまえとしませんで、いわゆる別建てをとったわけでございます。ところが、受給権者のほうが希望いたしまして、自分は権利を放棄したいのだという場合には、その権利の消滅を認めまして、かわりに増加退隠料等の基礎となりました期間は組合員期間に算入をする、そしてその組合員期間の長短に応じまして退職年金または退職一時金を支給することになっておるわけでございます。ところが、その場合、増加退隠料等の支給理由となった廃疾の状態ということは何ら加味されることがなく、通常の退職年金あるいはまた退職一時金というものが支給されているわけでございます。ところが、例の傷病年金の場合におきましては、傷病年金につきましては支給する、しかし併給されておりますところの年金につきましては、これを消滅さして組合員期間に算入するというようなことでありまして、不具廃疾というようなことから比べますと、より程度が軽い傷病年金のほうが有利になっておるわけでございます。したがいまして、そういったような均衡から申しましても、やはり増加退隠料等の支給理由となった不具廃疾の程度を加味いたしまして新法による年金を支給するほうが適当だというふうに考えまして、今回国家公務員共済組合法の規定が改正されることに伴い改正しよう、こういうことでございます。確かに御指摘のとおり、それでは現在増加退隠料等を受ける権利を放棄しないで支給を受けておる者についてはどうかということになるわけでございますので、これにつきましてはこの法律公布の日から六十日の間に再選択の機会を認めておるわけでございます。ですから、この間に放棄をしたいということを申し出ますれば放棄をさせる、しかしそのかわりに今度の法律によりますところの公務廃疾年金なら公務廃疾年金をその者にも支給をする、こういうことにしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/18
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019・河上民雄
○河上委員 そういうように詳しく御説明いただいたわけですが、ちょっとこの要綱を拝見しただけでは、そういういわば裏と言っては悪いですけれども、そういうことがちょっとわからない場合が多いわけでございまして、何かもう少し親切な要綱なり、そういうものがほしいように思うのでございます。当然、先ほども申しましたように二百三十万の方が利害関係者であるわけですから、ただ法律がこれだけちょっと変わったのだということではなかなかぴんとこない方も多いのでして、実際に自分がその立場に立って、不利な条件に立たされたときに初めて気がつくというようなことが非常に多いのじゃないかと思うのであります。そういう意味からいって、非常に技術的な問題でありますだけに、もう少し全体として親切な説明がほしいというのが、私が感じていることでございます。あるいは私がこういう問題について非常に理解が浅いためにそういう印象を受けるのかもしれませんが、必ずしもそうでないように思っておるのでございまして、ひとつその点、まず初めに大臣に、今後こういうことにつきまして、もう少し技術的な問題につきましては親切な解説なり要綱なりというものを示していただきますように、ここで御確約をいただきたいということを希望しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/19
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020・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 確かにこういう問題は、非常に技術的な問題が多いだけに、一般のこれの適用を受ける多数の組合員はなかなか理解しにくい点もあろうと思います。したがいまして、ただいまお話しのように、こうした重要な改正のありました場合には、その改正の要旨をさらに親切に徹底するようにつとめてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/20
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021・志村静男
○志村説明員 実は本日お手元に、なかなか技術的な問題でわかりにくい点もあろうかと思いますので、参考資料をお配りしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/21
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022・河上民雄
○河上委員 共済組合制度というものにつきましては、当然どういう原理に立って構成されているかということは非常に重要な問題であろうと思うのであります。イギリスの社会保障制度の非常に重要な一里塚となりましたビバリッジの提案の冒頭にも、この制度がどういう原理に立ってつくられているかということを非常に明快に、詳細に説明してあるのでございますが、この地方公務員等共済組合法というものがどういう精神に立脚しておるか、またどういう方向にいこうとしておるかということにつきまして、自治大臣にちょっとお尋ねしておきたいと思うのでございます。御承知のとおり、戦前の恩給法が恩恵的に国家から与えられる保障でありますのに対しまして、戦後は民主化された公務員制度というものを反映して共済組合制度というものができたというふうに理解しているわけでございますが、本来これは近代国家のたてまえからいえば、やはり将来完備されるところの社会保障制度の一環として考えるべきものだと私どもは考えておるわけでございますけれども、その点について自治大臣の御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/22
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023・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 御指摘のように、戦前の恩給というものは、いわば国が公務員に対して恩恵的に老後の生活の保障をするというような性格を持っておったわけでございます。現在の共済制度は社会保障制度の一環としてやられておるわけでございまして、したがいまして、社会保障制度そのものの伸展とともに改善されていくべきもの、そういう理解をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/23
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024・河上民雄
○河上委員 ただいま大臣から非常に大事な、重要な御発言がありまして、今後、ことし来年というすぐのことでないにいたしましても、将来そちらの方向に向かっていくというふうにわれわれは期待するのであります。と同時に、現在の共済組合法の運営におきましても、そうした姿勢というものがとられなくてはならない、こういうように思うのでございます。そしてこういう保障制度の場合、一番基本的な問題は、だれがだれに対して生活を保障するかということ、それからその費用はだれが負担するのかということ、いかなる場合にそれが適用されるのかというような三つのポイントがあると思うのでございますが、もし社会保障制度の一環として本法が考えられ、またそういう方向へ向かうべく運営していくといたしますならば、この共済組合法におきまして国庫負担がないというのはやはりおかしいではないかという議論が、本法成立当時の社会保障制度審議会あたりの意見にもすでにあったように記憶いたすのでございます。また、昭和四十一年六月二十四日の本院における附帯決議を読みましても、そういう要望がなされているわけでございます。念のためにその部分をここで読ましていただきますると、昭和四十一年六月二十四日、衆議院地方行政委員会における附帯決議でございますが、そのうちの「一、地方公務員共済組合の短期給付については、医療費の増加に伴う財政悪化及び組合員の負担増加の現状にかんがみ、これが健全化及び組合員の負担の緩和をはかるため、国庫負担制度について検討すること。」というようなことが決議されておるわけでございます。また、社会保障制度審議会では再三にわたり、この制度に国庫負担を導入すべきであるという意見が強く述べられておるわけでございますが、この決議並びに社会保障制度審議会の要望に対して、政府ではその後どういうふうにしておられるか、また今後どういうふうにすべきだとお考えになるか、お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/24
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025・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 この共済制度のうちの短期給付につきましては、公務員の連帯、相互救済と申しますか、そういう性格を強く持っておるわけでございます。したがいまして、現在においては国庫負担の制度がとられておりませんが、ただいまお述べになりましたように、各方面の御要望もございます。しかし、単に地方公務員の共済制度ばかりでなくて、これらの、こうした種類の全般にわたってのそういう問題でございまして、総合的な検討をいたしておる最中でございますが、いまだ結論に至ってないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/25
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026・河上民雄
○河上委員 いま大臣からそういうお答えがあったわけでございますが、地方公務員共済制度に類似した制度が幾つかあるわけでございます。国家公務員共済組合法とか農林漁業団体職員共済組合法とかあるいは公共企業体云々というようなことで、幾つかあるわけであります。それらと比較いたしますと、そこに給付その他の面で非常にふぞろいがあるように思われるのでございます。ことに地方公務員共済組合の場合、他に比べて少しおくれておるような面もあるように思うのであります。たとえば、いまの国庫負担の導入は諸般の事情からまだなかなか実現の運びに至っていないということでございますけれども、私立学校教職員共済組合法あるいは農林漁業団体職員共済組合法などにつきましては、長期給付についてはすでに当初から国庫負担の導入があるように伺っておるわけでありますし、また国庫負担の率も去年から一五%から一六%に引き上げられたというような事情もございますし、また厚生年金におきましても、四十年から一五%から一挙に二〇%に引き上げられた、こういうような事情があるわけでございまして、それとのバランスといいますか権衡をとるという意味からいいまして、地方公務員等共済組合法につきましては、単に諸般の事情、そのうちやりたいというだけでなくて、臨時的な措置としても、急速に国家公務員共済制度その他の制度の水準まで引き上げるように努力すべきではないか、こういうように私は思うのでございます。七の点についての御意見を承らしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/26
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027・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 ただいまお述べになりました国庫負担の問題は、長期給付についてのお話と存じます。それにしても、厚生年金あるいは私学共済等で国庫負担の率の違うことは事実でございます。お述べになりましたようなことでございます。それがいかなる理由であるか、詳細につきましては事務当局から御説明申し上げますが、要するに給付の実額と申しますか、実態に対する国庫負担の割合というものは、大体これでバランスがとれておるというようなことからこうなっておるわけでございます。詳細につきましては、事務当局から申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/27
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028・志村静男
○志村説明員 御指摘のように、長期給付につきましては私学共済、農林共済の場合におきましては一六%、それから厚生年金の場合におきましては二〇%、こういう国庫負担になっておるわけでございます。
まず厚生年金関係でございますが、いま大臣から御答弁申し上げましたように、厚生年金と地方公務員等共済組合法による長期給付とでは、その給付内容と申しますか、給付水準におきまして差があるわけでございます。つまり具体的に申し上げますと、年金の支給開始年齢の違いでございますとか、あるいは給付算定の基礎になりますところの給料あるいは標準報酬の算定期間というものが違っているわけでございます。そういったようなことを勘案いたしますと、大体厚生年金の新付水準というのは共済給付の水準に比べまして六割ないし七割というふうに私ども考えておるわけでございます。したがいまして、厚生年金におきましては二〇%の国庫負担ということでございましても、これを共済水準に置き直してみますと一二%ないし一四%ということになりまして、大体私ども現行制度の負担割合で均衡がとれておるのではないか、かように思っておるわけであります。
それから次に、農林共済、私学共済の場合に、確かに御指摘のように二八%の負担になっておるわけでございますが、これは同じく先生御承知のように、従来私学共済あるいは農林共済の場合におきましては、給付水準と、あるいは給付水準の算定の基礎になりますところの平均給料額の算定というようなものにつきまして違いがあったわけでございます。つまり、これも非常にこまかいことになって恐縮でございますが、私学共済あるいは農林共済の場合の給付の算定の基礎になりますところの標準給料額の最高限というようなものが違っておりましたのを、やはり公務員並みに合わせる、あるいは同じくそういった給付算定の基礎になりますところの標準給料額の算定期間、これは過去退職前五年間でもって計算するものを、公務員並みに三年間に改めるというようなことをしたわけでございます。その結果、給付に要する費用がふえてまいりましたので、組合員の負担を軽減するという意味で一六%に改めたわけでございます。公務員の場合はすでにそういったような給付水準に達しておりましたので、そのような措置がないということで現在一六%になっておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/28
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029・河上民雄
○河上委員 私は、最初に申しましたように、本法が社会保障制度の一環であり、またその方向に進むべき一つの支柱であるという立場から、国庫負担の導入についてはもっと真剣に考えるべきではないかという立場から申し上げておるわけでございまして、もし個々の共済制度の間のふぞろいの中で、地方公務員制度はこの辺でいいんではないかというようなことになりますると、たとえば給付内容などにおきましては、国家公務員共済制度と、あるいは公共企業体職員共済組合制度、地方公務員共済組合制度との間には、若干ふぞろいがあることは御承知のとおりでございまして、やはりより高いものへそろえていくという努力が必要なのであろうと思うのです。それを少し悪いほうを例に出して、この辺でいいじゃないかという御答弁は、ちょっと私どもとしてはいただけないのであります。その点はひとつ基本的な立場から国庫負担導入の問題、それからまた給付内容その他のふぞろいを是正し、高い水準に引き上げていくということを御努力願いたいと思うのです。
その点ひとつ御確約をいただきました上で、今回の共済法の改正の中では、長期給付だけが改正の対象になっておって、短期給付については特に触れてないように受け取られるのでございますが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/29
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030・志村静男
○志村説明員 今回の改正法案におきましては、短期給付につきましては触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/30
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031・河上民雄
○河上委員 短期給付は健康保険の部分に当たるわけだと思うのでありますが、いま健康保険法の改正が非常に大きな政治問題化しようとしておるわけでございますが、あの改正とこの地方公務員共済組合法における短期給付の部分と、どういうふうな関連になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/31
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032・志村静男
○志村説明員 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案でございますが、これにつきましては当然地方公務員の短期給付にも適用される、こういうようになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/32
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033・河上民雄
○河上委員 そういたしますと、あの改正案の中で非常に重大な問題になっております患者の一部負担制の導入というようなことが自動的に入るというふうにお考えになっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/33
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034・志村静男
○志村説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/34
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035・河上民雄
○河上委員 もしそういうことになりますると、やはりこれは非常に大きな問題になると思うのでございまして、今回の法案の改正は非常に技術的な問題であるように、また要綱に出ておりました准士官の問題というような、むしろ例外的な問題を救済するために行なわれておる改正案のごとく見えるわけですけれども、しかしこれは非常に重大な問題ではないかというふうに思うわけでございます。その点について大臣の御答弁を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/35
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036・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 健康保険法及び船員保険法の臨時特例に関する法律案の第三条で、健康保険の制度を導入している各種共済の短期給付に当然これが移行するという形で改正案が提出されているわけであります。したがいまして、ただいま事務当局からお答え申しましたように、今度の健康保険法の臨時特例の改正が成立いたしますれば、当然地方公務員共済の短期給付に影響があるわけでございまして、そういう意味においては、確かに御指摘のように組合員にとりましては相当な影響のあることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/36
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037・河上民雄
○河上委員 これは非常に重大な問題でございますので、また後刻詳しくいたしたいと思いますが、なお、大臣がもう間もなく退席されると思いますので、あと一点だけちょっとお尋ねしたいと思うのです。
スライド制につきまして五十一国会において法の改正がなされております。たしか七十四条の二だと思いますが、そこでこのスライド制に対する一つの方法というものが明記されております。しかし、これはやはり宣言的な規定という印象が強いのでございまして、具体的にきめなくては実際の組合員の上には影響がないわけでございます。そこで、具体的にどういうように規定されるつもりか、またそのスライドの基準というものをどういうふうにするか、あるいはその費用負担はだれがやるのかというような問題につきまして、大臣の責任ある御答弁をこの際伺っておきたいと思うのであります。労働者災害補償法ではそういう点についてかなり明確な規定があるやに記憶するものでございますけれども、大臣のお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/37
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038・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 御指摘のように、一種のスライド制と申しますか、そうした規定が入ったわけでございます。これを具体的にどうするかということは非常に重要な問題でございますし、またそれが具体的な基準ができなければこの規定が完全に動いたということにはならぬと思います。それにつきましては、この問題の発端をなしました恩給審議会におけるその論議の動向、あるいはこの問題はひとり地方公務員の共済にばかりかかるわけではございませんで、各種のこうした社会保障制度の中に織り込まれておる条項でございますので、それらとにらみ合わせて適当な基準をつくるべく目下検討をいたしておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/38
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039・河上民雄
○河上委員 それでは、ただいま大臣より検討しておられるというお話でございますが、できるだけ早くそれを実行に移していただくようにお願いしたいと思うのであります。
なお、スライド制に伴う費用の負担というものは、当然いまの地方公共団体の財政状態から考えまして、非常にむずかしい問題があろうと思いますし、これに対しては国庫負担があってしかるべきではないかというふうに思っているわけでございますが、このスライドの技術的な基準あるいは費用負担につきまして、事務当局からいま考えられておる点を御披露願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/39
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040・志村静男
○志村説明員 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、スライド制の実施ということになりますと、具体的に改定の基準をどうするのか、あるいは改定に要する費用の負担でございますけれども、それをどうするかというような問題がありまして、いずれも非常に大きな、しかもむずかしい問題でございます。また、このスライド制の実施ということになりますと、ひとり地方公務員の長期給付だけでなくて、各種公的年金制度を通ずる共通の問題でございますので、それらとの均衡も十分考えていかなければならぬということでありますので、私どもといたしましては、さしあたり地方公務員共済組合審議会というものがございますので、こういった審議会の御意向も十分聞いていく。さらに、恩給審議会におきまして現に審議中でございますので、その審議の模様も十分見ていく。さらには、公務員年金制度連絡協議会というところの共通の検討の場もございますので、そういったところでお互いに検討していくということでありまして、具体的にどうするのだというところまでまだいっていない段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/40
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041・河上民雄
○河上委員 御承知のとおり、ここ数年来の物価上昇というものはやむところを知らないわけでございまして、実際の受給者の間でも、年金を一時金としてもらうということを選ぶ人が少なくないことを聞いておるのでございます。ひとつ、このスライド制の問題は、年金制度の根幹をなす問題であるという意味におきまして、至急それについての答えを出していただきたいと要望しておきたいと思います。
次に、この要綱の冒頭におきまして御説明のありました退職年金の年額の算定基準の問題が出ておるのでございますが、いわゆる二万円ベースの給料により算定した額の三二%、ほかいろいろ数字があがっておりまして、これにつきまして、その基準を算定する基礎というものを伺いたいと思いましたが、いまお配りいただきました資料によってある程度わかったように思いますので、またここで技術的なことをお答えいただいてもと思いますから省略いたしますが、ただ、現在七十歳以上の者とか六十五歳以上の者とか六十五歳未満の者とか、そういうような年齢の限界、線というものは、現在四十二年度を基礎にしたものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/41
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042・志村静男
○志村説明員 これは恩給の年額改定の場合と同じでございますけれども、昭和四十二年十月以降その年齢に達しますれば、その翌月分から改定する、こういうかっこうになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/42
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043・河上民雄
○河上委員 実際にそれに当たる人から聞いた意見なんですけれども、現在六十歳の者と六十五歳の者との間に若干不公平があるというようなことをちょっと聞いておるのでありますが、どういう場合になるか、ちょっとその具体的事情をつまびらかにしておりませんので、専門家である事務当局の方から、どういう場合にそういう不公平が生ずるか、ちょっと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/43
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044・志村静男
○志村説明員 実はお尋ねの件でございますが、これにつきましては先ほどから申し上げておりますように、恩給の年額改定措置、さらにこれに並んでおりますところの国家公務員共済組合法の規定による退職年金の年額の改定措置に準じたものでございまして、それと一緒にやっているわけでございます。でございますので、具体的に七十歳以上の者、さらには六十五歳以上七十歳未満の者、さらに六十五歳未満ということでもって年齢別に段階を設けておるわけでありますが、その結果具体的にどのような問題が生ずるかということにつきましては、地方公務員の関係では、実は私どもまだそのような問題の所在につきましてつかんでおらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/44
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045・河上民雄
○河上委員 何かそういうような陳情をちょっと受けましたので、どういうことでそういうことになるのか、むしろ事務的な専門家の方は当然想定されておると思いましたので伺ったのですが、その点をもう少し調べておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/45
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046・志村静男
○志村説明員 それは私どものほうでもさっそく調べてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/46
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047・河上民雄
○河上委員 たいへんに技術的なことをまたお伺いするようで恐縮でございますが、短期給付つまり健康保険部分につきまして、いま一般の健康保険法で問題になっておりますように、医療費の値上がりその他の事情から非常に苦しい状態になっているわけですけれども、いわゆる財源率というものがだんだん高くなっておる。それに伴って保険料も高くなる傾向にあると思うのでありますが、先ほど申しましたように、共済組合制度幾つかありますけれども、その間にふぞろいがいろいろな面で見られるわけであります。保険料というか各組合員の負担というものが、ある制度ではまだ比較的しのぎやすいが、他のものではだんだん高くなっていくというような面が、いわゆる格差拡大という方向が見られるというような報告が出ておるのでございますけれども、社会保険の負担公平の原則から見て、こういうことにつきまして何らかの手が打たるべきではないか、こういうように思うのでございますが、そういうことにつきまして自治省としてはどういうようにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/47
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048・志村静男
○志村説明員 確かに御指摘のような問題があるわけでございまして、こういった問題に対するところの解決ということになりますと、医療費問題の抜本的な対策と申しますか、そういったものにまつところが非常に多いと私ども思っておるわけでございます。しかしながら、そういったものができますまで何もしないということはもちろんいけないわけでございますので、地方公務員共済組合の関係につきましては、私どもといたしましてもそれなりの努力はしているわけでございます。私どもといたしましては、ことに市町村職員共済組合の場合でございますが、この場合、特定の組合につきましては相当財源率が高くなっておりますので、短期給付調整資金制度というものを設けまして、実質的には財源率の上限をきめるという方法を暫定措置としてとりたいというように考えて、従来検討を続けてまいってきたわけでございます。しかしながら、最近におきましては、各組合員の自覚、さらには各共済組合の自主的な経営努力等ということもございまして、昭和四十一年度におきましては、これは見込みでございますが、従来の医療費の伸びに比べまして、だいぶこれは鈍化をいたしておるわけでございます。その結果、単年度収支というものも、全体としてはだいぶ好転をしてくるのではないか、こういう状況にあるわけであります。さらにはまた、先ほど御指摘もあったわけでございますが、健康保険法の一部改正というものが実施されることになりますと、その実施状況の推移というものを見なければならぬということもございますので、この短期給付調整資金制度につきましては、さらに私ども今後とも検討を続けることにいたしまして、今国会への提案ということは見合わせたわけでございます。
なお、それ以外に財源率の問題ということになりますれば、医療費一般の問題でございますので、たとえば、私ども福祉事業におきましては、何と申しましても病気にかからないことが先決でございますので、予防給付、疾病予防ということに重点を置きまして、福祉事業というものを大いにやるように指導しておるわけであります。
さらに、これも多少財政的なことになってくるわけでございますが、現行の短期給付の収支のたてまえから申しますと、当該年度の支出というものは当該年度の収入でもってまかなわなければならないわけでございますので、赤字が出ますれば、直ちに翌年度なら翌年度におきましてこれを埋めるというのがたてまえでございます。しかし、その結果掛け金なら掛け金というものも上がることになりますので、そのような過去の赤字につきましては、ひとつ長期的、計画的に解消するというようなことをもちまして、少しでも組合員の負担の急増を避けたい、こういったような指導をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/48
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049・河上民雄
○河上委員 いま格差拡大に対しまして何かチェックしたいという、こういう意欲がおありになることは、いまのお話でうかがわれるわけでございますが、ことしは見合わせたというようなことでございますけれども、ひとつそういう点につきましては、今後ますます努力していただきたいと思います。ことに四十年における社会保険審議会でございますか、その中にもそういうサゼスチョンがなされておるわけでございます。ひとつ何とぞその点をお考えいただきたいと思います。
次に、家族給付の問題でございますが、これは一般組合員が非常に関心を持っている点でございます。地方公務員の方々から常に不満として出てまいりますいろいろな問題の中の一番大きな問題は、家族給付の率が、家族療養費ですか、地方公務員の場合は五割である。他のものに比しまして非常に低いという点が訴えられております。これをせめてもう少し高くするというような御意向はないものだろうか。ぜひそういう点を考えてほしい、こういう希望が非常に強いわけでございます。政府事務当局におきましては、どういうふうにお考えになっておられますか、ちょっと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/49
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050・志村静男
○志村説明員 お尋ねの点でございますが、先生御承知のように、被用者保険制度におきましては、家族療養費につきましては一様に五割ということになっておるわけでございます。したがいまして、この問題につきまして、地方公務員共済組合の場合だけ他の制度との均衡を無視してこれをふやすということは、なかなか困難な状態にあるわけでございます。またしかし、一方におきましては付加給付という制度がございますので、私どもといたしましては、この付加給付の充実ということで今後とも努力してまいりたい、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/50
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051・河上民雄
○河上委員 次に、地方議員の年金の通算の問題があるわけでございますが、ちょっと技術的なことでわかりにくいのでございますけれども、通算するといたしました場合には、どういう方法でやるのか、あるいは、ことに掛け金率が、小さな市町村の場合と県会なんかの場合とではだいぶ違うように思うのですけれども、そういうような問題についてはどういうふうに処理されるつもりか、ちょっと伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/51
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052・志村静男
○志村説明員 お尋ねの点につきましては、私どももいろいろ検討をしているわけでございます。ただ、これにつきましては、先生も十分御承知のように、府県市町村の議員の報酬間には相当大きな格差があるということ、それからさらに、その間の交流ということになりますと、大部分の者は市町村の議員から府県の議会の議員ということになりますので、結局その場合の財源負担というのは全部府県の議員共済がかぶるというような問題がありまして、実際問題としては非常に困難な点が多いというふうに考えているわけでございます。しかし、それでは何も方法がないかということでございますが、私ども一応考えられ得る方法といたしましては、いわゆる資格期間方式、それから、いわゆる厚年方式というものが、考えるとすれば考えられるのではないかというふうに考えているわけでございます。しかしながら、厚年方式の場合におきましても、あるいは資格期間方式の場合におきましても、いろいろ問題があるわけでございますが、特に現行制度におきましては、一時金であるものがいずれも年金になるということになりますれば、当然長期給付に要する費用自体がふえるわけでございますので、ふえるということになれば、これはやはり掛け金率を上げなければならぬということになりますので、いずれもやはり大きな問題をかかえておる、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/52
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053・河上民雄
○河上委員 この問題につきましては、私もあまり詳しくつまびらかにしておらないのでございますけれども、前に衆参両院の附帯決議がございましたので、ちょっとお伺いしたわけでございます。
なお、私の質問は、この問題についてあまりよくわからない点がございまして、部分的、技術的な点を御質問しているような次第でありまして、なお幾多の点を御質問したいのでございますが、きょうの予定時間もまいりましたので、私の質疑はきょうはここで一応やめて、この次にもう一度やらしていただくことにいたして、先ほど大臣並びに事務当局に私よりお尋ねし、御希望を申し上げ、また御確約いただきましたことにつきましては、ひとつそれを実行に移されるように希望いたしまして、残りの質問はこの次の機会に回さしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/53
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054・亀山孝一
○亀山委員長 次に、地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。
地方公共団体の水道事業に関する問題について、質疑の申し出がありますので、これを許します。小濱新次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/54
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055・小濱新次
○小濱委員 私は、地方自治体をあずかる地方行政の立場から緊急に質問をお願いいたしました。委員長のほうから特段のはからいをいただきまして感謝申し上げます。
それは、晴天によりまして全国的に渇水問題が起こっております。そこで、まず最初に特にひどいところの実例をあげて、その状況と見通し等について、きょうは大臣が出席しておりません、伊東政務次官がおられますから、伊東政務次官と公営企業の立場から鎌田参事官、厚生省の大橋水道課長さん、この三人の方々にそれぞれお伺いしたいと思いますが、この全国的な状況について、これは公営企業の立場から鎌田参事官にひとつお願いしたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/55
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056・鎌田要人
○鎌田説明員 水道事業の健全な経営という、もっぱら経営に視点を置きましての所管は自治省でございますが、水道事業それ自身の所管は厚生省でございますので、全般的な渇水状況、そういった点につきましては、厚生省の水道課長のほうから答弁をしていただくのが適当だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/56
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057・大橋文雄
○大橋説明員 先般来の異常干天によりまして、全国各地の水道の給水状況を私のほうで調査いたしましたところが、上水道につきましては、現在制限給水を実施しているものが全国で約三十カ所ございます。なお、この個所につきましては、今後この干天が続いてまいりますとさらに増加していく傾向でございます。
具体的に申しますと、南関東地域、特に神奈川県下における給水状況は非常に急激に悪くなってございます。全国的な数字をもう少し申し上げますと、北のほうは北海道から根室、網走等、時間給水しておりまして、南のほうは九州の福岡、大分、宮崎各県に一、二カ所ずつ制限をしております。一番ひどい神奈川県下の数字につきましては、すでに六月六日には二五%の取水の制限をしております。しかも一番大事な相模湖、津久井湖は、もう貯水量の減少が非常にはなはだしくて、六月六日現在におきましては、満水時の量の約一七%しか水がございません。
〔委員長退席、久保田(円)委員長代理着席〕
そこで、さらに本日からこの制限を強化するということにつきまして、神奈川県、本省相寄りまして現在協議をしております。まだ正式には決定を見ておりませんけれども、大体きょうから神奈川県は三〇%、それから、東京のほうに分水しているものにつきましては、さらにその程度を強めようというふうなことで、目下対策を練っておるわけであります。いずれにいたしましても、ただいま私たちが立てております案でございますと、こういう給水制限をしていく案で六月一ぱいかりに全く雨が降らないというふうな仮定でまいりますと、東京の分水もできるだけ制限をいたしまして、あるいはまた、各用水間の調整、たとえば工業用水、農業用水、飲用水との間にもう少し調整をはかるというような、相当抜本的な対策を必要とするのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/57
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058・小濱新次
○小濱委員 何かいまの大橋課長さんの御答弁ですと、全体の状況をつかんでいない、こういうふうに私は受け取れるわけであります。いま話を聞きますと、まことに見通しが甘いように感ぜられます。課長さんは、一番ひどいと言われた相模湖あるいは津久井湖の状況をごらんになったかどうか、一ぺんお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/58
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059・大橋文雄
○大橋説明員 現時点におきます現状は見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/59
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060・小濱新次
○小濱委員 かつて、三十九年の渇水時期において、相模湖の最低水量は十七メートルであった。あの騒ぎのあった最悪といわれる時点において、十七メートルまだあった。現在はもう十三メートルになっておる。いまのままでいくと一週間しかもたない。行ってごらんなさい。もう底のほうにまっかなどろ水が少し見えるだけです。百メートルも百五十メートルも相模湖をずっと川底に向かって歩いて行けます。あそこに大きな魚がおります。コイの一尺、二尺というのもおります。そういうのが腹を出してぱくぱくしております。この水を東京都に日量二十三万トン分水いたしております。これがもうあと一週間しかもたない。そこで、いまの節水問題、制限問題が起こってくるわけであります。すでに、いまの話ですと、三割節水をやった、警戒発令はとうに出ておる。こういう状態において今度は五割、六割制限をせざるを得ない。気象台にも聞き合わせておりますが、何ら見通しがつかないという状態、こういう状態をまず私はよく知らなくてはならないと思います。そういう深刻な問題を認識せずして、きょうのこの質疑に対する答えは、ただ表面だけ、委員会をただじょうずな答弁で済ましてしまえばいいんだというふうにも一応とれるわけであります。そんな問題じゃない。神奈川県民四百万人と東京都の大田区の人たちがこの水をみんな飲んでおる。その人命尊重という立場からも、人命に影響するような事態が起こってくるのです。そういう見通しはもうすぐ目の前にきておる。それを今月一ぱい降らなかったならば何とか対策をしていきたい、こういう甘い見通しについては私は納得できません。もう一度御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/60
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061・大橋文雄
○大橋説明員 先ほどの私の答弁がちょっと誤解されまして申しわけなかったのですが、私が申しましたこの給水制限計画、ただいま立てております計画によりますと、もしかりに今月中雨が降らないという仮定のもとにおきまして、ただいまの三割制限、あるいは最終的には五割近い制限を加えて給水をやってまいりますと、最終的には今月の末に相模、津久井貯水池の水がなくなるという仮定を私は申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/61
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062・小濱新次
○小濱委員 気象台の見通しも非常に悪いのです。雨季を迎えて、みんな首を長くして雨の降るのを心から願っておるわけでありますが、どうも朗報も入ってこない。この間少し雨が降りましたが、肝心の水源地の山梨県下に雨が降らなかったために水量が増さない。こういうことでいま県の企業庁を中心にして東京都へ陳情に来る、あるいはまた、応急対策をいろいろと講じているようでありますが、どうしても見通しがつかない。私は、水がなくなってしまったならばどうするのか、こういうふうに水道局長に聞いてみました。そうしたらば、何とか給水車を利用して東京から、あるいはまた県外から、県内に水がなくなってしまうのですから、運ぶ以外にありません、こう言っておりました。それじゃ給水車というのは何台用意したのか、こういうふうに聞きましたところが、県と横浜と川崎、横須賀方面全部の車を動員して四十九台。あとポリバケツというのを用意したそうです。これは三万七千三百五十個。この給水車で運んできてくれた水をポリバケツで各家庭に配給をしよう、こういうことですが、はたして四十九台の車でどれほどの配水ができるか。ここで国の対策が必要になってくるわけであります。どういうふうにして国としてはこの給水対策を実施していくか。もう少し見通しをつけて、そうしてその時点で考えていこうというような、もうそういうときではないのです。国の対策はどうなっているのか、ひとつこの点についてお尋ねしたいと思います。なお、この点については政務次官からもお願いしたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/62
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063・大橋文雄
○大橋説明員 六月六日の渇水対策関係閣僚会議におきまして、佐藤総理の指示に基づきまして相模川から東京都の取水を調整するというようなことにつきまして、実は先ほどもちょっと触れましたように、できるだけ現時点においては東京都の協力を仰ぐということで、とにかく現在東京都に送っている水を半分にする、五割節減の協力を求めて、きょうのお昼ごろに東京都の了解を求めているはずだと思いますが、私、ここに参りましたので具体的な確認はしておりません。そこで、東京都のほうも、全面的にこの五割削減に協力するというふうな事務的な報告は私、接しておるわけでございます。
それから、非常に給水に困った場合に、その事態に対処するということでありますが、それは県下におきます各用水の調整、たとえば工業用水、農業用水というような方面を生活用水にどういうふうに切りかえていただけるかというふうなこと、あるいは給水体制でございますが、これにつきましては、東京都が従来から給水タンク、用具というようなものを非常に持っておりますので、国におきましては東京都のほうの具体的なその数、いろいろなものにつきまして目下検討しておりまして、それをどういうふうに神奈川県下の各水道において応急応援をするかという具体的な案につきまして、ただいま検討を進めておる次第でございます。
〔久保田(円)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/63
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064・伊東隆治
○伊東政府委員 お説のとおり渇水対策はいまやまことに緊急な問題となってまいりましたので、私、大臣ともさっそく連絡をとりまして、佐藤内閣閣僚の緊急集会を催すようにお願いして、何といっても厚生省が水の主管省でございますから、中心になっていただいて対策を講ずることに、ひとつ緊急の措置を講ずるように努力いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/64
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065・小濱新次
○小濱委員 東京都の日常二十三万トンの分水は大田区のほうに主として分けられているようでありますが、多摩川にももうすでに水がないようであります。そうすると、私どもの聞いているところでは、大田区の水道管の施設は、これは相模湖からの二十三万トンの分水計画によってできているように聞いているわけですが、今度は利根川あるいはまた向こう方面から東京では準備をしておるようでありますが、大田区にはその水道管の配管ができてないように聞いているわけです。そういう点では神奈川から二十三万トンの分水をとめられたときの大田区の水はどういうようになっていくのであろうか、心配になるのですが、その点ひとつお教え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/65
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066・大橋文雄
○大橋説明員 御承知のように、例の三十九年の東京の異常渇水のときに、ただいま先生から御指摘のありました点につきまして非常に苦労いたしまして、都内の二十三区内の配水管の融通ということにつきましては、その後非常に力を入れてまいりました。したがいまして、ただいま二十三万トン神奈川県から送水を受けておりますのを、これは仮定でございますけれども五〇%まで削減した場合に、それの補充として、先生御指摘いただきました例の小河内系、上流のほうの小河内系からの水の導入、あるいは江戸川金町糸、江東の金町のほうからの水の導入というようなものによりまして、大体いま二十三万トンの半分に制限をして何とかいまの、いわゆる城南に当たります大田、蒲田、あちらの方面に対する給水は確保できるのではないか。なお、それをさらに切っていったらどういうふうになるかということにつきまして、具体的な管網につきましての計算は、ただいま大至急東京都に計算を依頼してやってもらっております。そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/66
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067・小濱新次
○小濱委員 東京はわかりました。今度は京浜地区一帯の工業用水について、これからこれを最大に延長しても今月一ぱいということでありますか、もしかいま雨が降らなかった場合には、工業用水がとれなくなります。地下水を利用する工場もあるかと思いますが、これをやられると地盤沈下の問題が起こってくる。こういうことで、この対策も大いに注目しなければならないと思います。この点についてはどういうふうに考えておられますか。どなたかお答えいただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/67
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068・亀山孝一
○亀山委員長 通産省を呼んでおりませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/68
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069・小濱新次
○小濱委員 それでは、ひとつ政務次官どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/69
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070・亀山孝一
○亀山委員長 自治省の所管でもないそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/70
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071・小濱新次
○小濱委員 東京都の問題が起こってくると次には工業用水の問題が起こってきます。それから今度は住民の問題も当然起こってまいりますけれども、そういう点で、ちょっといまの説明を聞きますと、私どもはまだまだ納得をしてこれで引き下がるわけにはいかないわけです。国の対策がまだまだあまりにも甘いようであります。成り行きにまかすというのか、そんな状態ではないということを私は申し上げたいのですが、先ほど政務次官は、総理のことばもあったし、それから各大臣にも呼びかけてこれが対処をしていきたい、こういうことでありますが、もうのんびりしている事態ではないのですから、そういう点でひとつ何とか緊急に対策を練っていかなくてはならないわけです。私はこう思うのでありますが、これほどに新聞で問題になっているこの渇水問題について、これまた他の委員会で追及もあるかと思いますけれども、私どもは、地方行政の立場から、住民の福利増進を願う立場からお伺いしているわけでありますが、いままでこのような問題がなぜ取り上げられ、そうして呼びかけられなかったのであろうか。このように対策を練ってきたのでありますがという、いままでの経過についてもう一度お伺いしたい、こういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/71
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072・大橋文雄
○大橋説明員 六月一日に南関東地域の渇水対策連絡会議を厚生省のほうで開きまして、その関係者に全部集まっていただきまして、その検討事項といたしましては、降雨状況と今後の見通し、気象庁の長期予報部にそのデータを求めました。それから需給水量、給水能力というものにつきまして、都、県及び水道事業体から、その供給能力についての検討をしていただきました。それから、相互給水体制、相互にどういうふうに給水を受けることができるかということにつきましての検討をいたしております。その際に、先ほど来議論になっております相模湖系統の問題が一番問題になったわけでございます。それから、それにつきまして関係閣僚の政府におきます会議というようなものが総理の指示に基づきましてできてやっておるということにつきましても、先ほど来御説明申したとおりでございます。
それで、だんだん制限をしてまいりまして、最初六月一日は二〇%ということでございましたが、それが六月六日には神奈川県は二五%、東京都は三〇%、それから本日からはその制限をさらに強化いたしまして、神奈川県下は三〇%、東京につきましては、およそ五〇%近くまでという線がたぶん出るのではないかということでございます。それに伴いまして、県下の給水不良地区に対しての対策、あるいはさらに、今後各都市間の相互応援体制というものにつきまして、目下鋭意検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/72
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073・小濱新次
○小濱委員 経過について伺ったわけでありますが、いまの説明ですと一回しかこの協議は開いてない、こういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/73
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074・大橋文雄
○大橋説明員 私が申し上げましたのは、水道関係につきましての第一回の会議を開いたことを申し上げたのでございますが、その後ずっと毎日毎日情報交換、連絡は行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/74
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075・小濱新次
○小濱委員 御存じのように、いまは田植えの最盛期であります。そうして農民は水の必要に迫られているわけでありますが、制限にまた制限を加えられているわけであります。工業地帯も、機械がとまったならばどうなるのか、あるいは最盛期の田植えも、このままでいけば見通しはまことに暗くなっていくし、住民の不安はつのるばかり、そういうことから、これは何としてでも政府の対策を一日も早く講じてもらわなければならないわけですが、その点、大臣もおられませんが、政務次官からよろしく呼びかけをしていただきたい、こういうふうに思います。
また、水不足によって、環境衛生の極度の悪化が想定されるわけでありますが、水道課長さん、この点について、その対策についてはどういうふうに考えておられるのか、もう一度お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/75
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076・大橋文雄
○大橋説明員 お答え申し上げます。
相模湖系統の田植えのことでございますが、一応計画を樹立いたしまして、六月十六日から二十五日、この間に田植えはしていただく、その間必要な下流に対する放流は行なう。その際におきます制限は三〇%制限で、現時点におきましては、何とか田植えができるようにしようということで、六月十五日から二十五日の間ということをその会議のときに取りきめてございます。
それから、制限を強化してまいりますと、環境衛生、公衆衛生に非常に影響を及ぼすのではないかという御質問でございますが、その点につきましては、まず給水の制限をされまして困っておるというところには、できるだけ重点的に給水車その他の措置を講じまして、衛生上支障のないようにこれが万全を期してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/76
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077・小濱新次
○小濱委員 政務次官にもう一度お伺いしたいのですが、先ほどのことはわかりましたが、こういう内容であります。ですから、国の対策を一日も早く講じなければならない。そういう点で具体的なこれが対策が必要になってくるわけであります。何か考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/77
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078・伊東隆治
○伊東政府委員 ただいま具体的な対策、手はございませんが、まず大臣と相談しまして、関係閣僚会議のようなものを緊急に催すことは非常に必要かと思いますので、さっそく大臣と相談いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/78
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079・小濱新次
○小濱委員 先ほど申し上げましたように、地元、では給水車あるいはポリバケツ等の対策を練っているようです。あるいはまた、そのほかの県外からの持ち込みに対する準備もしているようであります。ここで国の対策の面から、自衛隊の出動によるところの応急対策等もこれは考えの上に置かなければならない、こういう事態なんだというふうに私どもは考えるわけですが、その考えについては、政務次官、いかがでありましょうか、お伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/79
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080・伊東隆治
○伊東政府委員 ただいまの自衛隊の出動なんということは、非常に名案だと思います。こういう際には、自衛隊の出動などは、やはり用意をしておくことは大切かと思っております。それもやはり一案としてそういう話も出たことを大臣にもお伝えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/80
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081・小濱新次
○小濱委員 とにかく地元では毎日不安におののいているような状態です。一日も早く雨が降ってもらいたいと心から願っているいろいろな市民の声を私は聞くわけであります。そこで、先ほどの説明によりますと、現地へまだ行ってみない、国ではそういう動きを起こしてないようでありますが、私は、この辺にも責任を感じなければならないというふうにも考えられるわけであります。まあ、行ったってどうにもならないじゃないか、こういうふうに言われるか知りませんけれども、現地を見、そしてまた、各方面との話し合いを進めていくならば、何か対策があるのじゃないか、早くそういう方向に持っていかなくちゃならない、こういうふうに考えておるわけであります。あとで委員長にもお願いをしたいと思いますが、わが地方行政委員会としても、現地視察の必要性があるのじゃないか、こういうふうにも考えるわけでありますが、ひとつこの点については、あとでまた対処していただきたい、こういうふうに思います。これは全国的な渇水問題です。いろいろな声を聞いております。特にひどいのがこの神奈川県、こういうふうになっております。そういう点で、おのおの個々の動きはあるようであります。誠意をもってこの問題の解決に努力をしなくちゃならないと思います。そういう点で関係部局、それから国においても、わが委員会においても、こうやって努力をしてまいりますが、なお一そう努力を惜しみません。これからの対策については、総力をあげて、どうかひとつ県民の不安を取り除いていくための処置を講じていっていただきたいということを、心から私はお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/81
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082・亀山孝一
○亀山委員長 次会は、明九日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X02019670608/82
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