1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年七月十一日(火曜日)
午前十時五十七分開会
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委員の異動
七月十日
辞任 補欠選任
黒柳 明君 和泉 覚君
七月十一日
辞任 補欠選任
和泉 覚君 白木義一郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 森中 守義君
理 事
植竹 春彦君
寺尾 豊君
西村 尚治君
森 勝治君
委 員
古池 信三君
郡 祐一君
白井 勇君
新谷寅三郎君
谷村 貞治君
安井 謙君
永岡 光治君
光村 甚助君
横川 正市君
白木義一郎君
石本 茂君
鈴木 市藏君
国務大臣
郵 政 大 臣 小林 武治君
政府委員
郵政政務次官 田澤 吉郎君
郵政大臣官房長 竹下 一記君
郵政省簡易保険
局長 武田 功君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
説明員
日本電信電話公
社保全局長 野口 謙也君
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本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別
措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
関する調査
(集中豪雨による郵政省及び日本電信電話公社
の被害状況に関する件)
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001・森中守義
○委員長(森中守義君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
初めに、理事打合会の結果について御報告いたします。
本日の委員会においては、まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する討論採決を行なった後、昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案の審査を行なうことになりましたので、御了承願います。
なお、集中豪雨に伴う郵政省関係の被害状況並びに電電公社関係の被害状況等について、当局から報告を聴取し、質疑を行ないます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/1
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002・森中守義
○委員長(森中守義君) まず、委員の異動について御報告いたします。
昨十日、黒柳明君が委員を辞任され、その補欠として和泉覚君が選任され、本日、和泉覚君が委員を辞任され、任されました。その補欠として白木義一郎君が選発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/2
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003・森中守義
○委員長(森中守義君) これより議事に入ります。
まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
法律案の質疑は七月六日をもって終局しておりますので、これより討論に入ります。
御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/3
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004・森中守義
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
簡易生命保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/4
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005・森中守義
○委員長(森中守義君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/5
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006・森中守義
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/6
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007・森中守義
○委員長(森中守義君) 次に、昭和二十二年以前の郵便年金契約に関する特別措置法案を議題といたします。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/7
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008・西村尚治
○西村尚治君 それじゃ大臣御用事があるようですから、けっこうでございます。
私から若干の質疑をいたしたいと思いますが、この法律案を見ますと、特別措置の対象になる契約、これは昭和二十二年以前のものに限定されて一あるわけでございますけれども、それ以後の年金一でありましても、きわめて小額のものがかなりある。郵便局に受け取りに行けば、もう足代が飛んでしまうというようなものもかなりあるやに聞くのでありますけれども、この特別措置を講じられるのにあたりまして、二十二年という年度で切らないで、額で切るというようなことはお考えにならなかったのかどうか、その辺からまずちょっとお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/8
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009・武田功
○政府委員(武田功君) この特別措置を考えました動機といたしまして、いわゆる戦前に契約いたしましたもので、しかも額の小さいものについて、これをどうしようかと、こういうように考えたわけでございます。したがいまして、仰せのように額で切るというようなことも一応議論はいたしましたけれども、大体ちょうど戦争直後いろいろと制度の切りかえが行なわれまして、そういうことから考えまして、当時の経済情勢等の激動と、それからその制度の切りかえ、こういうような最も激しい時期を選ぶべきではないか、こう考えまして、たまたま、二十二年と三年を境にいたしまして、制度的にも、最高制限額が六千円から二万四千円に変わる。また、最低額も三十円から二百四十円に変わる、こういったような制度的な切りかえということが行なわれましたので、この時期をもって境としたほうが妥当であろう、こう考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/9
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010・西村尚治
○西村尚治君 二十三年に最高、最低の限度額が上がったということでありますが、現行は二十四万と三千円でしたか、最低が。その今日までの変遷を、最低の限度額の変遷をちょっとあらましお聞かせ願えたらと思います。−それじゃ、時間がかかるようでしたらいいです。いまのお話の、最低が三十円から二百四十円になったのですか、二十三年に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/10
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011・武田功
○政府委員(武田功君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/11
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012・西村尚治
○西村尚治君 二百四十円になったとしても、二百四十円というのは年額ですから、これを月に直すと二十円、こういったものが、ですから、この措置によっても依然として相当残るわけですね。そうですね、保険局長。そうすると、こういったものを、せっかくこういう措置をおとりになるなら、われわれもそれに均てんしたいといいますか、そういう措置を講じてもらいたいという意向が、どれくらい計数があるのかどうかわかりませんですけれども、今後そういう希望、要望が出てくるのではないかというように考えるのですが、その場合には、どういう措置をとられるお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/12
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013・武田功
○政府委員(武田功君) 私どもといたしましては、一番いままでに申告とか、そういったような苦情の種になっておりましたのが、主として戦前のものでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたような理由でそこに境を求めたわけでございますが、ただ小額という、額だけでとってみますと、今後もそういう問題は起こり得るかもしれませんけれども、たまたま、その後におきまして、逐次最低額の引き上げも行なわれておりますし、また、あるいは年金契約の場合でも、一件だけの契約ということにも限りません。また同時に、そのこまかいものの中でも、定期年金もございますし、それこれ考えまして、とりあえず古いものを先に整理をしたい、こういうような意図でございます。したがいまして、なお今後将来におきまして、あるいはそういう問題についても検討しなければならない時期が来るかもしれませんが、現在のところは、そのときまでの分をまず整理をしよう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/13
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014・西村尚治
○西村尚治君 さきに郵政大臣から本件の提案理由の説明を聞いたのですが、それによりますと、この特別措置の対象になるものは、件数にして約六十万、金額にして約三十億円ということだったと思いますけれでも、その三十億円という特別一時金の支払い、この特別一時金の中で、年金の繰り上げ支払いがあり、それから分配金の繰り上げ支払い、さらにこの特別付加金、この三つになるわけです。この三つの内訳は、それぞれ金額が幾らになるのか、また、それの財源の裏づけはどこに求めておられるのか、それをちょっとお聞かせ願いたい。その三十億の内訳と、それから財源の区分ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/14
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015・武田功
○政府委員(武田功君) この特別一時金は繰り上げ支払い金と、それから特別付加金と、この二つでございます。したがいまして、繰り上げ支払い金の額がほぼ十五億、それから特別一時金の額がほぼ十五億、合わせまして三十億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/15
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016・西村尚治
○西村尚治君 いや、提案理由の説明によりますと、繰り上げ支払い金の中に、年金の繰り上げ支払金に相当するものと、定期年金の分配金の繰り上げ支払い金に相当するものと、分けてあったのですが、そこのところはどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/16
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017・武田功
○政府委員(武田功君) 御説明が少し足りませんで恐縮でございましたけれども、この中に書いてございます分配金と申しますのは、かつて定期年金の料率を変更した時期がございます。で、そのときに、前の分につきまして、掛け金を変えないで、それをいわゆる分配金の形で支払う、そして前のものとあとのものの権衡をとろうと、こういうような調整をいたしましたので、したがいまして、一部の定期年金の部分だけにつきまして、分配金という名目で出ております。それを含めましたものでございますから、お尋ねのように三種のようになりますけれども、全体的に申し上げますと、それを含めて特別一時金と、それから特別付加金と、こういうふうに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/17
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018・西村尚治
○西村尚治君 さっき聞きましたが、その内訳と、それをまかなう財源、この財源の中には、契約準備金と剰余金とあるはずですが、どれを契約準備金でまかない、どれを剰余金でまかなうのか。年金の繰り上げ支払い金は契約準備金でということに当然なると思いますけれども、いまの分配金の分は、これは剰余金ではないのかと思うのです。それから特別付加金ももちろん剰余金ではないかと思いますが、剰余金と契約準備金が現在この年金勘定におきまして、どの程度計上されているのかということと、その裏づけの区分けをちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/18
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019・武田功
○政府委員(武田功君) 年金の契約準備金分は十二億四百万円でございます。それから先ほど申し上げました定期年金分の分配金、これが六百万円でございます。合わせまして十二億一千万円になりますが、これはいわば契約準備金的にしてございますので、私が先ほど一括して契約準備金と、こう申し上げた次第でございます。その分が、十二億一千万が契約準備金でございまして、その他の十七億七千五百万、この分が特別付加金といたしまして、剰余金をもって財源といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/19
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020・西村尚治
○西村尚治君 さっきお尋ねしました契約準備金と剰余金は、現在どの程度、幾ら計上されておりますかという、これはどうです、全体として。現在でなくても、四十一年度末見込みでもよろしいんですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/20
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021・武田功
○政府委員(武田功君) 四十一年度末で、剰余金といたしますと、大体二十三億ちょっとでございます。それから契約準備金が二百一億ぐらいに相なります。したがいまして、契約準備金と剰余金を合わせまして、ほぼ二百二十三、四億と、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/21
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022・西村尚治
○西村尚治君 わかりました。この御説明ですと、剰余金は四十一年度末で大体二十三億程度ということですけれども、その二十三億程度の剰余金のうちで、今回この特別付加金として支払うものが十七億七千万ということですね。そうなりますると、せっかく出ておりまするこの剰余金の大半をこの特別措置のために、言いかえれば、二十二年以前の契約者に投入してしまうことになる。二十二年以前の契約者、これは非常に気の毒な状態でありますので、それに対する誠意の披瀝としてけっこうだとは思いまするけれども、ただ、この剰余金というものは二十二年以前の人のために出たものではなくて、それ以後の契約者も、これにはあずかって力があったわけです。それを、大部分というものを、この特別措置のために二十二年以前の契約者に投入してしまうということは、それ以後の契約者との間に、取り扱い上はなはだしいといいますか、いささか不均衡、不公平という感じを免れぬのではないかというふうに考えるのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/22
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023・武田功
○政府委員(武田功君) 先ほど申し上げましたのは、この契約を六十万件全部一度に整理いたしますというときの所要額とその財源について御説明申し上げた次第でございます。ただ、四十三年の一月から二年間にわたりまして支払いをすると、こういう整理期間を設けておりますので、四十二年度の予算では十億組んでございます。で、その内訳は、約五億が繰り上げ支払い金分、それから約五億が特別付加金分と、こういうふうにして組んでございます。
一応こう御説明申し上げておきまして、いまお尋ねの、この剰余金をもって財源に充てました際に、その他の契約者との均衡はどうかということでございますが、この点いろいろ問題があると思います。ただ、私どもといたしますと、企業内でこの措置をとるということに相なりましたので、したがいまして、必然的にその財源を剰余金に求めたわけでございます。剰余金は法律あるいは約款によりまして、経営上余裕があればこれを分配とすると、こういうふうになっておりますが、従来これを分配といたしましたのは、先ほど申し上げました定期年金の一部の分だけについて、これを引き当てにしたというだけでございまして、年金関係につきましては、経営上も、いままで分配金を出しておりませんでした。ただ、これらの六十万件の該当契約は、やはり現在の、先ほど申しますように、十二億程度の比率も占めておりますし、また、今日の年金事業の形成にも貢献しております。そういうような度合いも考えまして、これを財源として充てて、そして特別付加金をつける、こういうふうにした次第でございます。
なお、私どもは、年金の資金の運用面におきまして、年々二億ないし三億、剰余金の増加を見ております。したがいまして、今後もその方面で努力をして、できるだけ早くにこの剰余金の不足分と申しますか、今回引き当てにした分をできるだけ取り戻すと、こういうような努力を続けたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/23
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024・西村尚治
○西村尚治君 企業内で見るということであれば、まあこういう措置よりはかなかったかと思いまするけれども、私は、今回のこういう措置をとらざるを得なかったそもそもの理由というものは、企業の責任というよりは、むしろ、戦後のはなはだしい社会経済事情の変動に原因があるわけでありまするので、企業だけで負担するというのでなくて、むしろ、一般会計からそこは補給をしてもらう、少なくとも、この特別付加金——まあ繰り上げ支払い金、これは企業内で見るのが当然でしょうけれども、少なくとも特別付加金、これは一般会計で見てもらうのが筋ではないかというふうに考えるのですけれども、その辺は大蔵省のほうとおそらく折衝なさったのだと思いまするけれども、いかがでございましょう。郵政審議会の答申も、一般会計から見るべきだというふうに言っておるように記憶するわけですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/24
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025・武田功
○政府委員(武田功君) 御指摘のように、郵政審議会の答申にも、さような意味のものもございました。私どもも、あるいは考え方としてそういうこともあろうかと思いまして、その点につきましても、一応は政府部内で折衝し、研究いたしたのでございますけれども、何ぶん、御案内のように、この制度そのものがやはり任意年金の仕組みをとっております。また、これと類似のものもございまして、他に対する影響その他等もございまして、やはりこれだけの措置をとるのは、企業内でまかなうことが、いまのところではこれよりほかに方法がない、こういうことで企業内で措置をすることにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/25
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026・西村尚治
○西村尚治君 どうも保険局長、だいぶ遠慮して答弁をなさっておるようでありますが、私はやはり、これは企業内にこの責任をかぶせるのは無理だ、もう少し大上段に振りかぶって大蔵省に折衝すべきだ。まあ、なさったと思います。なさったけれども、おそらく大蔵省が頑迷にして聞かなかったから、やむを得ずこういう措置をおとりになったのではないか。この不評判な小口年金、小額年金をほうっておいたのでは、事業の不振をかもすばかりだから、やむをな得い措置として、自腹を切ってこういう措置をおとりになったのだと思うのですが、大蔵省のほうからといいますか、一般会計から出してもらうのが、私はあくまで筋のように思われます。まあ今後こういう事態が起これば、ぜひ一般会計のほうからということでひとつ御努力を願いたいと思うわけですよ。
ここで、根本的な問題についてひとつ御意向を聞いておきたいと思いまするのは、このスライド制ですね、これをこの年金に取り入れる御意向はないかどうか。私はむしろ取り入れるべきではないかというふうに考えるのでありまするが、公的年金のほうでは、厚生年金でも、船員保険あるいは国民年金等も、いずれも大体そういう思想を最近織り込んでおるわけですね。たとえば、厚生年金では、これは第二条で、「保険給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」ということが、昭和四十年の法改正によって織り込まれた。ほかのものもそうですし、さらに恩給法、それから国家公務員共済組合法等も、そういった思想を最近織り込んでおるわけでありますが、これは先ほどからあなたがおっしゃるように、任意年金でありますから、若干趣は違うかもしれません。違うかもしれませんけれども、しかし、この郵便年金というものは、こういった各種の公的年金あるいは企業年金の足らざるところを補って、そうして老後の経済生活の安定に資する、そこに存在意義があるわけでありまするから、その老後の経済生活の安定ということに望みを託してせっかくこの年金に入った、ところが、その後著しい諸事情の変動があって、それが、いざ年金をもらう段になると、何ら生活の足しにならなかった、というようなことを今後ももし繰り返すようなことになりますれば、これはもうこの郵便年金の存在意義というものはますますなくなる、影が薄くなると、かように私は思うわけでございます。この際に、私は、何とかひとつこのスライド制というものに−積極的にスライド制の精神を取り入れるということに、今後積極的に取り組んでもらう御意向があるかどうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/26
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027・武田功
○政府委員(武田功君) 物価に完全にスライドするという仕組みは、特にこういう保険あるいは年金におきましては、非常にむずかしい問題でございます。現在アメリカで多少その例もあるように聞いておりますが、日本ではまだ、完全なスライド年金なり保険というものはできておりません。私どもも、仰せのようにスライドとまでいかなくても、いわゆる変額年金といったようなものが成り立ち得るかということを、従来からも鋭意研究しております。ただ問題は、やはり運用の点、あるいはまた、国営であります場合に、最終的な補てんをどうするかといったような点、この点は非常にむずかしい問題でございます。しかしながら、やはり魅力のある年金と申しますと、どうしても変額年金になるんではないかと、こう思いますので、今後ともこの問題には真剣に取り組んでいきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/27
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028・西村尚治
○西村尚治君 おっしゃるように、これはそう簡単にできる問題ではございません。たいへんむずかしい問題だと思いまするし、これが実現のためには、年金事業というものが自前の独立事業としてやっていく。積み立て金、余裕金、こういったものも、もちろん一切自主運用をしなければならない、そうして安全有利な株式投資、これはもちろんどんどんやれる、場合によっては、何らかの形で不動産投資もできるというようなところまでいって、財務、経理、あらゆる面で、社会事情、経済事情の変動に事業全体の経営が即応できるような仕組みにしないと、これは容易でないと思うわけですけれども、そのためには、大蔵省に対して、それこそ勇猛果敢に、徹底的にひとつ交渉を開始していただく。先回、保険法のときにも私申し上げたわけですけれども、せっかく頼もしい有力な小林大臣をいただいておるときですから、この機会に、ひとつ大蔵省にそういった面もさらにより一そう拍車をかけて交渉をやっていただく。で、どうしても完全な自主運用というものができないときには、この年金を存続させるためには、どうしてもこのスライド制的な精神を織り込む必要があるんだ。しかし、自主運用ができなければ、完全な企業としての独立経営じゃないんだから、そのときには、大蔵省のほうで、スライドする必要がある分については、大蔵省で一般会計から補てんをしてくれるという約束を取りつける、そのくらいな気がまえでそういう仕組みを講じないことには、どうもこの企業の将来性というものは案じられてならないという感じがするのですが、その辺のひとつ気組み、御決意を、重ねて大臣よろしくひとつ、この辺陣頭に立って御努力をお願い申し上げたいと思うわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/28
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029・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまのお話は、かなり常識的な国民の要望であろうと思いますが、実は、この厚生年金あるいは共済の養老年金等の、いわゆる強制的なものについても、ああいう規定は設けましたが、一体、規定を実施する条件が一切欠けておる。どれだけになったらやるんだ、どういう事態ができたらスライドするんだと、ああいうふうな一つの宣言はしておりまするが、実施についての各種の要件が全然示されておらない。こういうことになるから、事実上は、これはなかなか実現が困難だと、こういうふうな理解をわれわれもしております。それに対しまして、保険にしても、年金にしても、これは任意の契約であって、民間の保険、あるいは民間の預貯金、あるいは企業年金というふうなものとほとんど同種類の性格のものだと、こういうことになれば、われわれの保険と年金だけがいわゆるスライド制について規定をするというふうなことは、なかなかこれは困難であろう。これは当然もう民間の預貯金あるいは株式の額面、みなもう同じような影響を受けるのでありますから、私ども、そういうふうに考えることが一応一つの筋ではあろうと思うが、いわゆ
る民営的なこれらのものについては、これはなかなか言うべくして行なわれない。しかも、いわゆる強制保険あるいは強制的な年金等についても、
いわゆる宣言しただけであって、実施についての腹がまえがまだできておらないと、こういう事態でございます。しかし、まあ戦後のような異常な経済事情の変動ということがあるから、これが非常に目立ちますが、いまの状態では、われわれはさようなことは予想もしないし、さようなことがあってはならないと、こういうことで政府の政策もすべて行なわれておる、すなわち、異常な経済の変動、物価の変動というものは、そういうことの起きないように、あらゆる施策がこれに集中されておると、こういうたてまえからしましても、われわれのいまのこの問題について、いわゆる厳格な意味のスライド制を導入するということは困難ではないか、こういうふうな考え方を持っております。
それから運用の問題につきましては、これはお話しのとおりでありまして、あらゆる点からわれわれそういう主張を強めたいと、かように思っておりますが、私は先般ここでも申し上げましたように、保険も年金も、とにかく、ある程度の運用が認められており、郵便貯金については何ら認められておらないと、こういうことでありまして、郵政省としても、重点をそういう点に、より向けるべきではないかと、こういうふうな気持ちでありますが、これらについてまた御意見を承って措置しなければならぬと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/29
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030・西村尚治
○西村尚治君 いまの貯金についての自主運用も、大臣はぜひ御努力を願いたいのですけれども、特にこの年金につきましては、保険もそうですけれども、保険以上に私は自主運用というものが喫緊のそれこそ要務じゃないかという気がいたすのであります。大臣ただいまお話しのように、政府としては、物価の値上がりなどは考慮しないで、これが続くものという前提で施策をしておると、こうおっしゃった。まさにそうあるべきだと思いまするけれども、ただ、ほかの公的年金その他企業年金がこういった思想を最近織り込んでいるわけでございますね。しかも、これは具体的な措置がないという、裏づけがないということですけれども、恩給などにつきましては、恩給審議会で具体的な内容をこれから出そうということで、近く結論も出ることになっております。おそらく公的年金についても、ただこういう宣言、精神規定だけでなくて、何らかの形で審議会その他で具体的措置を検討するとかというようなことがおっつけとられるのではないかというふうに考えるわけですけれども、これは任意年金ですから、そうはいかぬのだということかもしれませんが、しかし、何かやっぱりそういった加入者を安心させるようなものをうたわないと、加入する人がだんだん少なくなるのではないかということを懸念するのでございます。この、もらいました資料を見ますと、年々新規の契約件数が減っております。また、金額につきましても、そういう傾向がいなまれません。これは、いま言いましたような、まあ経済事情その他の、あるいは生活水準その他の変動というようなことも影響しておる、少なくとも影響しておると思うわけでございます。そのほか、制限額ですね、先ほども触れました最高制限額二十四万円、最低が三千円ということですが、この三千円などというものは、月に直しますと二百五十円ですか、二百五十円ということでありますと、昼めしを一回か二回食べりゃそれでもう終わってしまう。この年金法の第一条には、「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」という大目的が麗々しく掲げてあるわけですけれども、年額三千円の年金というようなことでは、この法律の精神、この年金事業の精神からほど遠いのではないかということもまた考えられるのでございまして、こういった面も早急に改定をしてもらうべきではないかと思うわけでありまするが、まあ、あれやこれや、私としても別にここで非常に効果のある対策があるわけじゃございませんが、この年金事業を今後どういうふうに持っていったら、人気を回復して発展策が講じられるのか、その根本的な対策というものをひとつこの機会に、ありましたら御披露願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/30
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031・武田功
○政府委員(武田功君) 確かに、現在の年金事業の足を引いておると申しますか、その一番大きな一つは、今回取り上げましたところの、いわゆる戦前の年金でございます。でございますので、私どもは、まず、やはりこれを一番先にいい解決をはかって、それから今後の発展を期さなきゃならない、こういう考えもございまして、また、郵政省といたしましては、戦後非常に困難な時期から始まりまして、保険事業の立て直しということに主力を注いでまいりました関係で、若干、年金のほうは多少放置された感がないこともございません。したがいまして、仰せのように、昭和三十年に二十四万に最高を引き上げましてから、そのまま据え置いております。また、毎年の募集目標も、ここ数年以上、大体掛け金額で予算的に約十億といったような目標を変えないでやってきております。そういう次第もございまして、確かに、件数あるいは金額等も伸びておりません。私どもは、まず、今回のこの措置ができましたら、今後の年金のあり方というものを真剣に検討しなければならないと、こう考えております。いま考えておりますところは、やはり仰せのように、変額年金の可能性の問題、それから企業年金的なもの、あるいは最近の需要がかなり定期的な年金に高くなっておるように思われますので、また、そういうものの内容、またあるいは、年金と保険との組み合わせといったようなものもあり得るかもしれません。かなり現在のいわゆる保険あるいは貯蓄といものに対する一般の方の見方というものが変わってきておりますので、それらの需要の動向をよく分析いたしまして今後研究をしようと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/31
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032・小林武治
○国務大臣(小林武治君) いまの問題でありますが、これはもういろいろの御議論がございまして、私は、この年金ほど政府事業に対する信頼を失わしたものはない、郵政省がその当の責任者として非難を受けておるわけでありますが、この制度については、もういますでに存廃にまで関する議論が出ておるのでありまして、私も、有効な年金の機能がもし発揮できないとするなら、やめることも一つの方法として考えたらどうかと思うのでありますが、今回はそれに対して、極端なものだけまず整理をして、それからあとのことを考える、こういうことでやっております。実は、わずか最低三千円とか何千円なんという年金は意味がないと、これはもうそのとおりでありまして、実は私は、国民年金あるいは厚生年金等においても、従来は月々二千四百円とか三千円足らずのものがあったのでありますが、これが御承知のように、厚生年金のとにかく一万円年金、こういうものが実現しておるのでありますし、また、国民年金にしましても、一人五千円にして夫婦で一万円、こういうのが実現しておるのであります。すなわち、多少でも役に立つためには、そのくらいの金額がもう最低じゃないか、こういうふうに考えております。なぜ政府が一万円年金などと言うたかというと、いま全国で有料老人ホームが方々にできておりますが、この有料の老人ホームが大体月七千円でお引き受けしているということになると、とにかく、一万円あればいまの時点でやっていける、三千円の小づかいで七千円の費用、こういう考えで、一万円が政府の考えとしてこれはでき上がり、もうすでに実現をしている。夫婦でいまの一万円というものも、同じ思想から行なわれておる。したがって、私どもは、いまの少なくとも最低一万円くらいの年金で、月一万円で、すなわち、十二万円ぐらいでなければ、年金と言えるものじゃない、こういうふうに私は考えておるのでありまして、最低額をこのままにしておくなんということも、年金の信用というものを、年金が役に立たないということの一つの理由にもなっておると思う。したがって、それらは当然もう変えなければなりませんが、何かもっと、要するに、役に立つ、年金が年金らしい機能を発揮する、こういうことを前提として再検討しなけりゃならぬ、したがって、そういうことができなければ、存廃にまでひとつ検討を加えなければならぬ、こういうふうに思っております。いまは一つのその岐路に来ている、こういうことでありまして、まず一番笑うべき状態をまずこれによって整理をして、それから再出発をするかどうか、こういうことを根本的に検討したい、かように考えておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/32
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033・西村尚治
○西村尚治君 この年金の問題はなかなかやっかいな点ですが、むずかしい問題でございます。郵政当局の御苦心のほどもよくかるわけですが、まあ大臣ただいまおっしゃったように、今回のこの措置、これはまあ金額的に言いまして、必ずしも十分とは言えませんけれども、しかし、これは一歩といいますか、大きな私は前進だと思うわけでございます。まあ、これをきっかけにしまして、これまた大臣がおっしゃったように、私も、どうもこの郵便年金というものは一つの曲がりかどに来ている、存廃といいますか、岐路に立っているという感じを強く受けるのですけれども、まあ相なるべくは、これをきっかけにして、ひとつ今後さらに——さらにといいますか、大いに飛躍発展ができるような、ひとつ画期的な方策をぜひ考えていただきたい。郵政当局の、真剣に取り組んでいただくその御努力を期待いたしまして、私の質問をこの程度で終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/33
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034・森中守義
○委員長(森中守義君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/34
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035・森中守義
○委員長(森中守義君) この際、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
今般の集中豪雨による郵政省及び日本電信電話公社関係の被害状況について、当局から説明を聴取いたします。竹下官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/35
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036・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 七月十日昨日午後八時の状況が一番新しいものでございますので、それによって申し上げます。
台風七号による郵政関係被害といたしましては、熊本、広島、大阪郵政局管内で比較的被害が大きく、そのほか、松山、名古屋、長野郵政局管内でも、多少の被害が出ております。
局舎の被害でありますが、普通局八局、特定局四十三局、計五十一局が、浸水等の被害を受けております。また、鉄道、自動車道路等の不通になった個所がございまして、郵便業務の一部が、運送便の停止であるとか、あるいは集配の面におきましては、市内が水をかぶるといったような事態が起きまして、集配面で業務の阻害を生じておる、こういった現象が部分的に方々にあるようでございますけれども、詳細につきましては、今日全部詳細にはわかっておりません。
その中で、特に被害の大きかった熊本郵政局、大阪郵政局におきましては、直ちに災害対策本部を設置いたしまして、状況の把握をやり、係官を現地に派遣する等をいたしまして、復旧に懸命の努力を続けておる実情でございます。
災害の場合の問題になりますのは、郵便業務の運行ということでありますけれども、それは、先ほど申しましたように、着々と復旧につとめておる、こういう実情でございます。
さらに、貯金、保険のことでございますが、こういう非常災害の場合、やるべきことといたしまして、非常取り扱いの措置があるのでございますけれども、昨日十日以降、災害救助法が発動されました地域における郵便局において、この非常災害の取り扱いを着々と開始いたしております。
この非常取り扱いの内容でございますけれども、これは御存じのとおりでありますが、郵便貯金におきましては即時払い、保険につきましては、この保険金の即時払い、貸し付け金の即時取り扱い、保険料の掛け金徴収の猶予、こういった非常取り扱いをすることになっておりますし、郵便につきましては、郵便はがき、郵便書簡を無料で交付する、こういう措置をとっておる次第であります。
一例といたしまして、簡易保険の即時払いの実例でありますけれども、熊本郵政局管内におきましては、保険金の即時払いをやりましたのが七件、金額にいたしまして四十六万円、広島郵政局管内において三十件、金額にして四百四十九万円の即時払いの措置を終わったという報告が来ております。
以上でもって、大体この災害に際して郵便局が行なわなきゃならない仕事のことについて申し上げた次第でございます。
今後やるべき措置といたしましては、災害地あての小包の無料取り扱いという措置がございます。これにつきましては、郵政大臣が発動をするということになっておりますので、目下、全国的ないろいろと事情を調査中でございまして、近々発動をするということに相なろうかと存じます。
以上でもって大体状況報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/36
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037・森中守義
○委員長(森中守義君) 野口保全局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/37
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038・野口謙也
○説明員(野口謙也君) 通信施設の災害状況について御報告いたします。
通信施設は、今度の九州地方の災害が七月九日の十三時ごろから出始めまして、逐次中国地方、近畿地方のほうに及びました。
被害の状況は、通信の途絶した局が三十五局ございます。このうち、直轄局が五局で、郵政委託局が三十局でございますが、現在は、これらの途絶局は全部回復いたしております。
被害の回線の状況は、市外回線が三千二百回線、電信回線が千百回線、市内加入電話が五万一千回線に及びましたが、現在、約七〇%以上回復しております。
局舎として浸水いたしましたのは、伊万里局に水が入りまして、この局舎では、通信用の電源が使用不能になりまして、同時に、伊万里局に所属いたします委託局十一局も、市外通話が不能になりましたが、それにつきまして応急措置をとりまして、現在は、電源施設も回復いたしまして、伊万里局の加入者千六百加入者のうち、一千回線が回復いたしました。同局には、ほかの電報電話局より百四十名現在応援して復旧につとめております。
そのほかの被害といたしましては、神戸管内におきまして、中央電報局の付近にあります河川がはんらんいたしまして、ケーブルが損害を受けまして、現在一千重要回線のうち、二百五十四回線について、ほかのルートから切りかえまして通信をやっております。
それから新聞等に報ぜられました神戸の市ケ原地区は、山津波によりまして線路が流失いたしましたが、いろいろ救助作業などが行なわれておりますので、約四キロにわたりまして臨時の回線を作成いたしまして、現在、警察、自衛隊等の使用に供しております。
災害関係の電報電話料金の免除につきましては、災害救助法の適用地域において、料金免除の措置を行なっております。
それから職員の被害につきましては、いままでのところでは、職員の家族が三名、伊万里におきまして死亡いたしました。
そのほか、住宅の流失、全壊が七軒、それから床上床下浸水を受けた家が百五十軒となっておりますが、これにつきましては、現在詳細の報告がまだ到着中ですので、若干ふえるものと見ております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/38
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039・森中守義
○委員長(森中守義君) ただいまの報告に対し、御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/39
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040・森勝治
○森勝治君 今回の台風七号による西日本の集中豪雨、これはもうすでに二百名をこす死者を出し、さらにまた、災害の現在調査中の分を合わせれば、物の場合においても非常に損害をこうむったと各紙は報道をしておるところであります。いまそれぞれの所管から御報告があったわけでありますので、若干、業務関係について聞いてみたいのです。
まず、郵政関係についてお伺いしてみたいのですが、職員関係の家族が若干何か被害をこうむられたということでありますが、業務の面について聞きたいのですが、いまのお話の中身を見ますと、災害救助法などということになりますと、天災地変、公安、人命に著しい影響を与えるというような法律用語が思い出されるわけでありますが、さて、こういう業務の支障を来たす、なかんずく、鉄道輸送における郵便物の滞貨ということがあるというわけですが、これが一体どのくらいあるのか、さらに、復旧の見通しをこの席で聞くのは若干酷かと思うのでありますが、それはその地域の犠牲を生かして被害を最小限度に食いとめる方法が当然なされるわけでありまして、何も今回ばかりでなくして、しばしばこの種の問題は起こり、それぞれ適切な措置を過去においてはとってきたわけでありまするから、今回特にこの郵便物の滞貨等は−いまその被害者の救済面の話はされましたね。たとえば郵便貯金の即時払いというような手続をされるというお話でありますが、郵便物の滞貨の措置をどうされるのか。いま申し上げたように、一通残らず調査したかという質問は現段階では酷でありますから、そこまでは申し上げませんが、この集中豪雨の規模からいって、被害局がもう限定されたわけでありますから、推定でも被害郵便物の数量はもうこれはおわかりだし、これを消化するのにはどのくらいかかるか、これは当然わかるわけでありますので、その措置をとりあえずお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/40
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041・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 風水害の場合、一番被害を受けますのは、郵便運送線路の寸断阻害ということでございます。これはもう郵政局といたしましては、当然の措置といたしまして、鉄道がだめであれば、自動車に切りかえる、自動車がだめであれば、人夫輸送に切りかえるというような措置、あるいは、いままでの運送線路が破壊されたならば、迂回線路を開いてやるといったようないろんな措置を、あれやこれやの措置を講じまして、ともかく目的地まで郵便物を届けるということを一生懸命やるわけでございます。今度の災害につきましても、それをやっておると思います。特に今度、郵便物が一カ所にたまって音を上げたという報告がまだ来ておりませんので、私は、こういう状況であるならば、鉄道もおいおい復旧することでもありますので、二、三日、おそいところで四、五日後には、運送線路はもとに返るだろう、こういう実は見通しでございますけれども、見通しを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/41
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042・森勝治
○森勝治君 そこで、被害庁舎もあるわけでありますが、この被害を出した各局における労使の問題、たとえば大阪郵政局管内は、御承知のように、労使のあつれきを生じておるところでありまして、われわれも懸念をしておるところでありますけれども、こういうときに、不幸にもこういう被害が起こったわけであります。そうなりますと、この時間外の問題ですが、この紛糾されておる−別にこれは大阪郵政局に限りませんが、広島も熊本もありますけれども、三十六条協定は一体どうなっておるのか、それをちょっとお伺いしてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/42
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043・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) その点につきましては、確認をいたしておりませんけれども、こういう事態におきましては、いつも三六協定を結ぶ、かりに、いままで結んでいない場合でも、そういう三六を結びまして、こういう事態に対処するということをやるのが、いままでの通例でございますので、それ式にやっているものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/43
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044・森勝治
○森勝治君 それでは、三十三条というのは発動したことはないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/44
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045・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 三十三条ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/45
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046・森勝治
○森勝治君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/46
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047・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 私、三十三条の内容をよく存じませんので、いま確かめたいと思います。——わかりましたですが、三十三条の発動でもできるということのようですが、通例の場合、三六条項、三十六条ですね、これの発動でやってきておるようでございますので、それでよろしかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/47
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048・森勝治
○森勝治君 私の申し上げているのは、これは、ある日突然やってくることでしょう。三十六条協定というのは、かねて将来あることを予測して結ぶんでしょう。大阪郵政局管内労使のトラブルが、あつれき、抗争というものが、変なことばで申し上げますと、連綿と続いているところは、なかなか三六協定を結ぶほど相互信頼を取り戻すことができない場合が間々あるでしょう。しからば、時間外の労働協約というものは放任されている、こういうときに突然、天災地変、あるいは公安、人命に著しい影響を及ぼすときはどうするかということです。そのとき、あなたのおっしゃるのは、三十六条協定を結びますと、こう言う。天災がすでに来てしまった、三十六条というのはどうやって結ぶ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/48
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049・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) ただいまおっしゃいましたような場合におきましては、三十三条を発動する、こういうことでございますが、私が申し上げましたのは、従来三十六条の締結で大体済んできておりますので、それでやっておるのではなかろうかと思います。ただ、実情につきましては、大阪郵政のことを私まだ確認しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/49
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050・森勝治
○森勝治君 官房長に労使の問題を聞くのは若干酷かと思うのですがね。人事局長はおいでにならぬのだな。いずれといたしましても、これはもう国民の生活に突如異変を起こした不幸なできごとでありますから、いま申し上げたような、被害を最小限度に食いとめて、なかんずく、孤立の地帯もあるでしょうから、こういうところで何ものよりも待たれるのは、愛情の手を差し伸べることはもとより緊急のことでありますから必要でございますけれども、親類縁者、友人、知人からの便りがこういう被害地に一日も早く届くこともまた、復旧への意欲を鼓舞することだと私は思うのです。したがって、そのことについて最善の努力をはかっていただくと同時に、ややもすれば、こういうときには、職員がもちろん不眠不休の努力をして郵政事業の復旧をはかるという、職員はもとよりそういう考え方で業務に精励をしておるのだけれども、特にこういう労使間の不信の流れのある個所においては、天災地変等に名をかりて、ややもすれば管理者が不当な労働行為に走らんとする傾向が、これは大阪とは言いませんよ、これはよその地区ではあるわけであります。したがって、こういうことはごうまつもないように、しかも、国民の不幸なできごとを一日も早くいやしてやらなければならぬ、そういう立場で措置さるれことは当然だと思うのですが、こういう問題について、どう対処されるかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/50
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051・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 非常災害の際でございますので、一刻も早く被害の場所を復旧するといったような措置を講じまして、業務をもとに返し、国民の期待に沿うという、そういう方向で労使が協力し合ってやっていかなければならないものだと考えます。非常災害を利用して、管理者のほうでそういう非常災害の事態を利用してどうこうするといったようなことがあってはいけないことでございますし、大阪郵政といたしまして、そういうことをやってはいないと私信じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/51
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052・森勝治
○森勝治君 局によって床上浸水が、たとえば大阪で四局あるわけですね。長崎県で六局、そうなりますと、国民から預かっている郵便物が局内に留置されている。まあ、これは配達未遂のものでありましょうけれども、これらの郵便物の被害というものは全然ないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/52
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053・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 苦干あると思われますが、数はわかっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/53
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054・森勝治
○森勝治君 業務の支障、たとえば窓口を閉ざしたというような、大阪の茨木局の例がありますが、これは現在も窓口は閉ざされておるわけですが、この状況を若干つまびらかにひとつ教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/54
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055・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 大阪管内におきましては、茨木局の被害が一番ひどかったように聞いております。したがいまして、窓口も開けなかったというのですけれども、水が引けました今日では、もう窓口業務を開始したものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/55
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056・森勝治
○森勝治君 これはもう万全の措置をはかっておられるだろうと思うのですが、えてして、こういう風水害のあった直後は伝染病がしょうけつをきわむるということで、過去の被害のあとをたどれば、いずこの土地も、そういう問題で悩まされるわけであります。これはもちろん厚生省の所管で、一般の人々のものはそうでありましょうけれども、たとえ郵便物に水がかからなくとも、局舎が床上浸水ということになれば、その局全体はおそらく湿気を伴うわけであります。したがって、水の被害をこうむらないと言っても、保留をしておきました郵便物が、やはりこれはもう湿気を帯びることはおびただしいわけであります。そうなりますと、これはもう一般の地域のそれのごとく、局舎の中のそういう各種のばい菌等によって伝染病が蔓延しかねまじき姿が出てくるわけでありますが、こういう問題に対する措置はどのようにとられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/56
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057・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 水が引きましたあとの局舎の消毒といいますか、そういうことをこれはやらなければいけないのでございまして、今回も、ただいま先生おっしゃいました線で十分気をつけてやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/57
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058・森勝治
○森勝治君 これはどうなんですか。この程度というと不謹慎なことばか知りませんけれども、この種の災害では、あとで特殊な出費その他の問題については、各段の手配をせずとも、既達経費の中で措置ができるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/58
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059・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) 災害の規模といたしましては、特に大きかったとは思えないのでございまして、昨年の静岡、山梨、群馬、あのあたりを通りました秋の台風程度ではなかろうか、あれより若干大き目ではなかろうかと思うのですけれども、詳細については、なお報告が十全のものがそろっておりませんので、つかめない状況であります。詳細の全部をつかみましたあとにおきまして、必要でありまするならば、本省において経費増額の措置を講ずるというような二ともしなければならないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/59
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060・森勝治
○森勝治君 数字が出ておりませんから、これをことあげすることはどうかと思うので、私も抽象的な表現を用いますけれども、こうした各局におびただしい被害というものを出すということになると、職員が勢いオーバー労働になることは、これは自然の姿ということになりますね。ところが、その職員自身が、また、その家族が被害者の一人でもあるわけです、自宅のほうが。しかし、職員は社会公共に奉仕するという意味をもって、わが家を顧みず、局の復旧、郵便物の配達、あるいはまた、差し立て区分ということをやるとするならば、そこにやはり事業愛に燃える職員に対するこうした非常時における適切な措置というものをしてやらなければならぬわけだと私は思うのであります。したがって、そういう問題については、当然もう、かくあるべき措置をされるものだと私は考えますけれども、そういう点については、十分手厚い措置がしていただけるものでしょうかどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/60
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061・竹下一記
○政府委員(竹下一記君) こういう災害の場合におきましては、共済組合が組合員である被災者に見舞い金を上げる、こういう制度がございますし、また、相互の福祉機関と申しますか、互助会等におきましても、災害見舞い金の制度がございますので、当然これはそういう制度を活用するということになろうと思います。それから、これももう少し状況を見ました上できめなければならないことでありますけれども、被災職員に対して、救曲金を募ってこれを贈呈する、被災者に差し上げるといったようなことも過去に例がございますので、そういうことをやることになろうかと思います。それからなお、職員及び職員の家族が被災を受けまして、寝起きができない、こういったようなことも考えられます。そうしますと、生活必需品というものも不足を来たすわけでありまして、これは郵政局が目下調査をやっておるのでございますけれども、そういう場合には、毛布であるとか、そのほかの衣料品、あるいは食糧こういった生活必需品の補給もやらなければならないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/61
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062・森勝治
○森勝治君 時間がございませんから、電通のほうに若干質問したいと思うのですが、郵政に重ねてお願いしたいことは、いまも私、若干触れましたが、職員が不眠不休の努力で災害復旧に協力をしているわけでありまするから、こういう問題については、物心両面の万全の措置を講ぜられるよう要望いたして、電電公社の質問に移りたいと思うのであります。
郵政と同じく公社の場合も、まだ情報を収集中でありましょうから、詳細はつまびらかにできないのでやむを得ませんけれども、たとえば一つの例として聞くのでありますが、今次のこの集中豪雨による被害は、伊万里局が一番最大の被害だと、こう言われておりますね。これはすでに局舎の一階が浸水になり、電源の使用が不可能ということになると、いわゆる一般、町のことばで言う、この伊万里の局は全滅をした、こういうことを意味するわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/62
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063・野口謙也
○説明員(野口謙也君) 仰せのとおり、電源に浸水いたしまして、一時期、伊万里局は疎通が全部できなくなりまして、少し詳しく経過を申し上げますと、最初、手動式の磁石式交換台を持ってまいりまして、重要加入者の仮復旧をはかりました。その後、電源設備を持ってまいりまして、伊万里局自体の電源を回復いたしまして、現在、先ほど申し上、げましたように、一千加入が復旧いたしておる、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/63
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064・森勝治
○森勝治君 局長にこんなことを聞くのは酷なわけですが、この伊万里局の配置はどういうところにあるんです。この町の高いとか低いとかいうことばで申し上げると、どういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/64
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065・野口謙也
○説明員(野口謙也君) 申しわけありませんが、私自身この局舎見たことございませんが、当時の状況は、町全体が水浸しになったということで、特に伊万里局自体が低い地域にあったというふうには聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/65
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066・森勝治
○森勝治君 一階浸水で電源が全面的に使用不能になったということになると、これは電電公社としては、たいへんなできごとですね、御承知のとおりね。電力会社の電気が切れても電電公社の非常態勢の電源装置というのは万全だと言って電電公社が他に誇っておるところでしょう。ところが、このように電源が全部だめだということになるならば、モーターももちろん水浸しということになるんですね。そうなると、これは町全体といいながらも、全国的にいっても、もう水の出るところは電電公社の頭脳をもってしてもわかっておるわけですから、当然これは、この局はいつできたか知りませんけれども、局の配置設計等については、特に水に−神経質と社会からいわれるほど水に対しては極度に警戒しているのが電電公社ですね。そうですね。しからば、たとえば一例では、埼玉県の、これはあなたに申し上げては恐縮なんです、あなた保全のほうですから。ですけれども、きょうは電電公社代表ということですから、そういうことで私は質問申し上げているのですが、埼玉県の川口局がかつて集中豪雨で伊万里局と同様な事態が起こりました。御承知のとおりですね。たぶん昭和二十九年だったでしょうかね。これはもうお話になりません、人間の身長の高さまで水が浸ったわけですから。当然その地下にある電源は壊滅ということになります。そのように、水に警戒心を執念というほど異常に燃やしている電電公社が、同じ百メートルも隔たない川口に、集中豪雨がなくても市街の水が絶えず集中する低湿地帯に新しい電話局を設けておるわけです。最近でき上がりましたのは、あなたも御承知のとおりです。もちろん、周囲は防壁をもってめぐらしておりますけれども、一体、片や、そんなに神経質でありながら、私どもしろうとから考えてみても、また集中豪雨がやってきたら、たとえ、やってこないまでも、川のへりで、あそこは特にモーターで芝川の水をかい出さなければ荒川に水が流れないという、荒川よりも電電公社のすぐ横を流れる芝川のほうが低水位である。したがって、ポンプでくみ上げている、この天井くらい高いモーターをつけてくみ上げておる、こういうことを平気でなさっておりますが、一体これはどういうことなのか。保全上心配ないということでおやりだろうけれども、われわれ一般社会の常識をもってしては、一方に非常に神経をとがらしておる電電公社が本庁の局−本庁というのは最初のもとの川口です。本庁の局から低湿地帯にそういう局を持っていくことは、どうも私は電電公社の神経を疑わざるを得ないのだが、保全局長としてはどうなんですか。この伊万里の局の出水騒ぎに関連して、川口の局舎を建てた計画のあり方というか、考え方をひとつ聞かしてくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/66
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067・野口謙也
○説明員(野口謙也君) 川口の局自体の新局の敷地選定の当時の事情につきましては、私、事情ちょっといまはっきり存じておりませんが、最近は水の問題につきまして非常に神経質な設計をいたしまして、おそらく、私もこの川口の局はまだ見ておりませんが、最近の局ですと、一階に電源を置かない、低地帯では、電源設備を二階に置く、交換機とか試験台も二階に置く、そういうような設計をやることが多いのでございますが、川口自体については、ちょっと私見ておりませんので、お答えできないのですが、基本的な考え方としては、そういう設計をやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/67
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068・森勝治
○森勝治君 私の言いたいのは、他の官庁より以上に水に警戒心が厳重な電電公社が、そういうところはだめだと言っておりながら、一面で新しい川口のいまつくった局舎ですね、通常でさえ、町の水が全部あふれてそこに集中されるところに、なぜそういうところに持ってくるのだというのです。水を警戒する電電公社が、なぜ水を招来するような、逆に電電公社がそこへ来たから水が好んで走っていくような、そういう場所になぜ選定をするのだ、こういうことなんです。ですから、水に神経をとがらしておりながら、水が寄っていくというような低いところに、なぜ局を建てるのだということです。
それからもう一つは、なるほど、交換室は二階、三階、それはあるでしょう、交換室の地下室なんて聞いたことはありませんから。しかも、電源設備の二階にある庁舎は、たとえば関東なら、どこにありますか、そんなことをおっしゃておられるが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/68
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069・野口謙也
○説明員(野口謙也君) ちょっと場所として、いま関東地方で思い当たりませんが、こういったように停電になりますと、発電機を大きな局では持っておるわけでありますが、発電機は、最初のころの設計は、よく地下に置いたものでございますが、最近では一階以上のところに、低地帯では置くような設計がなされておると承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/69
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070・森勝治
○森勝治君 それはこういうことじゃないですか、地下室のあるところは地下室にモーターを備えつけた、地下室のないところは一階で、そもそも、そうしたでかい重いものを二階へ上げる局は、関東あたりでは見たことないですが、全国でも、初めて私はあなたに聞いたのです。電源設備を二階に設ける、交換台を同じように二階に設けるとおっしゃるから、これはまた初耳だから、一体その局がどこだと——いま、西日本の話を聞いて、関東なんと言うから、あなた、とまどったかもしれないけれども、大阪管内でも、広島、熊本管内でもよろしいが、二階に電源設備のあるという局はないでしょう、機械室を置くというならいざ知らず、まあ、そういうことはいいです。い、ずれでもいいですが、郵政に比べて電電公社は、この西日本でいえば、比較的軽微ではないかと思うのですけれども、しかし、いま申し上げた伊万里の町は交通が遮断されました。郵便ですと、なるほど雨が降った、汽車がとまったから、家に着くのは三日のところ五日だというので、多少ゆとりはありますが、一たん緩急あって電話がストップすると、そこには、ことごとくといっていいほど流言飛語が乱れ飛びます。伊万里という小さい町であっても、町の中は騒然としてくるわけであります。したがって、もうすでにこれは復旧がなされたことと思うのですが、そう理解してよろしいですね。応急措置がなされて、通話はもう、一〇〇%でなくても、八五・九〇くらいの域に復旧している、こう思っていいわけですね。
それでは、今後とも、特に水の問題では湿気を伴いますから、電話は極度にきらうわけです。したがって、これはいま保全局長にそういう、公社が局のどこへつけたなんと、やぼなことを言うのは恐縮でありますが、あなたの立場はやはり保守という立場ですから、当然、そういう場合には、自分の所管に属することについては、保全が困難になるような局舎の設備については反対されることが当然だと思うのでありますが、今後とも、ややもすれば、ちょっとの——これは集中豪雨でありますが、集中豪雨でなくても、まあ鳥がケーブルにとまって、くちばしでたたいた程度でも、残念ながら浸水するといういま現状であります。したがって、国民のための電信電話を、迅速に有効に奉仕することができますよう、今後ともひとつがんばっていただきたいと思うのであります。
それで、信越、近畿、九州等にも相当の被害があるそうでありますが、時間がございませんから、もう省略いたしますが、私が郵政当局に質問いたしましたと同様な質問はいたしません。時間がありませんから。しかし、あの中でも、電電公社と共通な三十六条協定、三十三条発動等の問題がありますから、えてして、従来、電電公社は、郵政ほど三十三条協定なんていうものは、天災地変、災害、人命その他云々ということで、あまりもめませんけれども、特にあなたの保全の立場では、時間外労働、深夜業の問題については、職員団体とトラブルが過去においてときどき起こってきたわけでありますから、この問題を契機として、ひとつもう万全の措置をとっていただきたい。特にこういう災害の復旧については、もう労使の相互信頼がなされなければ、これは事業の伸展はあり得ませんから、特にこの点は電電公社のほうにひとつお願い申し上げるわけです。今後の保全の立場での御意見をひとつ拝聴して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/70
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071・野口謙也
○説明員(野口謙也君) 先ほどの設備の問題につきましては、仰せのとおり、過去のこういう経験につきましては、詳細に状況を調査いたしまして、新しい設計の上に反映させるようにいたしておりますので、今回の経験も将来生かして、完全な設備をつくるようにつとめたいと思います。
従業員問題につきましては、超勤等の問題については、現在、私どものほうへの報告では、何らトラブルは生じておりませんが、罹災者の救済その他については、できるだけのことをやるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/71
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072・森中守義
○委員長(森中守義君) この際、委員長から両当局にお額いしておきます。関係地域における業務が一日も早く正常な状態に回復するよう、かつまた、電電公社の三名の職員の死亡はじめ被災職員に対し、十二分に対策がとられるように御配慮をお願いし、なおまた、先ほどからお話がありましたように、詳細な状況の報告を委員会に御提出をいただきたいと思います。
他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度といたします。
次回は七月十三日木曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514816X01719670711/72
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