1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十八日(木曜日)
午前十時五十五分開会
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委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
小林 武君 加瀬 完君
四月十七日
辞任 補欠選任
小柳 牧衞君 赤間 文三君
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出席者は左のとおり。
委員長 津島 文治君
理 事
船田 譲君
吉武 恵市君
鈴木 壽君
原田 立君
委 員
高橋文五郎君
仲原 善一君
林田 正治君
松澤 兼人君
辻 武寿君
政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
消防庁長官 佐久間 彊君
消防庁次長 山本 弘君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
消防庁総務課長 山田 滋君
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本日の会議に付した案件
○消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
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001・津島文治
○委員長(津島文治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/1
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002・原田立
○原田立君 おもに最初、消防力の強化という意味で、財政的な面から入っていって、それであと法案の内容に入っていきたい、こんなふうに考えております。けさの新聞にも、貧弱な消防力というようなことで、これはおもに温泉地の消防力のことを評価していることばでありますけれども、貧弱な消防力というようなことで痛烈な意見が出ておりました。これは何も温泉地ばかりでなしに、大都市においても、中都市においても、消防力の低い点、弱い点が大きな課題になっているわけでありますが、そういう面でもっともっと強化していかなければいけない。それで、それには財政的な力をつける必要が十分あるのじゃないかというようなことで進めていきたいと思うのであります。
地方交付税における消防費は、市町村分については人口を測定単位としており、四十二年度の単位費用は六百五十七円に対し、四十三年度は七百九十円と、こんなふうに予定しているとお聞きしておりますが、その増加額は百三十三円となって、相当大幅に伸びており、たいへんけっこうなことだと思うのですが、そこいら辺の事情を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/2
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003・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 前々から本委員会でも御激励をいただいておるわけでございますが、私どもも、この先生方の御期待に沿い得るように努力いたしたいということで、四十二年も四十三年度も引き続きまいったわけでございますが、特に四十三年度におきましては、ただいま御指摘のございましたように、全体として一段と消防力の充実をはかるための財源措置を前進をさせたいと、こういうような心組みで私どもも微力を尽くしたわけでございます。ただいまお話のございましたように、地方財政上の措置といたしまして、四十二年度から四十三年度にかけまして、単位費用が約百三十三円増額を見たわけでございまして、これだけの増額を見ましたことは、過去におきましては実はなかったことでございます。その結果、基準財政需要額にいたしますと一千四億円余ということになりまして、四十二年度が七百八十六億円余でございましたのが、市町村の消防費が一千億をこす、こういうふうなことになったわけでございます。従来、市町村におきましては、とれも前国会で先生から御指摘もございましたが、市町村によりますと、基準財政需要額に見込んだものをそのまま予算化していないところもあったわけでございますが、この点も指導の上に努力をいたしてまいっておりますが、せっかく基準財政需要額も相当大幅に増額を見ることにいたしたわけでございまするから、今後はこれを市町村の段階で実現をいたしますように、市町村の予算化につきましてさらに指導をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/3
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004・原田立
○原田立君 そのおもな要因は給与費の改定にあると思うんですけれども、単位費用の積算基礎について、四十三年度消防費の内容及び四十二年度と比較すると、どういうふうな点が変更になっているのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/4
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005・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これはいろいろございますが、一つは人員の増加がございます。この人員の増加は、科学消防施設の整備に伴いますもの、これは化学車、はしご車、消防艇、ヘリコプター等、今回国の補助金を計上したわけでございますが、それに見合って地方で所要の人員の増加があるわけでございますが、これを四百四十三人見込んでおります。それから救急業務を今回人口——従来五万を基準といたしておりましたのを、人口四万に拡張することにいたしましたので、その関係で増員が三百八十五人、なお、これらの人員を見込んでおりましたが、それが実情に即しまして是正を要する点もございましたので、それらのものも合わせまして大体五千七百九人というものを財政計画上は見込むことにいたしております。それからなお、おもなものを申しますと、消防団員の処遇改善の関係でございますが、これは一回の出動手当が従来四百二十円といたしておりましたものを、今回五百円に増額をすることにいたしております。それから消防団員の退職報償金でございますが、これを若干引き上げることにいたしております。たとえば十五年で三万円とありましたものを三万五千円にするというようなことでございます。それから消防団員の被服費でございますが、これを前年より六百円引き上げることにいたしております。以上のようなことがおもな内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/5
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006・原田立
○原田立君 四十二年度の消防法の改正の際、決算と基準財政需要額との比較についてお聞きしたところ、四十年度では、決算は基準財政需要額に比べ一〇八%くらいである、こういうような御説明があったのですが、これは市町村の消防費についての説明であったと思うのですが、決算には補助金とか起債なども含まれているので、一般財源と比較すると、どういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/6
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007・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは四十一年度について申し上げますと、基準財政需要額が六百九十二億四千五百万でございますが、これから一般財源としての消防費の比較のために退職手当及び恩給費を除いてまいりますと、六百六十六億九千九百万になります。これに対しまして決算額でございますが、これが六百五十四億五千七百万円でございますが、これにさらに消防関係の公債費を加えますと、六百八十六億四千七百万になりまして、これを、その割合を見ますと一〇二・九%と、こういうような数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/7
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008・原田立
○原田立君 公債費まで入れて六百八十六億四千七百万で一〇二%ということですけれども、公債費も必要かどうか、消防力の強化というような意味で、基準財政需要額と消防の決算との差をこの前聞いておりましたのですが、しかし、やはり公債費なんかは一応抜いて考えるべきではないでしょうかね。そうすると、どういうことになるんですか。いま御説明あったの、何%になるんですか、一〇〇%以下になるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/8
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009・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 公債費はしかし、消防施設を充実いたしますための起債の元利償還額でございますから、これは消防関係の経費としてこれに加えて比較するのが適当であろうと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと関連して。いまの原田さんからのお尋ねに対してお答えになったことの中で、一つお聞きしますがね、いろいろ交付税の算定で増額になった点についての御説明の中に、訓練出動手当が現行四百二十円のものが、四十三年度から五百円になった、こういうお話、これによっての増もいまの消防費の算定の増にあげておりますが、確かにそれは四百二十円のものが五百円になりましたが、一方、ここで四十三年度では、従来の訓練出動手当の算定でとっておりました人員の面で、いままでと違ったやり方をしておりますね。というのは、四百二十円、それに標準団体で団員の数を四百三人の九回ときめております。それを、九回の出動に対して四百二十円ずっと、こういうふうになっていましたね、現行は。それが、今度は五百円の三千二百人分と、こうなりますと、この三千二百人はどこから来たかということをちょっと聞かなきゃならぬと思うのですよね。四百三人の九回で、三千六百二十七人ですね。それが今度三千二百人になって、四百二十七人減らされておりますね。これは一体どういうことなのか。一人当たりの単価は八十円の増になってはもちろんおりますが、それはそれでけっこうですが、人数のほうで今度は逆にいままでと引かれている。しかも、いままでの計算は、繰り返して申し上げますと、四百三人の九回の出動、こういうふうな見込み方をしておったものが、まあ込みにして三千二百人、こういうふうになっておりますから、そこら辺ですね、どうでしょう、ちょっと御説明を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/10
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011・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 今回この交付税の算定の基礎につきましては、全体として実情に合わせるように是正をする、こういうことで、人数の少ないものは人数を多くするというようなことを一方やったわけでございますが、出動手当の件につきましては、実際の調査の結果によりますと、大体八回ちょっと、まあ弱ぐらいのことになりましたので、単価を引き上げると同時に、その回数は実情に合わせて大体八回程度ということにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/11
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012・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、実情からしますと、平均八回にちょっと切れる、未満というような、七・幾らというふうになるということからだと。ただ、こういう、たとえば交付税の計算なんかの算定に用いる数字からのいままでの扱い方からしますと、ちょっとふしぎに感じるわけですね、私は。実情はそうかもしれません。しかし、他のところでいろいろやっておるのは、やはり標準団体における四百三人というものを基準にして、そして、その実際の配分の場合には、これにいろいろ補正とかなんか加わりますから、そういう形でいままでやってきているのを、ここで実績はこうだからというので、それを縮めたかっこうにひょっこり出してくるのはちょっとおかしいじゃないか。いままでの取り扱いといいますか、こういう基礎になる数の扱い方からしますと、ちょっとおかしいんじゃないかと思うんですがね、これで足りるとか足りないとかという問題は別にしてですよ。もし実数でやるとするならば、これはほかのほうの、何といいますか、その他のいろいろな消防団員一人当たり云々という、こういうものにももっとじゃあ考えなければいけないことが出てきますわね。だから実数との乖離、差を縮めるという意図はあっただろうと思うし、それも一つの筋だと思いますが、交付税でやっておるのはそういうことでなくて、実態に近づけるためには、別に補正なりそういうもので従来やっていますから、私は、そこらあたりからしますと、ここで変なかっこうでね。ですから、実際問題として、四十二年度で四百二十円かける九回かける四百三人で百五十二万三千三百四十円、今度五百円になったと言っても、人数を減らされたために、総額は百六十万円にしかなりませんね。わずか七万六千六百六十円ですか、わずかしかふえていませんね。何かそういうこと、頭を押えるためにこういうふうにやったんではないかという気がするんだが、まあ、そこまではともかく、やり方として、全体の交付税の算定のやり方としては、ちょっと変わったやり方をしておるので、私はふしぎに思って聞いてみたのですが、ちょっとおかしくありませんか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/12
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013・山田滋
○説明員(山田滋君) お話のございましたように、この出動手当につきましては、標準団体の一応標準的なたてまえといいますか、考え方をこういうかっこうで従来やってまいったわけでございますが、ただ、この四十二年度におきます四百三人の九回という数字につきましても、従来いろいろ、数年前から人数も同じ据え置きでございますし、回数は二年ほど前からこういうかっこうになっているわけでございます。実は、お話のように、標準団体においてはたしてこれで適当であるかどうかという点につきましては、特に自治省の中で、内部でもいろいろ検討いたしました。実態は、先ほど長官が申し上げたようなかっこうになっておりまして、それをどういうかっこうであらわすかというので、いろいろ議論があったのでございますが、まあ四百三人という数字につきましても、先生御存じだろうと思いますが、町村なりあるいは市の規模によりまして相当な、しかも、実態がまちまちでございます。団員が非常に多いところと、それから同じこういった十万段階の市におきましても、消防団員が非常に、千人以上あるところもありますし、あるいはまた、整理いたしまして、百人から二百人ぐらいのところもございますし、それらの、何といいますか、標準的なかっこうで、従来ある程度財政的に積算するために四百三人という数字を出しているわけでございます。これがはたして現実に妥当するかどうかというのは今後の課題でございまして、とりあえず、四十三年度におきましては、それを、とにかくその四百三人という数字にこだわらずに、むしろ全体、延べ何人というかっこうに引き直したほうがかえって妥当じゃないかというので、特に財政局のほうから強い意見がございました。回数から申しますと、結果的には一回減ったかっこうになります。しかし、私どもの政策的な気持ちとしては、四百二十円を五百円に上げるというところにむしろ重点を置きまして、現実の姿が、これは私どもも実は努力が足らなかったのでございますが、各市町村で条例によって、交付税では四百二十円見ておりますけれども、二百円ぐらいのところもございますし、相当下回っているのでございます。それをむしろ引き上げよう、交付税では少なくともこういったかっこうで積極的に進んでいるというところを示しまして、そうしてトータルは若干これは、あまり消防庁としては十分と思っておりません。もっと伸ばさなければならぬと思っております。おりますけれども、まあ、こういうかっこうではっきり方向を示したほうがいいのじゃないかということで、かようにいたしたわけでございます。先生御指摘のような、たてまえといいますか、たて方といいますか、こういう点は今後さらに検討を続けていきたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/13
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014・鈴木壽
○鈴木壽君 関連ですからもうやめますが、それからもう一つは、むしろ交付税のあり方の問題というよりも——交付税の算定問題ですから、交付税の問題だと思いますし、ここではあまりやかましいことは言いたくありませんから。ただ、四百三人が妥当か妥当でないかということ、これはお話のように、私、従来から指摘しておりますし、もっと補正で——もし四百三人ということを動かせないなら、補正でその実態に合うようにやれということをしばしば言っているのですから、そういう問題ももちろんあります。ありますが、ただ、交付税のいわゆる算定の方法の中にこういうかっこうで出てくるのはちょっと例があまりないでしょうから、あなた方、それを承知でいろいろ話し合いの中でやっているのだろうから、そこらの考え方は一体どうなのかということをお聞きしたわけです。
私は、端的に結論だけ申し上げて、お答えは要りませんが、八回なら、四百二十円かける八回かける四百三人、こういうことで一つの算定のルールとしてやっておいてよかったのじゃないか、こういうふうに思うもんですから、実態に近づけるとかなんとかいう意図はわかりますけれども、そうなりますと、いろんなところに波及してくるところがたくさんあると思いますから、そういう意味で一つの、まあ、こういうやり方が正しいということを前提にして言っているんじゃないか、いまのたてまえがそうだから、やはりそういうふうにしておくべきじゃないだろうかということから、ちょっと問題だと思ったもんですからやったんですが、その点についてはよろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/14
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015・原田立
○原田立君 いまの一〇二%の御説明ですけれども、四十一年度の基準財政需要額は六百九十二億四千五百万円である。それに公債費を含めると六百八十六億四千七百万円であるというふうなお話でありましたが、この一〇二%というのは、これのかけ合わして出た数字ではないのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/15
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016・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 六百九十二億四千五百万円の中から、これはこまかい話になりますが、退職手当と恩給費というものを引いた額、それが六百六十六億九千九百万になるわけでございますが、それと先ほど申し上げました額と比較いたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/16
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017・原田立
○原田立君 そうすると、四十二年度も基準財政需要額、そのとおりのものを各消防も使ったということで、消防力を強化する意味でもその点はいいんだ、こういうふうなお考えですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/17
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018・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは平均した数字で申し上げてありまするので、個々の市町村について見ますというと、基準財政需要額を相当上回っておりますものもございまするし、下回っておるものもございまするので、下回っておるものにつきましては、私どもとしては、さらにひとつ督励をしていきたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/18
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019・原田立
○原田立君 上回っているのと下回っているのと、これの差が激しいのじゃないでしょうか、こう思うのですが、その実態はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/19
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020・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) いま手元に個々の市町村についての資料は持ち合わしておりませんが、御指摘のように、相当幅があるように聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/20
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021・原田立
○原田立君 そうなると、長官、総ワクではとんとんにいったとしても、やっぱり中身のほうが問題だと思うのですね。プラスのほうはいいとしても、マイナスのところがあるというのは、これは問題じゃないでしょうか。それで消防白書ですか、あれをちょっと見ましたらば、四%くらい使っているのもあればいいほうですね。二%くらいのもある。四%と二%、数字では二と四でたいしたことはないけれども、はじき出される金額というのは、相当大きな差になってくると思う。ですから、むしろ、もっと消防力を強化する意味においても、プラスのほうはどのくらい、マイナスのほうはどのくらい、マイナスのところに対しては、もっと強力な指導をしなければいけない、こんなものが結論になると思うのですけれども、これ、まだ実態はおわかりじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/21
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022・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 個々の市町村につきましても、ある程度はつかんでおります。ただいま現在手元にはございませんが、それで、先生のおっしゃいますように、多いところはいいとして、少ないところはもっと引き上げるように努力しなければいかぬ、かように思っておりますが、ただ、まだ、その年度におきまして、たとえば、はしご車を購入したとか、あるいは庁舎を建設したとか、非常に特別な支出がありましたときには、したがって、パーセンテージも大きくなったりいたしておりまするから、その辺の具体の比較をいたします場合には、事情も考慮してやらなければいかぬと思いますけれども、総体といたしまして、これは相当消防に力を入れて消防力の充実をはかっておりますところと、相当危険性があるにもかかわらず、それほど努力を払っていないというようなところも確かにございまするので、その点につきましては、さらに指導を積極的にやるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/22
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023・原田立
○原田立君 こんなことを言ってはどうかと思うんですが、これは消防力を強化する意味においての一番重要な問題なんですから、長官わからなければけっこうだけれども、どなたか財政当局で、どのくらいの実態なのかわかったら言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/23
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024・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) いま担当の者も手元に資料を持っておりませんので、この次に資料として、多いところ、それから少ないところ、若干の例を出しまして御提出さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/24
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025・原田立
○原田立君 こういう問題は資料提出だけで済ませる問題じゃないですよ、いまその消防力を強化することを議論しておるんですから。その基礎的なものは的確に長官のほうで把握しておいてもらわなければならぬと思うんですね。なければしょうがありませんから、この次にまたこの問題は延ばしたいと思いますが、いずれにしても、去年の七月四日に当委員会で行なったときも、長官はたいへんそういう点について努力をなさって、初めてではあるけれども、基準財政需要額を上回ったというようなことを当委員会に報告いたしました。その点はたいへん喜びとしておったわけですけれども、去年、前回のときには一〇八%であったものが、ことしはまたぐっと引き下がった、また今度、四十三年度承引き下がるんじゃないかという心配も多分に懸念するわけなんですが、そういうことがあってはならない。そこで、個々のことについては、この次に譲るといたしまして、この点もう少ししっかりとしてもらいたいと思うんです。
それから一般会計債における消防の起債は、昭和四十三年度も七億円くらいと聞いておりますが、一般単独事業債に含まれておると思いますが、これは昨年と同じ額で、起債の増額に努力したいという長官の答弁と異なるように思うんですが、この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/25
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026・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 実は政府債の一般単独債でございますが、昨年初めて七億を計上することにされたわけでございますが、ただ、これは単独債の中で七億を消防施設の関係に充当するという財政局との間の取りきめと申しますかございまして、ワクそのものを消防事業債というふうに別ワクにいたしたわけではございません。そこで、現実には市町村におきまして、単独債で消防施設の申し出が出てきませんと、自治省の財政局のほうで詮議のしょうがないわけでございますが、実は私どもの指導も足らなかった点があると思いまするけれども、財政局のほうに出てまいりましたのは二億くらいであったのでございます。その原因をいろいろ聞いてみますというと、どうも市町村長さんのほうで、消防関係者のほうからこれはひとつ単独債でやりたいというような申し出がありましても、消防は損保債があるからそれでやれ、単独債はひとつほかの事業に回したいのだ、こういうようなことで押えてしまったというようなケースが相当あるようでございます。そこで、本年度は、前年度の実績がその程度でございましたので、実は私どもとしては、もっと増額をいたしたかったのでございますが、いろいろ大蔵省や財政局とも折衝をいたしました結果、その後の実績がそうだから、本年度はワクとしては前年どおり七億と、こういうようなことで、しかし、ほかに縁故債を一億増額することにして、政府債としては八億、こういうような話し合いになったわけでございます。そこで、本年度はひとつ各市町村が十分これを活用してくれるようにということにつきましてさらに指導をしていきたい、かように存じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/26
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027・原田立
○原田立君 いろいろな事情がおもりだろうと思いますが、この前の長官の御答弁では、「四十二年度は、自治省といたしまして七億円だけ政府債を単独債の中に見込むということにいたしたのでございます。私は、これをさらに明年度は増額をするように努力いたしたいと思っております」「今後いまの七億をさらに増額して、せめて二けたに早くいたしまして、ひとつ別ワクにしてもらうように、これは省内のことでありますから、財政局とも話をしたい、」こういうお話であった。たいへん強い御発言が当時あったと思うのですが、残念ながら二けたいかなかっただろうと思うのですけれども、これはやはり問題じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/27
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028・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点は御指摘のとおり、たいへん努力が実を結びませんで、私も残念に思っておるわけでございますが、実は私どももうかつといえばうかつであったかもしれませんが、それだけのものを見込んでおるということにいたしますれば、市町村のほうからそれに対応した姿勢が出てくるものと期待しておったわけでございますが、現実には、先ほど申し上げましたような事情で、市町村から申請する段階で押えられてしまった、こういうような事情がありましたために消化ができませんでした関係で、やはりこの実績をもとにしていろいろ折衝をいたさなければいけませんでしたので、残念ながら、昨年度より一億ふえたという程度で、私の当初考えておりました二けたまでいきませんでしたことは、まことに残念に思っておるわけでございますが、これはことしはひとつ、昨年のようなことがないように、市町村に十分これを活用してもらうという心組みで現在指導をいたしておりますので、これをまず消化をしてもらって、その上に明年度は二けたに持っていくように努力をいたしたい、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/28
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029・原田立
○原田立君 消防の起債は、ワク外も含めると、四十二年度は幾らぐらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/29
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030・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 四十二年度は四十四億余でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/30
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031・原田立
○原田立君 そのおもな資金の借り入れ先あるいは貸し付け条件等なんかはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/31
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032・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そのうち一番額の大きいのは損保債でございまして、これが四十二年度は二十一億ございました。それから次が市有物件債でございまして、これが十三億余でございます。あと、町村有物件債が四億弱、共済組合債が四億余、こういう状況でございます。
それから貸し付けの条件でございますが、損保債は従来七分二厘でございましたのが、四十二年度から七分に利息を引き下げることになりましたが、償還期限は七年でございます。それから市有物件は六分三厘、償還期限は五年以内、町村有物件は六分三厘で五年、共済資金は七分一厘で十年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/32
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033・原田立
○原田立君 この補助金のついたものには起債は認めないということもあるでしょうけれども、充当率はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/33
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034・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) ものによっていろいろございまするが、総体として見ますと、大体充当率六割くらいかと思います。なお、補助金のついたものは起債を認めないということではございませんで、科学消防施設のように特に早急に政府としても整備してほしいというようなものにつきましては、補助金のつきましたものにつきましても起債を認めることにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/34
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035・原田立
○原田立君 消防の起債について他と比較して十分だと、もうこれ以上ふやす必要はないというような見解もあるように聞いておりますけれども、先ほどからのお話では、もっとふやしたい、努力したいというような意味のお話もありましたけれども、長官としての御見解はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/35
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036・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 私はワクもさらに増額をいたしたいと思います。それから貸し付け条件でございますが、損保債の利率もさらに引き下げるように努力をいたしたい。昨年は二厘引き下げたわけでございますが、できますならば、やはり政府債と同じくらいのところまで引き下げるようにしてほしいということを現在も損保協会に申し入れましていろいろ折衝をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/36
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037・原田立
○原田立君 先ほど、市の提出段階まで至らずに、申し込みが、希望が約二億円くらいあったということですが、そこのところをもう少し詳しく。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/37
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038・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この七億というものが一般単独事業債の中に含まれるわけでございますから、そこで、市町村といたしましては、消防関係のものよりももっと優先的にほかの事業にこの単独債を使いたい、こういうような希望がありまして、それが申請されてきました場合におきましては、これが別ワクで、いわばひもつきみたいなかっこうになっているわけじゃございませんので、それを私どもとして、消防のほうに回さなければいかぬと言って変更させるというようなことができない、こういう事情であったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/38
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039・原田立
○原田立君 二億円しか希望がなかったということですか、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/39
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040・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 自治省のほうに申請が出ましたのは二億程度でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/40
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041・原田立
○原田立君 累積起債現在高は、いまどのくらいですか、消防のほうは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/41
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042・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) いま調べてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/42
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043・原田立
○原田立君 わかったら言ってもらうとして、消防本部及び消防署というのは、いろいろ法律によって責務が課せられているわけでありますが、はたして現在のような体制で十分な責務を遂行できる体制になっているだろうか、これは大きな問題だと思うのですよね。長官としてどうですか、この点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/43
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044・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これはまだ今後さらに人的にも、あるいは物的施設の上におきましても、充実をいたさなければならない、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/44
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045・原田立
○原田立君 その充実しなければいけないということは、私も長官と一致した考え方なんですけれども、一体それはどの場合なんですか。この前の委員会のあれによりますと、計画の約六割、六〇%くらいしか現状はないのだ、これではたして責任ある体制で消防力を強固に発揮していくことができるか、これは基本問題なんですけれども、ただ充実していかなければならないという先の話でなしに、現体制において、長官どうですか、ちゃんと責務はもちろん果たしておられるのだろうと思うのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/45
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046・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 昨年も先生から御質問をいただいたと思っておりますが、消防力の基準と現況を比較いたしますと、最近の取りまとめましたものによりますと、消防ポンプが六二・一%、消防水利が六七・六%というような数字に相なっております。
それから消防職員の充足率でございますが、これは年々増員してまいっておりまするので、四十年五月現在で四二%でございましたが、四十二年の四月現在におきましては四五%になっております。本年度も、先刻申し上げましたようなことでさらに充員をするという計画にいたしておりますので、もう少しこれが上回ってくることになろうかと思います。で、いずれにいたしましても、なおこれから努力をいたさなければならないわけでございますが、ただ、まあ消防力の基準の立て方そのものにつきましては、これも国会で御指摘もございまして、現在なお検討をいたしておりまするので、まあ必ずしもそれと比較をして六〇%台だから、消防として責務が果たせない、こういうような状態ではないと思いまするが、現実にも、年々いわゆる大火というものはもう都市部におきましてはなくなっておりまするし、地方におきましても、非常に少なくなっているわけでございまするし、また、一件当たりの焼損面積などを比較してみましても、相当消防力の充実に伴いまして、そうした成果もあらわれてきておりまするけれども、しかし、まだまだ非常に不十分でございまするので、引き続き努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/46
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047・原田立
○原田立君 この、どの市町村にどの程度の消防力が必要かということは、消防力の基準に照らして一応わかるわけですが、これは別にして、消防署をまず一つ置いたらば、消防ポンプ自動車がどのようなところでも最低一台は必要になるのじゃないですか。それで、この一台の自動車には大体七人くらいが必要な陣容である、場合によっては五人ということもあるでしょうけれども、基本的には七人ということだろうと思うのですね。あるいは、いろいろな事務を処理する必要があるから、これらを考えると、一つの署をつくると、相当な人員が必要になると思うのです。でも、それで、先ほどのポンプ車は六〇%だと、消防職員は三年間かかって三%増の四五%だと、これでは、努力はなさっておられるだろうと思うけれども、お寒いのではないでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/47
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048・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のように、私どももさらに努力をしなければいかぬと、かように思っております。
それから消防本部署の人員でございますが、本部署を指定いたしました場合に、一応交付税で想定しておりますのは、職員が二十七、八名くらいのものを想定いたしておりますが、現実には、二十名程度のもの、あるいはまた、発足当時は二十名を翻るというようなものも従来あったわけでございますが、本年度から指定いたします際に、二年なり三年なりの計画で交付税で想定をしておる程度のものには充員ができるという見通しのあるものにつきまして指定をすると、また、従来ありましたものでその基準にまで達していないものにつきましては、早急にやはり基準まで充足できるようにという指導を積極的にやっていこう、こういうような方針でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/48
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049・原田立
○原田立君 全体の数は消防組織一覧表によってわかるのですけれども、個々の消防署の陣容というのは実際にどうですか。いまのお話ですと、二十七、八人が定数ではあるのだけれども、実際には二十人くらいというのですが、もっとそれよりも小さな消防署ですね、そういうのは非常に多いのじゃないですか、小さいのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/49
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050・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは非常に多いというわけじゃございませんで、まあ毎年三十から四十くらい新しく政令で指定をいたしておりますが、その政令で指定をされました当初の段階、時期におきましては、そういうものがかなりあるわけでございますが、数年たちましたものはそういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/50
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051・原田立
○原田立君 まあ、そんな小さなものはないというはっきりした御答弁だけれども、それはだいじょうぶですか。そうならば私も心配しないわけですけれども、消防白書には、個々のやつは載っかってないし、総体の人数は載っていますから、大体の見当はつくのですけれどもね。実際には、もっとそういう基準に達しないような小さなところが非常に多いのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/51
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052・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この消防署の中で、政令で指定をいたす条件を具備いたしませんもので、任意に消防本部署を置いておるところもございます。そういうところにおきましては、いまの基準を下回っておるものが、これはまあ、ほとんど全部でございます。しかし、まあ政令で指定をいたしますときには、先ほども申し上げましたように、いろいろ計画なり実情なり能力なりをよく調査いたしました上で、大体これは二、三年のうちには基準に到達できるという見通しのあるものを指定するようにいたしておりまするので、経過的には、お話のようなことはございまするが、数一年たちました後にはそのようなものはないと、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/52
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053・原田立
○原田立君 これはちょっとこだわるようですけれどもね。じゃ、はっきりした資料ございますか。あればまた御提出願いたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/53
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054・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 御提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/54
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055・原田立
○原田立君 消防本部及び消防署を置かなければならない市町村数、それは現在どのようになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/55
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056・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 四十二年十二月現在におきまして、六百五十六でございまして、それを今回三十七指定をいたしましたので、これがそれぞれ充足されることになりますれば六百九十三ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/56
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057・原田立
○原田立君 昨年六百九十三ということだけれども、まだそのほかに、もう当然つくらなければならないようなもの、そういうのはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/57
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058・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは私ども、指定の一応の基準といたしましては、市街地人口が一万人以上で総人口が約三万人程度のものというのを一つの基準にいたしております。
それから、なお、北陸、東北、北海道の日本海側でございますが、いわゆるフェーン現象地帯というようなところにおきましては、ただいまの人口要件を若干下回るものも、これを対象にするというような方針をとっておりまして、大体そういう条件に達しておりますところで、地元の市町村で相当な熱意を持って希望をいたしておるというものにつきましては、ほとんど指定をいたしております。
それから、まあ、そのほか、そういう条件と別に、いわゆる観光地でございますが、これは国勢調査による人口は非常に少ないものでございましても、御承知のように、相当な観光客が入り込んでおるわけでございまするから、そういうところにつきましては、特に最近の状況にもかんがみまして、なるべく優先的に指定をしていこうというような方針をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/58
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059・原田立
○原田立君 その六百五十六の内訳を聞きたいと思うんですけれども、現在まず、市は五百六十二あると、そのうち五百八指定になっているというように理解しているんですけれども、この五百八は、この三十七、今回新しく指定をふやした場合には幾つになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/59
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060・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 今回指定をいたしましたものを加えますと、市で指定になりますものが五百五十ございます。あと残りが十四ございます。この十四につきましては、私どもとしては、市である以上は消防本部署を持つというようになるべくいたしたいと、かように思っておりまするが、最近人口がどんどん減少して、なお市でありましてもすでに人口が三万を切っておるというようなところで、地元におきましても、いますぐに消防署を持つ必要もないというような、あまり希望がまあ出てきていないところでございまして、希望がありましたところはほとんど今回までで指定をいたしたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/60
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061・原田立
○原田立君 人口急減地帯で申し出がなかったというような意味の御説明があったけれども、まあ、それでも市の、市という体面を保っていく上においては、それはなければいけないんじゃないでしょうか。去年の当委員会のときにも、これは全部市というのは指定すべきじゃないかというような意見も申し上げたし、あるいはまた、いまの長官のお話しになった中の、温泉地や何かですね、そういうところなんかももっとふやすべきじゃないかというような意見を申し上げたところ、そういうようなことは法律の上でわざわざ規定をいたさぬでも、明年度は残った市については全部消防本部署を設置することについて財政局と話し合いがついている、法律の上にわざわざぎらぎら書くのはよしてくれ、こういうような話があったと、こういう説明があったのですけれどもね。そこまで仰せになっていたのだから、当然、人口急減地帯とか急激の市とかなんとか、そういうことは言わないで、もうことしあたりは全部すぱっとできている、こうなっていなければいけないのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/61
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062・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) ただいま仰せになりましたように、まさにそのように私どもも考えておったわけでございまするし、今回は、残っている市は全部ひとつ指定をするというような心組みでおったわけでございますが、やはりいろいろ地元のほうの事情もございまするので、地元のほうで受け入れ態勢が固まっておりませんのに、一方的に政令で指定をいたしますことも、これもあまり荒療治過ぎる、かように考えましたので、今回は希望のあるところだけということにいたしたわけでございますが、方針といたしましては、先生のおっしゃいましたような方針で、市には、なるべく早く全部消防本部署を置かせるというようなことでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/62
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063・原田立
○原田立君 いま長官、荒療治ということを言ったけれども、これは実際問題、火事もなければ一番けっこうな話なんですが、ない段階においてはこんな無用の長物はないなんと言われるかもしれないけれども、もし、あった場合にはたいへんな問題になるわけです。それは荒療治でも何でもないのです。市のような体面を保っているところくらいは、当然あるのが普通じゃないでしょうか。申し入れがなくても、必要なものは法律によって義務づけたり、それができるような財政措置を講じたり、そういうようなことをして、大いに推進していく、そういう努力が必要だと思うのですよ。いま私がお聞きしているのは、二つ意味があるのですけれども、それは義務づけるべきじゃないか、そうしたならば、それについての財政措置を国は講ずべきじゃないか、この二つの話で申し上げているのですが、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/63
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064・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 先ほども申し上げましたように、市につきましては、私どもも早急にひとつ義務づけるように持っていきたいと思っておりますので、本年一斉に指定ができませんでしたことは残念に思いまするが、ひとつ明年度はそういうことになりますように努力をしたいと思っております。
それから指定されました場合には、交付税でもってそれ相応の措置をするということは、従来もやってまいりましたし、今後もその方針でございます。
それから希望のなかったというところにつきましては、ひとつ個々にさらに事情を調査をいたしまして、先生の仰せのとおりに、私どものほうから、地元に熱意がない場合もこちらから積極的に進めるような形でこの点は努力をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/64
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065・原田立
○原田立君 さっきから何度もいろいろ言っているわけですけれども、政令で指定した以上は、消防力の基準に適合するような消防力を持つように義務づける、これは当然なことだと思うのだけれども、義務づけるのだけれども、実際にはなかなかそこまでよういっていないというようなのが実情じゃないかと思うのですけれども、その点どのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/65
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066・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 従来は、基準まで確実にどういう計画でいくかということにつきましては、それほど厳格に指定の際に検討はいたしていなかったのでございますが、先生のおっしゃいますようなことを私どもも考えまして、指定をした以上は基準どおりの内容の実力をひとつ持たせるようにしなければいかぬ、そしてまた、法律によってそれに応じた権限を持つわけでございまするから、まあ、そういうふうに考えて、本年度は指定に先立ちまして、個々の市町村に計画を出させまして、そして二年なり三年なりの年次計画で基準どおりのものを用意をするという見通しのありますものだけを指定するというような方針をとったわけでございまして、その点は御指摘のような考え方で今後も対処をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/66
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067・原田立
○原田立君 まあ今後二、三年計画を立ててそこまで達するように指導をしていきたいということですが、政令で指定する場合ですね、中身はこうこうこういうふうにしろと、あるいは人員はこれだけだと、機械はこれだけだと、その他の施設についてはこうだと、こういうふうな指定の基準要領というんですかね、そういうのはおありなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/67
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068・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) それは内規でございまするが、私どもの方針として持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/68
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069・原田立
○原田立君 そこら辺ですね、まあ内規も法律と同じように効果は発揮するんだろうと思うんだけれどもね、内規だなんていうんでなしに、もっとはっきり打ち出すべきじゃないですか。内規ぐらいにとどめておかないでね、指定した以上は最低これだけのものは備えるべきであるというように、はっきりと義務づけていく、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/69
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070・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点は私もそんな方向で考えたいと思いますが、ただ、法令ではっきりと義務づけてしまうということにつきましては、もう少し検討をしなければならぬ点があるんじゃなかろうか。まあ消防署としての最低規模と申しますか、適正規模と申しますか、それにはどの程度の人員、どの程度の機材を持ってやらなければならぬかということにつきましても、もう少し検討する必要があるんじゃないか。まあ一応の基準といたしましては、先ほど申しましたように、交付税の算定の上にもございまするし、それからまあ消防力の基準としても参考となるものはあるわけでございますが、まあ、それらを考えながら、実際の指導の方針として、都道府県の課長会議の席等を通じて指導をしておるというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/70
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071・原田立
○原田立君 もちろん、消防は市町村でしっかりやるようにというように自主的にきまっておるわけですから、それをあんまりおかすような押しつけがましいことは、これはあっちゃならぬと思うけれども、と言ってそれをゆるやかにしていたのでは、消防力の強化というものにはならないだろうし、まあ、そういう点、私どもどうかなという気持ちもしないでもないんですけれども、いつも大きな火事が発生したそのあとにですね、火事が起きるたんびに、要するに、事故が起きるたんびに、消防力の貧弱さということを指摘される。これでは、そういうふうな姿勢では後手後手に回って、日本の消防力は強化されない。それよりもいま一歩前進した、市町村の自覚にまつというぐらいなことばになるかもしれませんけれども、そういうようなところですね、それは強力な指導はなさっておられるんだろうと思いますけれども、お考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/71
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072・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点、私も同感でございます。消防本部署に指定されますというと、消防法の規定によりまして、たとえば危険物関係の責任も持つということになるわけでございまするから、それに必要な専門の職員も置かなければならないし、相当な施設も機材も持たなければならぬ、こういうことになるわけでございまするから、そこの点は、従来よりも厳重にと申しますか、指定の際に相当基準に近い条件が具備される見通しの立たないものについては、軽々に指定をしていくということのないように、まあ指導の上でさらに留意をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/72
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073・原田立
○原田立君 市町村消防費の基準財政需要額は人口制定単位としてありますけれども、人口が少なくて地域が広いようなところ、岩手県みたいなところですね。これはただ人口だけでやったのでは、非常に貧弱な消防力になるんじゃないか。一部には、白書などでもこの問題に触れておりますし、一部では要望もいたしますし、そういう点、どういうふうにいまお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/73
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074・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そういうような希望のありますことも私どもも承知はいたしておりますけれども、一体それじゃどの程度の補正を加えたらいいかという必要なデータと申しますか、そういうものがまだそろっておりませんので、これは一つの研究課題といたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/74
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075・原田立
○原田立君 去年——おととしの白書だったかな、それでも研究課題と言っているし、いまこの段階でもまだ研究課題ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/75
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076・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/76
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077・原田立
○原田立君 ずいぶん長いじゃないですか。それはもうそろそろめどくらい出してやらなければいけないじゃないですか。委員会用の答弁じゃなしに、もう実際のところどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/77
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078・山田滋
○説明員(山田滋君) 面積要素を算定の基礎に入れるということは、これは非常に北海道、東北地方等に強い要望がございまして、実は私ども内部でも検討をいたしておりますし、それから財政局では特にいろいろデータをとりまして計画の研究をしておりますけれども、私どもは強く要望しておりますが、まだ最終的に確固とした方針が立たない状況でございます。財政局としては、実情わかるけれども、特に面積の要素に応じまして需要が伸びていくという確証がまだ得られない。私どもから申しましても、なかなかはっきりとまだ方針を打ち出しかねておる状況であります。そういう点につきましては、特に私どもも、消防力の基準が現在の実情から比べますというと、若干手直しを要する点もございまして、そういう消防力の基準の再検討とあわせまして、そういう面積の要素を、財政的な裏づけができるようにさらに検討を進めたいと思います。財政局自身もう少し実証的な資料を集めるように、これは努力を怠っているわけではございません。時間が延びましたけれども、そういう気持ちでやっております。もうしばらくお待ちいただきたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/78
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079・原田立
○原田立君 これは一時、過密問題、過疎問題等と関連して大きなやはり問題だと思うのですけれども、いまのは過疎的なところに当てはまることだと思うのですが、じゃ逆に過密都市ですね、過密都市なんかの場合、いわゆる人口急増市町村に対する財政需要に、はたして今日適合しているかどうか。四十三年度と四十二年度と同様な算入のしかたでやっていくのかどうか。いまたいへん人口移動が激しいときでもありますし、そういう人口急増市町村ですね、これに対しては四十三年度も四十二年度と同じ方針でやるということですか、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/79
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080・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点も検討はいたしておりまするけれども、四十三年度は四十二年度と同様な方針で考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/80
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081・原田立
○原田立君 それは、なかなか中身を変えるということはむずかしい問題だろうと思いますけれどもね。そんなちょっとこう頭のかたい考えで事なかれ主義でやるのはいけないのじゃないですかね。文教施設なんかについてはたくさん要望があるわけですけれども、この消防のほうでは、そういう要望などはほとんどないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/81
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082・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 過密地帯全体としての要望というものは、それほど伺っておりません。ただ、私どもこれは何とか早急に結論を出さなければいかぬと思っておりますのは、観光地所在の市町村でございますが、そこの財政需要というものをもう少し特別に見てほしいと、こういう要望はかなり強く承っておりまするし、その点はただいま検討をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/82
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083・原田立
○原田立君 文教関係なんかは、実際に人口がふえる、子供がふえる。校舎をふやしてくれ、何やつてくれというふうになかなかたいへんな要望のしかたが強いし、また一面、火事は少なくなったから要望は少ないというようなことは、それは当たらないのじゃないでしょうか。過密都市においてこそ、もし火事が発生すれば、これは大事故になっていくことでもありますし、その要望がないというのは、ちょっとあまり合点がいかないのですけれども、そうすると、要望がないから、じゃ四十三年度も四十二年度と同じようにやると、こういうふうに方針は消防庁としてはきまっておると、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/83
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084・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 過密都市の問題は、ひとり消防費だけでございませんで、いろいろな行政費につきまして特別な補正の要望が全般的なものとしてはあるわけでございまして、そういうものにつきましては、密度補正等で相当考慮も従来からされてきておりまするので、総体として見ますと、大都市につきましては、消防費につきましても、他と比べまして相当な額が計上されておるわけでございまするから、特にこの消防についてだけ大都市について特別な補正をしようというようなことは、私ども聞いていないと、かように申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/84
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085・原田立
○原田立君 聞いていないからやらないということですか。そうでなしに、私が言うのは、そういう過密都市の消防こそ、もっと消防庁先頭に立って意欲的に充実をはかるような、そういう方向に進むべきだと、全体としてはあるけれども、個々についてはないからようやらぬというような、こんなふうな御意見に聞こえるわけなんですけれども、それでは消極的じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/85
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086・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 大都市におきまする消防力の充実強化につきましては、特に科学消防力の充実に私どもとしては力を入れてまいっております。そういう点からいたしまして、化学車でございますとか、あるいは、はしご車でございますとか、あるいは海に面したところにつきましては、消防艇でございますとか、それからまた、東京都だけでございますが、ヘリコプターも四十三年度には一機追加することにいたしておりますが、そういういわゆる科学消防力を他の都市と違って一段と充実をはかっていかなければならぬ、かように考えまして、国の補助金の配分等につきましては、それは十分考慮をいたしておりますが、ただ、一般財源の措置といたしまして、基準財政需要額の上におきましては、特に消防だけということなくして、全般的な大都市に対する補正の措置で、相当実情に合うように措置がなされておるように思いまするので、特に四十三年度におきまして消防費について格別な配慮はいたさなかったという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/86
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087・原田立
○原田立君 昨年の改正で救急業務の一部を都道府県で行なうということで、いろいろ議論が行なわれたわけでありますけれども、市町村消防のたてまえから、知事の要請やら都道府県がみずから行なう場合は万やむを得ない場合に限るべきだということであったのですが、その後の実施状況等はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/87
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088・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その後、各市町村あるいは府県から、高速道路あるいは国道につきまして救急業務をどういうようなやり方をしていくかということにつきまして、実情を聴取をいたしております。で、各地方団体におきましても、この問題につきまして隣接の市町村と協議会をつくるなどいたしまして、寄り寄り協議が進んでまいっております。たとえば東名高速道路、中央高速道路が一部開通になるわけでございますが、その沿道の地方団体でどういうような方式でこの救急業務を実施していくかというようなことも、だんだんと話し合いが煮詰まってきている状況でございます。全般的に申しますと、まだ関係地方公共団体におきまして、いろいろと相談をしておる段階でございまして、この法律の改正規定によりまして政令指定してほしいというような希望は、現在ごくわずかしかまだ来ておりません。そこで、まあ附帯決議の御趣旨もございまするので、なるべくひとつ関係市町村で協力をして処理ができるところは処理をさせるようにということで指導をいたしておりますが、どうしても関係市町村だけでは力が及ばない、やはり府県がやったほうがいいというようなところにつきましては、適当な機会に政令指定をいたすということで、現在そうした準備の相談をいたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/88
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089・原田立
○原田立君 いまの長官のお話の中で、少し申し出があったというようなことで、そんな説明があったと思うのですけれども、どことどこなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/89
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090・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これもまだ正式な申し出と申しますか、相談的なお話でございますが、たとえば宮城県におきまして二、三カ所、県でやるようにしてみたらどうかというような御相談を受けております。それから滋賀県でも県でやるか、あるいは県でやらない場合には関係市町村とどんなふうなやり方をしたらいいだろうかというようなことで、いま私どもの担当の課のほうに相談が来ております。まあ、そんな状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/90
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091・原田立
○原田立君 交付税で見ている都道府県の消防費について、その概要を御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/91
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092・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 都道府県におきましては、御承知のように、消防関係の事務が少ないわけでございまするから、総体として額も少のうございますが、特に四十三年度におきましては、消防学校職員を二名増員をいたすことにいたしております。それから、この消防学校の経費でございますが、これが講師謝礼あるいは教材費等が従来より若干増額をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/92
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093・原田立
○原田立君 白書の中に、「市町村消防施設に対する都道府県の補助金は国の補助金の不足を補てんすることとなるが、地方交付税で措置されていることから未実施団体は補助金予算の確保に一層努力することが必要であろう。」と、こういう一節が載っているんです。内容がどういうことか、少し具体的に御説明ください。——もしあれだったら、さがしておいてもらって、あとでまた返事してください。
市街地等級化に関する事項は、本年四月一日から施行になったわけでありますけれども、本年度の当局側の予定として、自治省が指導したり報告を受けているものとしては、どの程度実施される予定なのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/93
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094・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 都市等級の事務でございますが、これは従来からずっとやっておったものでございます。ただ、昨年の法律改正におきまして、一般の市町村に関するものはわざわざ消防庁でやらないでも都道府県にやらしたほうがいいじゃないかということで、都道府県に事務移譲をすることにいたしまして、これが本年度から施行になったわけでございますが、この施行するに際しまして、消防庁長官が指定するものは、これは消防庁で直接やると、そのほかのものは都道府県にやらせると、こういう振り分けをするわけでございますが、その私どもの指定は大都市と、それから各府県の県庁所在地の市、これは消防庁自身でやる、そのほかの市町村に関するものは都道府県に移譲する、こういうようなことにいたしました。それからなお、この都道府県で実施をさせるにつきましては、従来の都市等級のやり方が相当繁雑なやり方をいたしておりましたので、もう少し簡素化した形のことにしてみたらどうかというので、現在私どもの内部で、関係の学識経験者の御意見も伺いながらこの検討をいたしておるところでございます。そこで、都道府県には、その結論が出て追って指示するまでは、ひとつ都市等級については手をつけないでしばらく待っておってくれ、こういうようなことを言うておる状況でございますので、本年度直ちに手をつけたという府県は現在ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/94
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095・原田立
○原田立君 そうすると、百六十五市にきめられていたというように私、記憶しているんですけれども、じゃ、それ以上ふえないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/95
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096・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/96
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097・原田立
○原田立君 これなどはもっとしっかり消防力を、消防自体の自覚をさせるという意味から言っても、こういう指定といいますか、指導といいますか、そういうようなのはいろいろな事情がおありだろうと思うけれども、もう少し早く作業をしてもいいのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/97
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098・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 私もそのように思います。ただ、従来作業がおくれておりましたのは、この都市等級のやり方が相当複雑な方式で点数を計算をいたしまして等級をきめておりましたので、そう毎年多数の都市について行なうということができない状況であったのであります。そこで、そんなにゆっくりやっておったんじゃ、ただいま御指摘のように、都市における消防施設の改善の資料ということにもなりませんので、そこで、昨年の改正で、一般の都市に関するものは府県に移譲をして、しかも、その府県がもっと早くやれるように、やり方も簡素化したものにしよう、そして府県でやらせるようにしよう、とういう考え方で、先ほど申しましたように、いま都市等級の従来の方式につきまして検討をしておる、こういう状況でございまして、この検討もここ二、三カ月のうちに結論を出して、その新しい簡素化したやり方でひとつ府県にこれからピッチを上げてやってもらおう、こういう考え方でおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/98
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099・原田立
○原田立君 おもに財政的な面でお伺いしたわけですけれども、まあ本年度、基準財政需要額一千四億ですか、というふうにまで伸びたと。約三百五十億ぐらいふえるのですが、そういう面では一応その努力を多とするような感じもしないわけじゃないのですけれども、いろいろずっと御答弁お伺いしておりますと、やや消防庁は消防力を強化するためについては、微温的な態度じゃないか、消極的じゃないかと、こんなふうな感じがするのですが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/99
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100・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) まあ私どもの心がまえとしては、決して微温的ではございませんで、大いに躍進をさせようという心組みでおるわけでございまするが、まあ微力でございまして、まだ御期待に沿い得ない点がございますことは、まことに申しわけないと思いますが、ひとつ御鞭撻にこたえますように一そう明年度は努力をしてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/100
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101・鈴木壽
○鈴木壽君 いま原田さんとの質疑応答の中におきまして、これは政務次官にひとつお聞きしておきたいことなんですがね、まあ財政上の問題、交付税の算定の問題ですね、まあ、さっき出た過疎対策、過密対策の際の消防のそれをどう見るかということが一つ問題になっておったんですがね。そこで、これはいまの交付税の算定のしかたなり、特に測定単位をどうするかという問題になると、なかなか消防だけでいろいろ意見を持って、あるいは要望したにしても、解決のできない問題ですよね。財政当局に対してひとついま出た意見、あるいは、お答えになったような、そういうことで十分考えてやってもらいたいということを、次官からひとつおっしゃっていただきたいと思いますがね。たとえば過疎対策と言っていろいろ交付税で見ております。それから過密対策と言っていろいろ見ております。しかし、その場合に、当然過密なら過密という立場でどうやっていったらいいかというようなときに、いろんな投資的経費もかかるだろうとか、あるいは清掃関係にも金がかかるとか、いろいろなことで若干見ておりますが、やっぱり消防というふうなことになると、ちょっとすぐ取り上げてもらえないのですよ。逆に過疎対策の場合でも、農業関係の費用をどうしろとかというようなことをやり、それからまた、補正するにしても、人口の面だけで、従来の人口と変わらないものについて見ていきましょうとかということだけで、具体的に過疎地帯における、何といいますか、消防力あるいは消防施設、こういうものに対して一体どう見ていったらいいかということをちょっと忘れておるのじゃないかと思うのです。したがって、いますぐ測定単位を人口ともう一つ面積も加えろと言っても、これはいまのたてまえ上なかなか簡単にはいかないでしょう、さっき課長さんがおっしゃったように。しかし、また、補正等の場合に、いろいろいま言った消防力の充実のための財政的な問題ということを考えていく場合に、やらなければいけないことが確かにあると思うのですね。いますぐ面積でどうせいと言っても、なかなかきちっとしたものは出てこないでしょうけれども、しかし、面積が広いが人口が少ない。しかし、面積が広いことによって、消防力は人口だけで考えていいかというと、そうじゃないのですから、現実の問題としては。ですから、そういうところについての補正のしかたなり、いわゆる過疎対策としてのやり方の中に、十分いまのような要素も加味して取り入れていくという余地は私はあると思うのですよ。ですから、くどいようですが、ひとつ要望として、政務次官、ただ消防との間のやりとりのそれとしてお聞きにならないで、交付税制度全般、あるいは、その他の問題もありますけれども、そういう面でひとつ十分考えていってもらえるように、御指示と言っちゃおかしいけれども、内部検討を十分前向きでやっていくというようなことで、ひとつ次官に働いていただきたい、こういうのが私の要望です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/101
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102・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 全くおっしゃるとおりだと思います。先ほど来原田先生からの御指摘も、私ども地方財政全体の立場からいろいろ伺ってまいっておったわけでございます。いまも鈴木先生から御指摘がございましたように、また、先ほど来の質疑応答の中にもございますように、私ども長年国会に出まして以来、ずっと災害の問題に取り組んでまいっておりますが、どうも大火があると、いやたいへんだ、やれ消防力が足りない、何が足りない、こう言うのでございますけれども、何といいますか、災害が遠のいたということになると、あと回しになる。過密過疎対策でも、一般的な過密過疎という中で、学校の問題なんかは先ほども御指摘がございましたように、現実に学童がふえる、足りないからすぐ何とかしなければいかぬ、こういうことでございますが、地方自治体自体が消防について、うっかりすると置き去りにしていく。ほかの火がついている問題を先にするという傾向がなきにしもあらず、かように思います。また、私どもの本省の立場といたしましても、どうも、えてしてそういうふうになりがちである、これは日本の全体の姿勢、防災体制というものの強化という点について、私はいろんな基本的な点で欠けておる点が多いのじゃないかということをかねがね感じておるわけでございまして、そういう点から、いまの御指摘、全くそのとおりでございまして、交付税の一つ一つの項目で考えるということについても、先ほど来お話がございましたが、これも考えていかなくちゃいかぬし、また、全体といたしまして、これは単に交付税の過密対策、過疎対策、いわば傾斜配分、こういうふうな程度の問題でない、税制も含めて考えなければいけません。そういう際に、やはり防災という問題、消防というものを強く考えなければならぬと思いますので、御趣旨のように私どものほうからも、省議のときにも十分申しまして、財政、税制全体を通じて、消防というような点について、いつでも目をはなさないで積極的にやってまいるというようにやらせていただきたい、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/102
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103・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど原田先生から御質問がございました点、調べがつきましたので申し上げます。
現在高でございますが、損保債は四十三年の三月三十一日現在で七十五億余ございます。それから市有物件債でございますが、これが約三十五億ございます。若干その他のものがございますので、大体百二十億前後だろうと思います。
それから都道府県の消防費につきまして、消防白書の文言を御引用になられました部分でございますが、このところは、都道府県が市町村の消防施設に対しまして補助金を出しているところが相当あるわけでございまして、これは国の補助金に対しまして、さらに実情に応じて都道府県がその不足を補てんするということはけっこうなことでございまするので、地方交付税の中で標準団体につきましては、百万円を計上してあるわけでございますので、私どもとしては、これを都道府県において十分ひとつ活用してほしい、こういう指導をいたしておるわけでございますが、実情はまだ全国で十県程度はそれをやっていないところもあるようでございます。しかし、だんだんとこの点はふえてまいっておりますので、最近の調べはございませんが、おそらく十県程度よりさらに夫実施のところが少なくなっておるんじゃないかと思いますが、その点につきまして、私どもとしても一そう努力をする、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/103
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104・原田立
○原田立君 いまの問題は大体わかりましたけれども、長官、先ほど朝日の「天声人語」のところを引用してちょっとお話ししたんですけれども、この中の一番おしまいのところに、五月の初めのゴールデンウイークにはまた悲劇が起こるかもしれないというような指摘が実は載っかっておるわけですけれども、この五月上旬のゴールデンウイークに対して何か消防庁としていろいろな御指示等はなさるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/104
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105・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては、四月十日付で私どものほうからは都道府県知事あてに、ビル火災における避難対策について通達を出しております。この通達の趣旨は、先般三月上旬に相次いでビル火災がありまして、相当な死傷者を出したわけでございますが、その状況をも考えまして、五月の行楽シーズンの前に、この際、特に観光地における旅館、ホテル等の施設における避難対策、あるいは防火管理体制というものについて、遺憾のないようにいたさなければいかぬ、こういうような趣旨で通達を出したわけでございますが、その内容は特に観光地における旅館、ホテル等につきまして、一応五月中を目途に予防査察を一斉に実施してほしい、その予防査察の対象は、避難経路が確保されておって、非常口が使用できる状態になっているかどうか、あるいはまた、避難階段における防火区画の設置が完全であるかどうか、あるいは誘導灯、誘導標識とか非常警報設備であるとか、防火戸、防火シャッターが有効に作動するようになっているかどうか、そういうような避難を中心にいたしました事項が法令どおりに確実に実行されているかどうかということの点検をやってほしいということが一点でございます。
それから第二点は、防火管理者の指導でございますが、最近のビル火災を見ますというと、先般の湯河原のホテルなどは、防火管理者を置いてなかった、あるいはまた、池袋のブロンズの火災など見ますと、防火管理者に欠員ができて、あと選任がまだできていなかったというような事例が相当あるわけでございまするので、この際、防火管理者を確実に選任をして、そして防火管理者について、最近のビル火災の事例と、その問題点等を中心といたしまして、講習会をひとつやるようにしてほしい、そして避難計画をさらに再検討して必要な訓練をやるというようなことをやってほしいという内容のものでございます。
そういうことで、何とか、この五月の観光シーズンにおきましては、不幸な事例が起こることを防止するように、私どもとしても十分ひとつ指導してまいりたいと、かように思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/105
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106・鈴木壽
○鈴木壽君 長官、いま消防白書の話にちょっと触れておったのですが、消防白書にね、これからも新しいやつが出ると思いますが、消防力のところで、いろいろありますね、そして全国的にポンプが幾らあるとか、いろいろなこと、人員の問題から、いろいろありますがね、ひとつ本文でなくとも、資料みたいな、付録みたいなものでもいいのだが、指定した団体の消防力の基準に照らして一体現況がどうだ、いまの時点ではこうなっているのだというものでもやったらうんと私はいいと思うのですが、少なくとも、指定された都市の消防力の現況を、機材なり人員なり、いろいろな体制の面で消防力の基準というものがあってそれを示しているのですから、それで一体現況はどうなんだというようなものでもあれば、これはうんと私いいと思うのですが、場合によっては、あげられて迷惑だというところもあるかもしれませんけれども、そういうものが消防力の増強とかなんとか、あるいは基準を示してやっておりますけれども、一体どうなっているのかということもわからぬし、全国的な数字ではありますけれども、具体的に個々の団体においてどうなっておるのかということもわかりませんし、いま言ったようなことを、どうでしょう、考えていられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/106
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107・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) まことに適切な御意見でございまするので、次年度のものをつくります際には、ひとつ十分御意見取り入れるように検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/107
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108・津島文治
○委員長(津島文治君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/108
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109・津島文治
○委員長(津島文治君) 参考人の出席要求についておはかりいたします。
消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の審査のため、四月二十三日参考人の出席を求めることとし、その人選につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/109
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110・津島文治
○委員長(津島文治君) 御異議ないと認め、さよう決します。
次回は四月二十三日午前十時三十分開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105814720X01119680418/110
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