1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和六十年十二月五日(木曜日)
午後零時三十三分開会
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 岩崎 純三君
理 事
大浜 方栄君
佐々木 満君
高杉 廸忠君
中野 鉄造君
委 員
石井 道子君
遠藤 政夫君
関口 恵造君
田中 正巳君
前島英三郎君
森下 泰君
糸久八重子君
浜本 万三君
和田 静夫君
中西 珠子君
佐藤 昭夫君
藤井 恒男君
下村 泰君
衆議院議員
社会労働委員長 戸井田三郎君
修正案提出者 稲垣 実男君
国務大臣
厚 生 大 臣 増岡 博之君
政府委員
厚生大臣官房長 下村 健君
厚生大臣官房審
議官 内藤 洌君
厚生省健康政策
局長 竹中 浩治君
厚生省生活衛生
局長 北川 定謙君
事務局側
常任委員会専門
員 此村 友一君
—————————————
本日の会議に付した案件
○医療法の一部を改正する法律案(第百一回国会
内閣提出、第百三回国会衆議院送付)
○下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合
理化に関する特別措置法の一部を改正する法律
案(衆議院提出)
○連合審査会に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/0
-
001・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。増岡厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/1
-
002・増岡博之
○国務大臣(増岡博之君) ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現行医療法は、昭和二十三年に我が国医療の基本法として制定されて以来、医療体制の充実を通じ、国民医療の確保、向上に大きな役割を果たしてまいりました。
しかしながら、我が国の医療体制については、病床の増加等量的には相当程度の整備が行われてきた反面、病院、診療所などの医療資源が地域的に偏在している、あるいは、医療施設相互の機能の連係が十分でないといった指摘が、かねてよりなされているところであります。また、近年の一部医療機関における不祥事は、医療に対する国民の信頼を揺るがしておりますが、これを回復するためにも、制度の改革が強く望まれております。
殊に、本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、医療需要は、今後ますます増大し、かつ、多様化していくことが予想されるところであります。二十一世紀を目指すこれからの医療は、このような状況を念頭に置いて、医療資源の効率的活用を図りつつ、人口の高齢化、医学医術の進歩、疾病構造の変化に対応して、国民に対し適正な医療をあまねく確保していくものでなければならないと考えます。そのためには、病院、診療所のあり方等を含め、医療制度について見直しを行い、時代に即応した制度の改革を図っていくことが必要であります。
このような観点に立った見直しの第一歩として、都道府県ごとに医療計画を策定して地域における体系立った医療体制の実現を目指すとともに、医療法人の適正な運営を確保すべく、医療法の一部を改正する法律案を第九十八回国会に提出し、御審議を煩わしたのでありますが、第百回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。
しかしながら、医療制度の見直しは、本格的な高齢化社会において、すべての国民が適正な医療を受けることができるようにするための基盤づくりとして、極めて重要なものであることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、医療法の目的を、病院、診療所等の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することとしたことであります。
第二は、医療計画についてであります。
医療計画は、都道府県がこれを作成し、対象となる区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるものとするほか、病院の整備の目標、医療施設相互の機能の連係、医師、歯科医師等医療従事者の確保その他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項を定めることができるものとしております。
この医療計画の策定を通じて、地域における各種医療機関の役割を明確にし、その機能の連係強化を図ることによって、地域の医療需要に沿った医療体制の確立を目指していきたいと考えます。
医療計画の達成の推進のための措置といたしましては、国及び地方公共団体は、病院等の不足地域におけるその整備等必要な措置を講ずるように努めるとともに、病院の開設者等は、その建物、設備等を病院に勤務しない医師、歯科医師に利用させる、いわゆる病院の開放化に努めるものとしております。
さらに、都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者等に対し、病院の開設その他必要な事項に関して勧告することができることとし、これにより病床の適正な配置を図ることとしております。
第三は、医療法人の運営の適正を確保するための指導監督規定等の整備についてであります。
まず、医療法人の役員に関し、理事及び監事の定数並びに欠格事由を定めることとしております。また、都道府県知事の認可を受けた場合を除き、医療法人の開設する病院または診療所の管理者はすべて理事に加えることとするとともに、その理事長は医師または歯科医師である理事のうちから選出することとしております。
次に、都道府県知事は、医療法人の業務または会計が法令に違反している疑いがあると認める等の場合には、医療法人の事務所に対する立入検査を行うことができることとするとともに、このような違反等の事実が判明した場合には、必要な措
置をとるべき旨を命じ、その命令に従わないときは、業務停止命令または役員の解任の勧告を行うことができることとしております。
最後に、この法律の施行については、医療法人に関する規定は公布の日から起算して六カ月を経過した日から、医療計画に関する規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から、それぞれ施行することとしております。
なお、衆議院において、医師または歯科医師が常時一人または二人勤務する診療所についても、医療法人の設立を認めるものとすること、その他所要の修正が行われております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/2
-
003・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) この際、本案に対する衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員稲垣実男君から説明を聴取いたします。稲垣実男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/3
-
004・稲垣実男
○衆議院議員(稲垣実男君) 医療法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。
修正の要旨は、第一に、医療計画については、区域の設定に関し、「高度又は特殊な医療」を「特殊な医療」に改めるとともに、任意的記載事項の例示のうち、病院の整備の目標に関する事項は、「病院の機能を考慮した整備の目標」を定めるものとすること。
第二に、医療計画に定めることができる事項として、僻地医療、休日及び夜間診療等の救急医療の確保に関する事項を明記するとともに、機能及び業務の連係に関する事項の関係施設として薬局その他の関係施設を追加すること。
第三に、都道府県は、医療に関する専門的、科学的知見に基づいて医療計画の案を作成するため、診療または調剤に関する学識経験者の団体の意見を聞くものとされているが、この意見を聞かなければならない旨を法文上明確にすること。
第四に、医療計画の策定に当たって密接な連係を図るよう努めるべき関連施策として、薬事・社会福祉に関する施策を例示するとともに、病院の開設者等は、当該病院の建物等を、その病院に勤務しない薬剤師の研究または研修のためにも利用させるように努めるものとすること。
第五に、都道府県知事が、医療計画の達成の推進のため、病院の開設者等に対して勧告することができる事項は、病院の開設または病院の病床数の増加もしくは病床の種別の変更である旨を法文上明確にすること。
第六に、医師または歯科医師が常時一人または二人勤務する診療所についても、医療法人の設立を認めるものとするとともに、医療法人の理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、三人未満の理事で足りるものとすること。
第七に、医療法人の資産要件を明確化することとし、資産要件に関し必要な事項は、その開設する医療機関の規模等に応じ、厚生省令で定めるとともに、医療法人の会計年度について、定款または寄附行為で別段の定めをすることができるものとすること。
第八に、都道府県知事が医療法人に対し、業務の停止を命じ、役員の解任を勧告し、または設立の認可を取り消すに当たっては、あらかじめ都道府県医療審議会の意見を聞かなければならないものとすること。
第九に、医療法人のうち、二以上の都道府県において、病院または診療所を開設しようとするものの設立等に当たっては、厚生大臣の認可を受けなければならないこと等とすること。
第十に、政府は、今後の人口動向、医学医術の進歩の推移等を勘案し、病院及び診療所のあり方を含め、医療を提供する体制に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。
第十一に、政府は、今後の医療の需要に対応した医師、歯科医師及び薬剤師の養成のあり方に関し、速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
第十二に。政府は、地域における適正な医療を確保するために医業機関が果たしている社会的役割の重要性にかんがみ、医業経営基盤の安定及び業務の円滑な継続ができるようにするための必要な措置を講ずるものとすること。
以上であります。
何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/4
-
005・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) 次に、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提出者衆議院社会労働委員長戸井田三郎君から趣旨説明を聴取いたします。戸井田三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/5
-
006・戸井田三郎
○衆議院議員(戸井田三郎君) ただいま議題となりました下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
御承知のとおり、昭和五十年には、一般廃棄物処理業者等が下水道の整備等により受ける著しい影響を緩和するため、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法が制定され今日に至ったわけでありますが、これまでこの法律に基づく合理化事業計画を定めた市町村はなく、一部の市町村において、転廃業を余儀なくされる一般廃棄物処理業者等に対し、事実上の措置として、交付金の交付等を行っているという実情にあります。
このため、本案は、市町村におけるこれまでの事実上の措置が、合理化事業計画に基づくものとして実施しやすくなるよう、同計画に定める事項として、業務の縮小または廃止を余儀なくされる一般廃棄物処理業等を行う者に対する資金上の措置に関する事項を加えようとするものであります。
以上が本案の提案理由及び内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/6
-
007・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。
—————————————
両案に対する質疑は後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/7
-
008・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
許可、認可等民間活動に係る規制の整理及び合理化に関する法律案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/8
-
009・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/9
-
010・岩崎純三
○委員長(岩崎純三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/110314410X00319851205/10
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。