1. 会議録本文
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000・会議録情報
平成八年三月二十八日(木曜日)
午後一時三十分開会
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委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
倉田 寛之君 海老原義彦君
畑 恵君 福本 潤一君
三月二十八日
辞任 補欠選任
福本 潤一君 林 久美子君
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出席者は左のとおり。
委員長 永田 良雄君
理 事
石渡 清元君
太田 豊秋君
片上 公人君
緒方 靖夫君
委 員
井上 孝君
岩井 國臣君
上野 公成君
海老原義彦君
橋本 聖子君
山崎 正昭君
市川 一朗君
長谷川道郎君
林 久美子君
山崎 力君
赤桐 操君
大渕 絹子君
山本 正和君
奥村 展三君
国務大臣
建 設 大 臣 中尾 栄一君
政府委員
警察庁交通局長 田中 節夫君
建設大臣官房長 伴 襄君
建設省道路局長 橋本鋼太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 八島 秀雄君
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本日の会議に付した案件
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の
一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/0
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001・永田良雄
○委員長(永田良雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日までに、倉田寛之君及び畑恵君が委員を辞任され、その補欠として海老原義彦君及び林久美子君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/1
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002・永田良雄
○委員長(永田良雄君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。建設大臣中尾栄一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/2
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003・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) ただいま議題となりました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
交通事故の防止は国民共通の願いであり、従前から、国、地方公共団体等が一体となって各般の交通安全対策を強力に実施しているところであります。
政府におきましても、これまで交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づき交通安全施設等整備事業を鋭意推進してきたところでありますが、交通事故による死亡者数が八年連続して一万人を超え、高齢者の事故が急増するなど、交通事故をめぐる状況は依然として極めて憂慮すべきものとなっております。
このような状況に対応するため、現行の平成三年度から平成七年度までの計画に引き続き、平成八年度以降の五カ年間を対象とする第六次五カ年計画を作成することとした次第であります。
次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
平成八年度以降の五カ年間において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画を作成することといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/3
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004・永田良雄
○委員長(永田良雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/4
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005・岩井國臣
○岩井國臣君 私は、自由民主党の岩井國臣でございます。
きょうは、連立与党の立場から本案に対しまして若干の質問をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
交通事故によります死者の数でございますけれども、今大臣から御説明がございましたように、ここ八年間連続いたしまして一万人を超えているわけでございます。第四次、第五次と交通安全対策を一生懸命やってきていただいておるわけでございますけれども、交通事故はなかなか減らない、どうしてだろうか、こういうことでございます。いろんな要因があると思うわけでございますが、私はやっぱり我が国が高齢化社会に入ってきているからだと、そんなふうに思っておるわけでございます。
ここ近年について言いますと、お年寄りの死亡事故だけがふえて、他は減っているんですね。年齢別のいろいろな統計がございますけれども、六十五歳以上、いわゆる高齢者の死亡事故というのがふえておる。若者の死亡事故も、まだまだ数は多いのでございますけれども近年は減っておる。若者の事故というのは、ちょっと言い方が悪いかもわかりませんが自業自得みたいなところもあるんですけれども、お年寄りの死亡事故というのは大概相手からやられるわけでございまして、しかも家の近くで歩いていて突然やられる、こういうケースが大変多いというふうに聞いております。我が国は間違いなく高齢化社会に入ってきているんですね。ですから、そういうことで考えますとここのところはよっぽど考えないといかぬ問題ではなかろうか、こう思います。
このたびの第六次の五カ年計画におきましては、そういった点にかんがみ、コミュニティーゾーン形成事業というものを新規施策として考えていただいておるわけでございます。もちろんこのコミュニティーゾーン形成事業というのは、お年寄りだけではなくて小さい子供さんやら、あるいは身体障害者の方々はもちろんのこと、すべての生活者にとって安心して歩ける静かな生活環境というものを取り戻していく、そういう考え方で考えられておるということで、大変すばらしいことではないか、私はそんなふうに思っております。
コミュニティーという視点に立ちました言うなれば二十一世紀型の事業ではないか、私は極めて高い評価をしております。ぜひ強力に進めていただきたいと思います。
しかし、私には心配がないわけではございませんで、そこで質問でございますが、このコミュニティーゾーンができたおかげでその周辺部の交通量がふえるとか騒音がふえるとか、環境が悪くなるといったようなそういった、ほかにもいろいろあると思うんですが、マイナス面も出てくるのではなかろうか、そんなふうに心配しております。その辺、どのようにお考えになっているのかお尋ねしたいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/5
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006・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) コミュニティーゾーン形成事業につきましては、今御指摘のとおり、幹線道路に囲まれなおかつ通過交通がその中に進入してきます住居系地域などにおきまして地区内の暮らしの安全の確保を図るために、公安委員会によるゾーン規制とあわせまして道路管理者もコミュティー道路あるいは歩道の設置、あるいは歩道ができなくても安心して歩ける歩行者空間をゾーンとして確保していこうという事業でございまして、平成八年度から新規に着手したいと考えているところでございます。
しかし、今御指摘のとおり、このコミュニティーゾーン形成事業を実施する住居系市街地の中につきましては今申し上げましたような通過交通や大型車の進入がなくなるというメリットはあるわけでありますが、周りの幹線道路にある程度の影響があるんではないかという御指摘でございます。そういう点も考慮いたしまして、このコミュニティーゾーン形成事業につきましては比較的周辺の幹線道路が整備されている地区を対象に検討していく、あるいは周辺の幹線道路の整備も並行して進めていくというような観点が必要なのではないかと考えておりますし、さらに周辺道路につきましていろいろな影響が出た場合には、また公安委員会等とも十分協議をいたしましていろいろな施策を展開してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/6
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007・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) コミュニディーゾーンにつきましては、原則としてその地域内で通過交通を制限する、あるいは駐車規制をするということになりますので、結果として、今委員御指摘のように周辺の道路におきまして渋滞とかあるいは駐車等の問題が生じようかというふうに思っております。
したがいまして、このようなコミュニティーゾーンを設定いたしました場合には、周辺の道路の円滑な交通の流れを確保するべく信号機の調整をいたしますとか、あるいは駐車につきましては一時的にはやむを得ない措置ではありますけれども駐車を認めるような、そういう措置を講ずるということも考えていかなければならないだろうというふうに考えております。
さらに、きめ細かな規制をいたしますので、その規制が十二分に周知するようにということで新たな標識等も設けることを考えておりますし、また、コミュニティーゾーンがどのような地域にあるかということにつきましては広くドライバーの方に知っていただくような措置も講じてまいりたいと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/7
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008・岩井國臣
○岩井國臣君 今言われましたコミュニティーゾーンがどのような形であるのか、地域の人はわかるかもわかりませんが、初めてその地域に行く人はなかなかわかりにくいというようなこともあると思うんです。今の説明の中にありました何か新しいやり方、方法をお考えになっているということですけれども、ちょっと具体的に説明していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/8
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009・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) コミュニティーゾーンの標識につきましては、そこがコミュニティーゾーンという特別な地域である、いろんな規制がなされている地域であるということを区域の始まりあるいは区域の終わりを示す標示とともに境界に設置をする、従来の大きな標識で設置をするというようなことを考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/9
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010・岩井國臣
○岩井國臣君 いずれにいたしましても、当該地域は大変環境がよくなるわけですけれども、その周辺地域にいろんな影響が出てくるということは免れないことではなかろうか。そういうことで、この事業を実施していくためにはどうしても周辺地域の人たちの合意を得る必要がある。いろいろ反対が出てくる心配もないではないように思うんです。
そういうことで、周辺地域の合意形成のために何か新しい市民参加の方式といいますか、何か新しいシステムというものが要るように思うのでございますけれども、その辺をどのようにお考えになっておるのか。これも建設省の方と警察の方にお答えいただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/10
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011・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 今御指摘の点でございますが、関係いたします住民の賛同を得るという点につきましては、一つはその地域内の住民の方々にどう賛同を得るかということと、その幹線道路の周辺の住民の方々にどのように賛同を得ていくかという二つの点があると思いますが、それらのいわゆる関連いたします住民の方々が参加する住民参加のシステムについて現在いろいろ検討しているところでございます。
例えば、このような交通安全の事業と申しますのは地域の生活に密着した課題でございます。従来からも、地域の方々の御意見を十分お聞きしながら実施してきておりますが、特にこのコミュニティーゾーンと申す事業につきましては大変その密着の程度が高いということもあります。そういうことで、今回このような事業を実施するに当たりましては、地区におきまして協議会等を設置する、あるいは住民にアンケート調査を行う、そういうようなことによりまして住民の要望や意見を取りまとめてまいりたいと考えております。
一つの例で、現在検討しておる地区がございまして、これは名古屋市の緑区でありますが、これもやはりコミュニティーゾーン推進協議会というものを設置しまして、名古屋市、愛知県警、あるいは地域住民の代表者、関係機関、こういうものが参加していろいろ構想を議論している段階であります。
いずれにいたしましても、こういう地域の合意形成が極めて重要と考えますので、この点についてぜひ積極的な指導を展開していきたいと思います。
具体的には、これからの課題でありますが、関係道路管理者あるいは公安委員会等と協力いたしまして、計画の段階からこの地域の住民の方々あるいは交通輸送関係者、いろいろな関係する方々の参加を求めまして、行政と住民が十分な連携が図れるよう努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/11
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012・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) 委員御指摘のような新しい市民参加といいますか住民参加のシステムの形成というお話でございますが、私どもも、警察の仕事は、交通安全にいたしましてもあるいは防犯問題にいたしましても、住民の皆さん方のお力をおかりしなければ全きを期し得ないというような仕事がほとんどでございまして、そういう意味では、今回のこのコミュニティーゾーンにつきましてもやはり市民の皆さん方の安全意識によって支えられるというような認識でございます。
したがいまして、今回のこのコミュニティーゾーンの取り組みにつきましても、地域の住民の皆さんに参加意識を持ってできるだけ積極的に参加をしていただくというような方向で対応してまいりたいというふうに思っております。
具体的に今建設省の方から答弁がございましたけれども、私どもは、道路管理者の皆さんと連携をとりながら、市民の皆さんが意見を反映させられるようなシステムづくりにつきまして今後検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/12
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013・岩井國臣
○岩井國臣君 従前、コミュニティー道路というのをずっとやってこられて、地域に大変評判がいいんですね。いろんなニーズがあると思いますが、今度の五カ年ではそれを面的に広げようというようなことで、道路管理者と公安の方とが一緒になって、しかも地域の皆さん方と一体になってひとつ進めていこうと。そういう意味で、私は先ほど二十一世紀型の事業じゃないかというふうに申し上げたわけですけれども、大いに期待しておりますので、今後強力に進めていっていただきたいと思います。
さて、その次に歩道と自転車道の整備につきましてちょっとお話しさせていただきたいと思います。
もちろん交通事故にはいろんな形態の事故があるわけでございまして、それぞれの形態に応じまして適切な交通安全対策が急がれていると思うわけでございます。
私は、先ほどの話じゃございませんが、歩行者とか自転車に乗っておられる方が交通事故に遭う、これは従前からあるわけですけれども、これからその視点に立って相当重点的に力を入れて事故対策をやっていく必要があるんじゃないか。結局、対策といいましても歩道の設置とかあるいは自転車歩行者道の設置ということになるんじゃないかと思います。
そこで質問でございますが、従前、歩道の設置あるいは自転車道の設置、それなりに力を入れて進めてきておられますが、その整備方針につきましてまず基本的な考え方というものをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/13
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014・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 歩道並びに自転車道につきましては、これを我々はあわせまして歩道等ということで表現しておりますが、昭和四十五年当時でありますが、相当過去にさかのぼりますが、当時は歩道等の整備ができている道路というものが約一万七千キロにすぎなかったということで、歩道等の整備が我が国は大変おくれておったというのが現状であります。そこで、長期的には欧米並みに歩道の整備された道路をぜひ整備していきたいというのが我々の長期構想でございました。
そういうことで、我が国の一般道路は全体で約百十万キロございますが、この国道から市長村道に至る百十万キロのネットワークの中で、長期的には市街地や住宅地の二車線以上の道路、あるいは幹線道路で歩行者が通行する場合、こういうような道路を選定いたしますと約二十六万キロ、おおむね四分の一については歩道等の整備が必要ではないかという推計がされております。この二十六万キロを長期的に整備目標とし、その中から、例えば平成七年度末でございますと歩道等の整備されている道路が約十二万八千キロございますが、この新しい第六次特定交通安全の五カ年の期間中、五年間でこれを十五万三千キロまで延ばしていきたいということで、長期的に必要な区間の中から特に交通事故が多発している区間、あるいは市街地内で駅等主要な施設がある、そういう周辺、あるいはさらに通学路等緊急性の高いところ、こういうものを重点的に整備していきたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/14
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015・岩井國臣
○岩井國臣君 今、市街地でしかも二車線以上あってまだ歩道のないような道路が二十六万キロ、整備率が半分もいっていないということでございますので、その辺の問題につきましてさらに少し突っ込んで質問をさせていただきたいと思います。
これは道路構造令と交通安全対策との関係みたいな話になるかと思いますが、イメージは、今言われた市街地でしかも二車線以上あって、結構市街地ですから人が通られる、お年寄りも通られる、子供も通る、自転車も通る、そういうところをイメージしていただければいいんですが、道路そのもののカーブが大変きつい、したがって十分な視距がとれない、見通しが悪いということです。しかも下り勾配になっている、したがってスピードが出やすいところです。一般的に、交通事故多発地帯といいますか、死亡事故多発地帯というのは全国にたくさんあると思うんですけれども、市街地についてはかなり重点的に整備を進めてきておられますので比較的少ないのかもわかりませんが、まだ整備率が半分もいっていないということでございますから結構危険なところが私はあるように思っております。
道路構造上問題がある、市街地の中で魔の何とかかんとかとか、要するに事故多発地帯というところは余りないかもわからないけれども、技術的に見て道路構造上問題があるというふうなところがまだ結構あるんじゃなかろうか。道路構造上問題がある、しかも道路は二車線以上だ、人も通っている市街地の中ですけれども歩道がない、もちろん自転車歩行者用道路も何にもない。ですから、道路構造令からいってもまずい点がダブってあるようなところ、そういうところは歩道あるいは自転車歩行者道を設置するということが大変急がれておるのではなかろうか。ともかく何か安全対策をやらなきゃいかぬ。
そこで、市街地におきます歩道または自転車歩行者道の設置の優先順位といいますか、先ほどのは全国平均ですけれども、平均でいえばまだ整備率は半分もいっていない、半分以上がまだないということですが、それを一〇〇%整備するのにはなかなか時間がかかると思うんですが、積極的に進めていく場合にその優先順位といいますか、設置に際しての基本的な考え方というものを聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/15
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016・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 歩道等につきましては、先ほども申し上げましたとおり、必要な区間二十六万キロ余につきましては長期的には整備してまいりますが、やはり重点的に優先順位を定めて整備していく必要がございます。そういうことから申し上げますと、先ほど御指摘ございましたとおり、交通事故が多発している区間、あるいは自動車交通の多い区間、あるいは歩行者数の多い区間、あるいは通学路となっている区間、こういうものを重点的に整備しております。
しかし、これらにつきましては現道の改良として歩道を設置しておりますので、残念ながら人家等が密集している地域ではなかなか歩道の用地の確保が困難な場合もございます。そういう場合には、その区間につきましては抜本的に拡幅をする、あるいは小さな新たなバイパスを設置するというようなことで進めているわけであります。いずれにいたしましても、交通事故の状況、さらに交通量、歩行者数、こういうものを中心に優先順位を定めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/16
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017・岩井國臣
○岩井國臣君 先ほどのコミュニティーゾーン形成事業とも共通したような認識でございますけれども、ドライバーの事故、これも極力なくすように道路構造自体を変えていくということは当然必要なわけで、これは従前からもやっていただいておるわけですが、歩行者それから自転車に乗っておる人も含めて、そういった人たちが交通事故に遭わないようにひとつ積極的に歩道とか自転車歩行者道の設置というものを進めていただきたい、お願いを申し上げて次の質問に移りたいと思います。
冒頭のコミュニティーゾーン形成事業というのは、先ほどの説明にもございましたように道路管理者と警察が一緒にならないとできない事業だと思います。コミュニティーゾーン形成事業といったものに限らず、交通安全対策というものは基本的に道路管理者と警察とが力を合わせてやっていくということがほとんどだと思います。一般に我が国は縦割り行政がひどいと言われておりますけれども、交通安全についてどうだろうか、今後道路管理者と警察との連携というものをどのように強化していこうとしておられるのか、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/17
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018・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 交通の安全を確保するためには、道路管理者、公安委員会あるいはその他の関係行政機関がお互いに協力して総合的な施策を展開していくことが必要であります。そういうことから、この緊急措置法に基づきます交通安全施設等の整備事業につきましては、公安委員会と各道路管理者がそれぞれ協力して計画を市町村の段階から作成するということになっておりますので、そういう意味から協力が前提になっているわけであります。
また、事故防止を効果的に図るためには交通事故の分析が極めて重要でありますが、平成四年には財団法人の交通事故総合分析センターを建設省、警察庁、運輸省三省庁で共管で設立しております。事故分析の点でも共同化を図ってまいりたいと考えております。
また、交通安全の問題は現地、地域の問題であります。そういうことから、地域ごとに、各都道府県におきましても、道路管理者、公安委員会から構成しております交通安全対策の合同委員会等を設置しまして交通安全対策を強力に推進しているということでありますし、これらにつきましても指導してまいりたいと考えております。
さらに、最近ではVICSどいうことで道路交通情報通信システムの高度化等も図る必要がございます。これらにつきましてもやはり公安委員会との連携が極めて重要であります。
そういうことから、常日ごろから公安委員会との連携は強化を図ってまいりたいと考えておりますし、建設省並びに警察庁という本庁同士でも十分なる連携を現在も図っているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/18
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019・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) 効果的な交通安全対策を推進していくための努力といたしまして、特に警察といたしましては道路管理者との連携の強化が大変重要であるというふうに認識しております。
ただいま建設省からも御答弁がございましたけれども、本庁レベルでのいろんなデータの交換でありますとか、あるいはVICSとか情報センターの運営ということでお互いに協力をし合う、さらには相互に仕事を理解して、またその仕事の円滑を期すために人事交流等も行っておりまして、より関係省庁との協力体制の確立を図るという趣旨でいろんな施策を推進しております。
また、第一線におきましては、都道府県警察レベルではございますけれども、定期的に意見を交換する場を設けたり、あるいは交通事故の多発地点につきまして道路管理者と警察が共同で調査をする、そして両者の実施する施策の調整を図るというようなことも現にやってきております。今後とも、このような施策が有効かつ円滑に行われますよう都道府県警察を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/19
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020・岩井國臣
○岩井國臣君 建設省と公安委員会の方で従前から人事交流を行うなど、大変連携をとりながらやっておられるということは私も十分承知しておるわけでございますけれども、このたびの第六次の五カ年計画に基づいて交通安全対策を強力にしかも効果的に進めていくためには、さらに両者の連携が重要ではなかろうかと思います。ぜひ今後とも連携強化に努めていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/20
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021・山崎力
○山崎力君 平成会の山崎でございます。
初歩的な質問から入らせていただきたいと思うんですが、今回の法律改正というところでございます。これは確認でございますけれども、いわゆる日切れ法案と言っているような、日付を変える以外に何か改正の目的というものはあるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/21
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022・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 今回の改正につきましては、従来の平成三年度からの五カ年をつくるというものを平成八年度からの特定交通安全も含めて五カ年計画をつくるという改正が主でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/22
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023・山崎力
○山崎力君 ということで続くわけでございますけれども、この法律ができたのは昭和四十一年というふうに承知しております。それからずっと年度計画で来ておるわけでございます。
想像するところ、当時の交通事故の急増に対して何らかの安全施設等を緊急的に整備しなきゃならぬ、こういうことでこの法律はスタートしているわけでございます。そうなってきますと、三十年以上緊急措置が続いているということになって、現在ではこの緊急措置という法律の表看板の軸自体がちょっといかがなものかというふうな感じすらするわけでございますが、これを限時法として続けている理由について御説明願えればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/23
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024・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) この法律は、交通事故が多発している道路などにおきまして交通安全施設の整備を総合的、重点的に行う、これによりまして交通安全を緊急に確保するという目的でございます。そういうことから、この性格から申しまして、期限を限って対策を重点的に行うという仕組みをとっているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/24
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025・山崎力
○山崎力君 御趣旨はよくわかるんですが、そうしますと、これまで三十年間緊急措置をとってきたけれども、それを外すことができなかった現状があるということになりかねません。その点についてはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/25
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026・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 御指摘の点でございますが、例えば歩道の整備、これは極めて重要な課題でございます。昭和四十一年以来営々としてこの歩道の整備をしてまいりましたが、これにつきましては大変な費用と時間を要します。昭和四十一年当時はほとんど歩道の整備ができておりませんでしたが、昭和四十五年度末におきましても一万七千キロ程度にすぎなかったものでございます。平成七年度末では十二万八千キロになっておりますが、さらに長期的にはこれは二十六万キロまで整備する必要があるわけであります。そういう意味では、長期的であるというのは御指摘のとおりだと思います。
こういう時間のかかる施策もございますが、例えば横断歩道橋等につきましては、昭和四十一年以来ほぼ十年間で相当の設置が可能でございました。その整備によりまして、横断歩行者の事故は激減したわけであります。
そういう事故の状況あるいは社会の情勢の変化にそれぞれ対応して適宜計画を策定し、それに基づき事業を実施していくという観点から、ある時限を限って計画をつくるというこの法律も、それはそれなりに意義があるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/26
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027・山崎力
○山崎力君 おっしゃりたいことはよくわかるのでございます。ただ、そうなってきますと、年次計画でやっていてしかもいわゆる年度ごとに会計処理しているという計画はほかにもたくさんあるわけでございます。かえってむしろ、どちらがいいのかというこれは行政上のテクニックと、それから我々の立法府としてのそれに対するかかわり方の問題になろうかと思うんです。
一言で言えば、今度のこの計画自体、これから何をするのかということ自体が、恐らくこれからこの予算が通ってから今後五年間の実際の具体的な計画を詰めていく、それで閣議決定して、たしか六月か七月でしたですか、そういうふうな形でやっていく。その閣議決定の後、それでは我々がその内容に立ち入ってやるということになると、また毎年それをやることになるかということになりますと、こういった委員会におきまして、特に今回の場合は日切れという関連で突っ込んだやりとりが果たしてやれるかどうかという問題もございます。
そういった観点からすると、果たして交通安全という非常に総合的な問題、その中の施設等ということに対すること、これ単に施設等といっても五年計画の中で五兆円、毎年一兆円という膨大な予算をつけるわけでございます。そういった中で、もう少し中に入っていってやる機会というもの、五年計画はつくるとしても、何か過去の惰性でこの五年計画を積み上げている、いわゆる緊急措置法でやってきている、むしろそういうふうな感じがするわけでございます。
大臣にちょっとお伺いしたいんですが、いわゆる政治家として、その辺の先輩として、こういった交通安全対策というものは緊急措置というようなことに果たしてなじむんだろうかという素朴な疑問についてどうお考えか、議員としての立場からも大臣の御答弁を願えればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/27
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028・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) 先輩ではございますけれども、全く私もこの種のものはそんなに委員みたいに勉強しているわけではございませんが、それでも言っている意味はよくわかりますし、非常によく理解できます。
建設省及び警察が、昭和四十一年にこの法律そのものが制定をされまして以来、交通安全施設等の整備を積極的に推進していることもこれまた事実でお認めを賜れるかと思うんです。その結果、昭和四十五年度末には一万七千キロにすぎなかった歩道の整備延長が平成七年度には約十二万八千キロになるというように、施設などの整備水準が飛躍的に高まったわけでございまして、自動車などの走行台キロ当たりの死者数は昭和四十一年の約十分の一になるというような結果を見ましても、その効果が着実に上がっているのではなかろうかと、こう思っておるわけでございます。
しかしながら、その間、自動車交通量の増大、事故に遭う確率の高い高齢者人口の増加など、交通安全を取り巻く社会状況というものは極めて著しく変化しておりまして、それに対応して新たな対策が次々に求められてきておるのではないかと思うのでございます。
このために、その時点では交通状況に即応した五カ年計画を策定して適切な対策を講じてきたというわけでございまして、今回も同様の考え方に立って、平成八年度を初年度とした新たな五カ年計画を策定するために本法律案を提出させていただいておるところでございますが、五カ年計画は、高齢者事故の一層の増加などの最近の事故状況に的確に対応して策定し、総合的な方策を強力に実施して交通事故の減少を図っていく所存でございます。
昨今、私ども感じますのは、今までの説明の中にも幾つかございましたように、若者が亡くなっていく数以上に年々歳々むしろお年寄りが亡くなってきておる。これはある意味において、六十五歳というものを基準にして考えるならば、お年寄りはそれだけ運動神経というのでございましょうか、それも反射神経も少なくなっているのかもしれません。それからまた、若者は若者でかつての暴走族的なようなメンバーもおったのかもしれませんが、お年寄りが御自分の御自宅の前を通っておっても事故が起こるということを見ますると、時に反射神経とかということよりも、何も若者に限ったわけじゃございませんが、暴走する車にはねられるような、それに対応でき得ないような状態も加速度的にふえてきておるのかなという感じもしないでもございません。そういう点で、これもやっぱり注意をしていこうという考え方は私は認識の中にあるわけでございます。
さらにまた、教育の問題点等にもとらえられるように、私は、もう少し何といいましょうか、若者も非常に大きく意欲的な、画期的な活力に満ちたエネルギーは大切にしながらもなおかつモーダレートにという、自分自身がこれを考えていくような教育というものも幼いときから必要になるのではなかろうか。これは蛇足でございますけれども、私の本来持っておる考え方も多少織りまぜまして申し上げさせていただきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/28
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029・山崎力
○山崎力君 次の質問の中のお答えも相当おっしゃっていただいたのであれなんですが、いわゆる五カ年計画自体は、別に私自身反対だというわけではなくて、単年度の来年どうするかということの積み上げよりはこうした問題にはむしろいいんではないかというふうに思っているわけでございます。
そこで、その絡みでございますけれども、いろいろ今までおっしゃっていただいた中に含まれると思いますが、いわゆる大きくくくって、過去のこれまでの五カ年計画で目指したもの、そしてその中で達成、うまくいったというものあるいはいま一つ足りなかったというもの、それから、今の大臣の御答弁にもありましたが、次の五カ年計画の目標ですね、高齢者に対するというふうなこともございましたけれども、どこに予算上の力点を置いていきたいのかということを教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/29
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030・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 昭和四十一年以来、この交通安全対策事業を実施してきたわけでありますが、その中でも特に歩道の整備につきましては、先ほどもお話し申し上げましたが、約一万七千キロほどにしかすぎなかった昭和四十五年度末のストックが平成七年度末には十二万八千キロというようにストック量がふえてきたということもありまして、歩行者、自転車の死者数について言えば、昭和四十五年には七千八百七十九人であったものが平成七年には約半分の四千百八人まで減少するというような効果も上げておりますし、昭和四十一年当時と最近の走行台キロ当たりの死者数を比較しても極めて顕著な効果が上がっていると考えられます。
また、第五次の五カ年計画の期間中に交差点改良事業、これも重点的にやってまいりました。これらの箇所、約二百カ所につきまして交通事故の事前事後評価の調査をしたところによりますと、この交差点改良をする前の事故の発生が千四百八件あったものが六百六十三件と半減する、このように対策そのものにつきましてはそれぞれ効果があったものと考えられます。
しかし、マクロ的に申し上げますと、交通事故者の一万人を切るという目標が達成できないというのもこれまた事実でございますし、六十五歳以上の高齢者の死者数がふえているというのも事実であります。
そういうことから、従来からハード、ソフトそれぞれの事業を進めてきているわけでありますが、特に今回におきましては、第六次におきましては、まず死者数を一万人以下にするということで、事故対策の効率化を図りたい、効率化、さらに効果的な事業にしていきたいということで、事故削減を集中的に実施するための事故多発地点緊急対策事業、こういう事業の取り組みを図ってはどうか、あるいは高齢者の事故を減らすために、さらに高齢者が外出しやすくするために、高齢者がよく使うような住居系地域の歩行者空間を面的に整備するコミュニティーゾーンの形成事業を実施してはどうか。さらに、従来から道路管理者あるいは公安委員会という官側が計画するだけではなくて、利用者の意見を十分聞いてはどうか、利用者と一緒に総点検をしてみてはどうかというそういうソフトの面も取り組んで、今後進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/30
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031・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) 従来の五カ年計画の成果、問題点、それから今後の五カ年計画に向けての決意、内容等の御質問でございますが、私どもといたしましては、従来、特に現在の第五次の五カ年計画につきましては、高速走行抑止システムとかあるいは違法駐車を抑えるシステム等々新たな事業を行いましていろんな努力を重ねてまいったわけでございます。
しかも、事業の実績を見ますと、計画が、特定事業が約一千五百五十億、地方単独事業が四千九百七十億という計画でございましたけれども、実績はいずれも上回っておりまして、特定事業は一千六百七十八億円、地方単独事業は五千百四十九億円となる見込みでございます。
このように計画に沿いましていろんな事業を行ってまいったわけでございますけれども、この安全施設等整備事業五カ年計画のよって立つところの政府の交通安全基本計画の目標であります一万人以下に死者を抑えるという目標を達成することができなかったということは極めて残念なことでございますし、また、その間におきまして我々の予想しなかったようないろんな情勢、状況が生まれてきたということも事実でございます。
今回のこの新しい五カ年計画につきましては、今建設省から話もございましたけれども、高齢者にかかわる事故が大変ふえている。昨年におきましては高齢者の死亡事故が全体の三割を超えておるというような状況でございます。今後、日本は高齢化社会に向かっていくということになりますし、また政府の第六次の交通安全基本計画の目標であります平成九年度までに一万人以下に抑える、平成十二年度までにこれを九千人以下に抑えるという目標を達成するためには、やはり高齢者に中心を置いた、高齢者対策に重点を置いた事業を推進する必要があるというような観点で、今回の五カ年計画に当たりましては、特にコミュニティーゾーンの問題でありますとかあるいは信号機の高度化の問題でありますとか、そういう点につきましても、今申し上げましたような交通事故の状況、今後のいろんな要素を考えました場合にそれを踏まえた上での計画ということを考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/31
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032・山崎力
○山崎力君 その点でちょっと重なる部分もあろうかと思いますけれども、もう一度確認の意味でお伺いしたいんですが、高齢者の死亡がふえていることの原因というんでしょうか、何をもって今までそれほどでもないというあれだった人たちが、ただ、人口がふえたということもあるのかもしれませんけれども、何が原因だというふうに思っているのか。そして、それの原因に対しての対策をどのようにしたいというふうに思っているのかということをもうちょっと具体的に教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/32
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033・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) 高齢者の死亡事故が全体の死亡事故に占める比率が大変高くなってきたのはここ三年ぐらいのことでございまして、従来は年齢層を見ますと若者の世代が大変多かった、一番多かったわけでございますが、これが逆転をしたという状況がございます。
それで、そのような背景と申しますか、どうしてそういうような状況になったのかという御質問でございますが、一つには全体として高齢者の人口がふえたということはございます。また、人口がふえるに伴いまして高齢者の方々の社会参加の機会が増大をしてきているということがございます。それは、歩行者としての参加もございますし、また高齢運転者、高齢のドライバーが非常にふえてきているという事情もございます。そういうような中で、やはり全体として高齢者の方が道路に出て活動される場面というのが従来よりも多くなってきているということが一つ挙げられると思います。
しかしながら、一方におきまして、高齢の歩行者に対しますところのいろんな問題での施策が必ずしも十分にはいっていない、さらにはまた高齢運転者をとりますと、高齢運転者につきましては、先ほど大臣の方からもお話がございましたけれども、やはり一般的に運動神経でありますとか、あるいは反射神経が低下をしてきております。加齢に伴いまして低下してきているわけでございますけれども、そういうような方々に対しますところの対策、安全運転教育というのは必ずしも体系的に十分行われてきていなかったというようなことがあろうかと思います。
したがいまして、高齢者の問題につきましては、今申し上げましたようなさまざまな問題が高齢者の事故の増加という形になってあらわれてきているのではないかというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/33
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034・山崎力
○山崎力君 御指摘、そのとおりだと思います。
ただそこで、ほかにも絡んでくるかもしれませんが、高齢者の対策として、特に高齢者のドライバーの問題で、技能チェックといいますか今の免許制度全体の問題にも絡んでくるかと思うんですけれども、そういったことが果たしてこの交通安全施設等整備事業に関するというここのところの事業たり得るのか、または別のところの問題ではないかなという気がしないでもないんですが、その辺はお金の出どころの問題になろうかと思いますけれども、いかがなものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/34
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035・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) ただいま高齢運転者のお話がございましたけれども、やはり私どもはこの交通安全施設等整備事業五カ年計画、新しい計画の中で新しい科学技術を導入した交通安全施設、信号機の高度化というものを考えております。
そういうようなものが完全にでき上がりますと、いろんな運転者の方、やはりいろんな事象に対しまして対応能力が必ずしも十分ではない、そういうような運転者の方がいるということも想定しながら、信号機の高度化を図るという事業も当然この中には含まれてくるというふうに考えているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/35
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036・山崎力
○山崎力君 やはり、いわゆる交通戦争と言われる交通安全対策という問題については、物をつくるというハード面、施設等の整備というだけではない総合的な対応が必要かと私は思っております。その中で、この安全施設をどうするのかということが当然出てくるわけです。
先ほどに戻って、五カ年計画ということについて若干異議的なものを申し上げたことからすれば、先ほどのコミュニティーゾーンの問題でございますが、これは交通安全にも資するでありましょうけれども、むしろこれからの建設省の立場からいけば町づくりという大きな問題の中の一つの要素ではないかとも受け取れるわけでございます。交通安全のためにこれをする、こういうふうな方向から行く、予算の裏づけという面からするとそういうことになろうかと思いますが、そうではないんだと、新しい都市、町をどういうふうな町にしていったらいいのかという観点からすれば、同じ建設省でも担当部署が違うのじゃないかという意見は出てこようかと思うんです。
そういった点で、私自身が先ほど申し上げたかったのは、一つの問題点から出ていく、この交通安全の問題からというだけではなくて、各省庁の中あるいは省庁内部の部局間の間でもどうやって協力体制をつくっていくのかということ、そのときに、この交通安全施設というものがもしこれでずっと緊急措置としてやっていくならば、かえって絞り込んだ方が先ほどの歩道建設の方の促進にもつながるんじゃないかというような気持ちもするわけでございます。
その辺のところの判断というのは非常に難しい予算配分の問題だろうと思いますけれども、もう少しこの法律の頭書きの法律名になっている緊急措置という観点からすれば何かちょっと、けちをつけるわけじゃないんですが、コミュニティーゾーンづくりの方を新しくと言われても、果たしてそうなのかなという気が若干するものですから、その辺のお考えを教えていただければと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/36
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037・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) この緊急措置法に基づきます事業につきましては、緊急性ということが極めて重要だと考えております。
そういう中で、今御指摘のコミュニティーゾーン形成事業につきましては、交通安全ということで事故の防止を図るという目的もございますが、委員御指摘のとおりこれは道路環境全体あるいは居住環境全体を改善していくという趣旨も含まれているのはそのとおりであります。
そういう中で、いろいろな地域があるわけでありまして、あるところにおきましては区画整理をやって必要な歩行者空間あるいは通行空間を確保していくという仕組みが適当な場合、あるいはこのように一応幹線道路という観点からいえば、周辺の道路が整備されていて中の地区道路の整備が不十分で交通安全が確保されていない、あるいは大型車等が進入してくるということを防止するという観点から緊急にこのような事業を実施していくという制度、いろいろな制度がありますので、それはその地域地域の特性に応じまして適切なものをそれぞれ地域が選定していく、あるいは国がいろいろなメニューを提示してそれを選択していただくというやり方ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/37
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038・山崎力
○山崎力君 若干細かいといいますか具体的なことで恐縮ですが、先ほども触れられたと思いますけれども、かつて緊急措置の一つの大きな目玉として道路の横断歩道橋というものがございました。それがかつてほど、目立たなくなったといいますか効力を発揮していないような状況が全国的に見られると思います。もちろん、駅前等の大量の人が歩いて渡るようなところを大きな歩道橋でやるということは新しくやっているところがあるようでございますけれども、一般の国道等に歩道橋が幾つも並ぶという光景はだんだん目立たなくなりました。
その辺のことは、今回のことも当然、もうかつての話だと思いますけれども、そういった面での結論といいますか、こうであったというようなことは省内、建設省としてまとまっているのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/38
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039・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 一つの例といたしまして横断歩道橋の設置についてでありますが、昭和四十一年からの五年間で約五千八百カ所設置いたしましたし、次の五カ年では約二千五百カ所設置しております。現在が約一万カ所程度でありますから、おおむねこの十年でその設置が図られたものでありますが、これにつきましては、通学路を含め横断中の事故が多発しているという当時の事故の発生状況から緊急に整備をしたものであります。
その後、横断歩道橋の設置もされておりますが、これについては学校が新設された、あるいは通学路を変えた、あるいはその他の交通の状況の変化という観点からこのような歩道橋を設置しておりますので、設置数としてはそれに比べますと減少しているというのは事実だと思います。
さらに最近では、これを歩道橋ということで上へ行くのではなくて地下道にしていくということも考えておりますし、さらにこの地下道あるいは横断歩道橋にしてもスロープ化していくという施策を講じております。あるいはまた、利用者が多い、さらには身体障害者等の利用が考えられるようなところにつきましては昇降施設も設置していくということも検討しているわけであります。そういう意味で、この横断歩道橋そのものにつきましてもその時代時代で役割が変わり、さらに高度の機能を要求されているというのは事実だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/39
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040・山崎力
○山崎力君 いろいろ時代時代によって対応が変わってくるということは当然のことながら感じるわけでございますけれども、やはり問題は、毎年一万人ずつ死ぬ、交通戦争というような表現で行われていることでございます。
私たちが今回審議している安全施設だけではなくて、その死者を減らすためには、それこそ運転者あるいは歩行者サイドのマナーの問題もあれば、広い意味での道路構造の問題もある、あるいは運輸体系の問題もこれあり、非常に幅の広い中で問題点が指摘されなければならないだろうと思っております。特にここの、我々と違うところでは、昨今の自動車業界を見ればエアバッグをどんどん普及させているという、自動車の構造上の安全性の問題も非常にクローズアップされている。
そういった中で、どうしたら死者を少なくできるか。そのためには、当然のことながら、各省庁間の極めて密接な協力関係あるいは共同しての検討作業というものが必要だと思いますけれども、そういった中で建設省として、大臣として、ほかの省庁の方々とこの問題を話し合う機会があろうかと思いますので、その点を最後にお聞きしたいと思います。
あと、蛇足ながら、我が党としては当然この法案に対して賛成をするということでございますので、その点を御承知の上で御見解をお聞かせ願えればと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/40
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041・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) むしろ、ある意味において大変建設的な御意見を賜っておりまして、先ほどからそういう考え方もあるなということを幾つか感じ取っておりました。
この間、実は衆議院の委員会でこの問題を、別称の名前ではございますが、やっておりました。そのときにある政党の方は、交差点の信号機をもっとふやせばいいんだ、それが非常に多くの人たちを救うんじゃないかと、こういうことを強く言われておりました。そういうことを聞きましても、これまた先ほど幾つか言われている当然の選択肢の一つでもございましょうし、考え方というものはいろいろあるわけでございます。
ただ、お年を召した方々が昨今非常にふえておるということは気になることで、これは先ほどマナーの問題までも含まれるのではないかと言われました。これは私の実際の経験でございますけれども、私も自分では心は若いつもりでおりますが、肉体は極めてどんどん衰えておるということがわかりました。高等学校に行く前くらいまでは相撲などをとっても私の方が圧倒的に強かった。ところがこの間、自分ではまだ力が残っておるかと思って、ちなみに私の息子も三十過ぎた男でございますが、組み取ってみますると、そこに布団があったからやってくれたんでしょうけれども、思い切って私の方が投げられて、しかもなおかつ相手は布団を計算した上で、そこへやんわりと落としたのか、それも一つの思いやりでやってくれたのかなと思うんです。
そこで、ある意味においては、長幼の序という言葉は何も私もあえて使いたくはございませんが、お年を召した方々が運転している場合、あるいはまた歩いている場合、それに対する配慮というものは極めて大事なんじゃないか。今の若者に何も言い聞かせるわけじゃございませんが、おのずから、家庭教育の中から、自分よりも先輩に対する敬意、あるいはまたそういうものをそんたくする気持ちといいますか、そういうものも必要なのかな。こういうものを全部加味しながら考えていかないと、解決はなかなか難しいんではないだろうかという感じさえもしたぐらいでございます。
大変参考になる御意見をいろいろ聞かせていただきましたが、十分こちらでそういう点も加味しながら検討させていただきまして、これは各省相まっておやりなさいといっただいまアドバイスを賜りましたが、私もそう思っております。
事、建設省の問題だけではございませんし、警察だけの問題でもございますまい。総務庁やその他にも参画いただいて検討すべき課題ではあるかなと思うほど多岐にわたる問題点かなというふうに受けとめております。こういうことを何回も何回も繰り返すようなことではなく、できる限り一つの恒久的な課題として我々は重く受けとめていくということをお答えさせていただければと思います。
ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/41
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042・山崎力
○山崎力君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/42
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043・緒方靖夫
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方です。
交通事故死者は、この間、八年連続で一万人を超えるという深刻な事態に至っております。交通事故対策は国政上の重要な課題となっていると思います。
この法案には積極的な提起が盛られていると思いますが、現実にはこの法案に反する道路建設がいろいろあると思います。私は、こういう場ですけれども、少し具体的な話を提起したいと思うんです。
これは、神奈川県の相模原市若松にある小沼団地というところなんです。(資料を示す)ちょっとこれ、大変恐縮なんですが、わかりにくいと思いますけれども、この色のついたところが団地なんです。
それで昨年九月二十五日に、この団地を通過する形で、これが国道十六号線なんですけれども、ここを結ぶ道路が開通したんです。私は東京を初め幾つか首都圏をいろいろちょっと見て歩いたんですが、ここの例が一番ひどかったので、こういう場ではありますけれどもあえてこの話をさせていただきたいと思います。
これは、一九九三年に県道区域に指定されて、幅十一メートルのまま、こういう道路が建設された、幹線道路としてつくられたわけです。この地域は文教地域なんですよ。非常に学校が多い。幼稚園、高校、大学、中学、すぐ隣にあるのが小学校なんですけれども、そういう地域である。それからまた、そのちょっと離れたところに老人の施設がある。ちょっと離れたところに身体障害者の施設がある。そういうところを、バスをおりてこの道路を渡って高齢者がしょっちゅう通行する。それからまた、この団地自身も、昭和四十五年につくられた団地で高齢化が進んでいる。そういうところなんです。
そうしたところで、私はおととい見てきたんですが、朝の早い時間帯、八時、九時ごろの時間帯に行きましたけれども、本当に車が数珠つなぎになっているんですよ。大型車両、ダンプ、それを初め普通の乗用車ですね。その間をお年寄りがきょろきょろしながら渡る。あるいは横から出てくる車も渡る。非常に危険が多いところなんです。こういうことを見ながら、本当に大変な事態が起きているなということを痛感したわけです。
私が撮ってきた写真で、大変小さくて申しわけありません。後で道路局の方にはこれをお渡しいたしますから、参考にしていただきたいと思うんですけれども、こういうダンプが本当に住宅地のそばを通るわけです。
それからまた、かつてはどうだったかというと、少し引き伸ばしてきましたけれども、今こういう交通がたくさんある道路が、子供たちがキャッチボールをして遊ぶこういう道路だったわけですよ。それが二年前急にこういう計画がつくられて、そして去年の九月以来大変な交通量になった。だから交通環境が激変したわけです。平穏な団地の生活が一瞬にして大変な交通問題に直面しているという、そういう例なんですよ。
私は本当にそれを見て驚いたわけですけれども、これは県道なんですよ、安心してください、県道ですよ、国道じゃありません。しかし、こういうことに対して、つくった神奈川県は経済効率がいいからこれをつくったと言っているんですよ。それから、いい道路をつくってやったんだから感謝状をいただきたい。これ以上何を望むのかということを住民に言うんです。私、本当にこれを聞いて驚きました。全くわかっていないと思うんです。こうしたことは、本法案のコミュニティーゾーンを形成していくという事業から見ても反すると思うんです。
道路行政として、こうした団地住宅内での事故多発という事態に対して、私はやはり現地も調査して対策をきちっと検討すべきだと思うんですけれども、その点についてお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/43
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044・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 御指摘の県道は主要地方道相模原町田線でございます。国道十六号の前後を通っている道路でございます。この路線は、大正九年に県道認定されて以来、神奈川県におきまして拡幅とかバイパスの整備をしてきているものであります。
御指摘の小沼団地周辺の区間につきましては、この県道が国道十六号でクランク状になっているという観点から、これを一つの十字交差点にするということで整備をしたものでありますが、当該新設されている道路は昭和三十一年に都市計画決定された都市計画道路でございます。その後、昭和四十四年に団地造成がされました。昭和四十六年に一部区間が供用されましたので、このときは市道として認定し供用されたものでありますが、平成七年九月までに県によりまして前後の改良が終わりましたので、県道のバイパスとして平成七年の九月に供用したものでございます。
御指摘のとおり、交通状況が激変したことは事実でございます。そういう観点から、このような場合におきましては十分な交通安全対策、あるいは周知徹底が必要と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/44
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045・緒方靖夫
○緒方靖夫君 せっかくいい法案が出ているわけですから、それに反するたくさんいろんな問題があるけれども、その中の一つの非常に極端な例として、道路局としてやはりその現場を見て今後対策を練っていただくという、その点をちょっとお約束していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/45
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046・橋本鋼太郎
○政府委員(橋本鋼太郎君) 先ほど御説明申し上げましたが、これにつきましては県道でございます。神奈川県におきまして事業を実施しておりますので、県の担当者に十分状況を聞きまして、必要があれば現地調査その他についても検討していくことではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/46
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047・緒方靖夫
○緒方靖夫君 ぜひそれをお願いいたします。
住民がこの間確認した中で、道路が供用を開始されてから半年間ですけれども、交通事故が十五件起きているんです。(資料を示す)これもちょっと見にくいと思いますけれども、住宅地に車が突っ込むというこういう事故が起きているんです。しかも、この隣には学童保育所があるというそういうところです。
それで、こういう点で小沼団地の自治会は、猛スピードの自動車、速度制限が今四十キロなんですけれども、交通が少ないときには七十キロで走っている、八十キロで走っている、そういう事態があるわけです。あるいは大型車の規制、通行規制ですね。また、十六号線に抜ける際の、そこが交通が多いわけですけれども、横浜方面への右折禁止とかそういった具体的なことを要求しているわけです。
そこで、警察庁にお伺いしたいんですが、こうした実態をきちっと把握して、先ほど言われた高齢者の安全という点からも最大限の善後処理を要請したいと思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/47
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048・田中節夫
○政府委員(田中節夫君) 御質問の県道につきましては、神奈川県警察におきまして、交通事故防止を図る観点から、この道路が供用開始後、住民の方々の意見等も踏まえまして、交差点信号機を五カ所つけました。また、指定方向外通行禁止の規制とか自発光式の一時停止標識、あるいは今お話がありました速度規制などの対策を講じてきております。
しかし、今お話しのように交通の状況が非常に変わってきておりますので、神奈川県警におきましては、交通の状況を見きわめながら、さらなる安全施設の整備とかあるいは交通規制、そして取り締まりにつきましても努力をしてまいりたいという報告を受けているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/48
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049・緒方靖夫
○緒方靖夫君 それをぜひ積極的に住民の要望に沿った形で進めていただきたいと思います。
最後の質問ですけれども、昨年八月に道路交通環境整備懇談会というところでの提言が出されております。これの十八ページに、「道路ストックが不十分ななかで急速にモータリゼーションが進展したため、本来、人が主役であるべき空間に車が入り込み、人が作りあげた機械に脅かされるという主客転倒の状態となっている。」、そういう指摘があります。このとおりだと思うんです。本当にそのとおりのことが書かれているわけですけれども、今具体的にお話しいたしましたように、平穏な生活が一本通った道路によって大変な問題が起こっているという、そういう現実がいろいろなところで起きております。
先ほど中尾建設大臣は、高齢者の事故、それから高齢者が家の近くで事故に遭う、そういう事例がいろいろある、多いということを述べられましたけれども、そういった点で最後に建設大臣にお伺いいたしますが、こうした相模原の例を聞かれ、また人、車、道路の問題など、国民の命と安全、そうした問題に直接かかわる道路行政を進める上で、建設大臣の決意をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/49
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050・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) 一言で言うならば、人様に優しく、思いやりといいましょうか、まず若者の事故が減少してお年寄りの事故がふえたということだけでも、若い方々にはそういうような方向づけを気持ちの上でも持ってもらいたいことでございます。そういう意味においては、物理的にもあるいは地理的条件からいっても先ほどのお写真にございましたようにいろいろ考案しなければならぬことがたくさんあると思いますし、うちが建ち、便利になったからといって事故が消えないということは、即そのような精神的な面にも幾つか考えなければならぬ点があるのかなという点も加味すれば、総合的な問題としてこの問題はやっていかなきゃならない。
一点、先ほどの交差点の信号じゃございませんが、それだけをつければ全部が解決するという問題でもございますまいし、また同時にただ言葉の上だけでお互いに思いやっていこうなと言うだけでもこれまたなりますまいし、ということから考えますと、総合、複合いろいろ各省とも相談し合いながら知恵を絞ってやっていこうという考え方が、少しでも今増加率の高いものがリダクションされていくような方向にもつながっていくんではないかと私は思いますし、そのような形で監督させていただければありがたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/50
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051・緒方靖夫
○緒方靖夫君 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/51
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052・永田良雄
○委員長(永田良雄君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/52
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053・永田良雄
○委員長(永田良雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/53
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054・中尾栄一
○国務大臣(中尾栄一君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。
審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/54
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055・永田良雄
○委員長(永田良雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/55
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056・永田良雄
○委員長(永田良雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/113614149X00619960328/56
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